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【学びログ】出張申請サービスで学ぶ、オブジェクト指向UIデザイン_BONO

こんにちは!グラフィックデザイナーからUIUXデザイナー目指し勉強中のZIN(じん)と申します。
今回は現在参加している、UIUXデザインが学べるコミュニティ“BONO-ボノ”の情報設計シリーズ『出張申請サービス』の課題制作工程と学びを共有しようと思います!皆様の創作のヒントになることがあれば幸いです。(少し長めの記事になってます💦)

課題の詳細はこちら↓↓↓

今回の課題目的は、「要件と顧客ニーズに適合する機能のデザイン」を目指す内容でした。そのため、情報設計においてオブジェクト指向UI(OOUI)を用いた制作に挑戦してみました!


【概要】出張申請サービスのUIデザイン作ってみた

メインビジュアル

担当領域:要件定義/情報設計/UI作成
期間:約1.5ヶ月

完成プロトタイプ

【申請作成フロー プロトタイプ】はこちら
【承認フロー(差し戻し) プロトタイプ】はこちら
【承認フロー(承認OK) プロトタイプ】はこちら


【コンセプト】

BizQuick|出張申請サービス

申請がシンプル、進捗がクリア、共有がスムーズ。
ストレスフリーな出張申請サービス。

コンセプト決定までのプロセス

コンセプトプロセス図

【制作プロセス】

制作プロセス図

最終UIデザインまで、大きく「1. 要件定義」「2. 参考サービス・UI調査」「3. 情報の整理(OOUI)」「4. ラフ作成」「5. パターンだし&ブラッシュアップ」の5段階の工程を経て制作していきました。
制作フローでは、ラフスケッチを作成し、違和感があれば再度要件定義書や情報設計の内容を見直しながら、5段階の工程を何度も行き来して作業を進めました。


【1. 要件定義】

1-1. 《ユースケース|UIの利用シーンを整理》

ユースケースの前後を書いて課題と解決策のアイディアだし!
「誰が」「どんなときに」「何をするか」具体的なシーンを想像しながら、仮説としてユースケースをまとめていきます。ユースケースのアイディアだしをしていくことで、課題と解決策を明確化し、サービス全体の方向性や「価値」を定義していきました。
今回は「申請者」「承認者」の2種類のユースケースをそれぞれ仮定しました。

《申請者のユースケース》

大きく「申請前」と「申請後」のフェーズで、申請者のユースケース整理

《承認者のユースケース》

承認者のユースケース整理

1-2. 《現状&理想|主要課題と解決策の明確化》

ユースケースを基に、「申請者」と「承認者」それぞれの「主要な課題」と「解決策」を特定しました。これによりサービス全体の「価値」をより鮮明に定義することを目指しました。

「申請者」「承認者」それぞれの課題と共通課題、それに対する解決策の整理

1-3. 《まとめ|コンセプトとサービスの価値》

これまで定義した内容を元に、改めてコンセプトとサービスの価値を以下のようにまとめました。

サービス価値のまとめ図

【2. 参考サービス・UI調査】

要件定義を踏まえ、実際に自分がユーザーとなり既存サービスを体験しました。この過程で、重要なページの共通要素を分析し、それを基に各ページのUIを整理して参考にしました。

集めた参考UI一覧

<参考調査を探すときのポイント>
UIがシンプルで見やすい海外のサービスをメインに探す
(日本語対応しているサービスだとベスト!)
サービスが似てるもの探す
(カテゴリーが同じ:出張申請系・経費申請系・管理系)
アクションやフローが似ているサービスを探す
(新規作成・詳細画面・承認フロー)

似たシュチュエーションのサービスを探す
(ビジネスやタスク処理で使うもの)

参考サイトやユースケースを基に、今回は以下のページを作成することにしました。
--------------------------------
申請一覧ページ
申請の新規作成フローページ
申請の詳細確認ページ
承認一覧ページ
承認チェックフローページ
--------------------------------


【3. 情報の整理(OOUI)】

オブジェクト特定と構成整理
「主要な課題」と「目標とする理想の状態」を基に「サービスの方向性」を明確にしたので、UIデザイン制作に向けて詳細な情報整理を進めています。具体的には、《行動フロー》《ページフロー》《プロパティ》《タスク》を言語化し、UI画面の中心となる“オブジェクト(コンテンツ内容)”の特定と整理を行いました。

《行動フローサービス全体の流れ
・自らがユーザーとなって体験した参考サービスを基に、参考UIと照らし合わせて客観的なユーザーフローを書く

《ページフロー》ページ遷移の整理
・行動フローに基づきページ同士の関係性や遷移を可視化

《プロパティ》各ページの表示情報を書き出す
・妄想でなく参考やユースケースを考えてリアルな情報をあげる
・グループ分けを意識して書き出す(概要、詳細など)
・具体を書くとき、いつ何を申請するか?=「要件」に立ち戻る

《アクション》各ページのやりたい作業やアクションを整理
・ユースケースで書き出した内容をさらに詳しく書いて整理・定義する
・思いついたモノとにかく書き出す(UI作成時に調整する)
・タスクの優先度を意識して書く

では実際に作成した各ページの《行動フロー》《ページフロー》《プロパティ》《アクション》を詳しくみていきたいと思います。

3-1. サービス全体の《行動フロー》と《ページフロー》

《行動フロー》

《行動フロー》拡大画面はこちら

《ページフロー》

《ページフロー》拡大画面はこちら

3-2. 申請フローの《プロパティ》と《アクション》

アクションは★の5段階評価で「優先度」を明記し、UI設計時の強弱を整理していきます。

※1 コレクション:複数の同種または関連するオブジェクトの集合
※2 シングル:単一のオブジェクトを指し、それ自体で完全な情報や機能を持つ

3-3.承認フローの《プロパティ》と《アクション》

※1 コレクション:複数の同種または関連するオブジェクトの集合
※2 シングル:単一のオブジェクトを指し、それ自体で完全な情報や機能を持つ

【4.ラフ作成】

整理した情報をとりあえずUIに変換して、方向性の確認をする!
まずは、整理した情報をラフUIに落とし込み、方向性を確認します。書き起こして構造を見ることで、不備を自分で見つけて修正を行います。

<ラフ作成のポイント>
・紙にラフスケッチで大まかな構想を描く
・デザインツールを使う場合は、白黒で構造のみを示す
・ラフスケッチとUI要件を比較して、改善点を見つける

「申請の詳細確認」ページのラフ
「承認チェック」ページのラフ

【5.パターンだし&ブラッシュアップ】

それでは、UIデザイン作業に移っていきたいと思います!
今回は、以下のステップでデザインを進めていきます。このプロセスを通じて、ユーザーにとってより良いサービス体験を実現し、効果的かつ魅力的なUIデザインに仕上げていきたいと思います。

<UIデザインのステップ>
1. パターンだし
参考UIと整理した要件・情報を基に、複数のデザインパターンを作成
2. デザイン選定
ユーザー視点と機能性を重視して、最適なデザインを選定
3.自己フィードバック
選んだUIに対し、自己フィードバックを行い、改善を繰り返す
4.要件内容とUIの比較
要件と照らし合わせて改善案を策定
5.要件定義を再度見直し
要件定義も見直して根本的な問題点の特定と再改善

5-1. 《申請一覧》

  • デザインポイント

    • 申請ステータスの強調: 各申請のステータスを色分けし、一番右に表示させることで申請進行状況が一目でわかるUI。

    • 申請一覧にフォーカスしたシンプルなUI:検索や絞り込み機能などの表示を抑え、申請一覧情報にフォーカスし、洗練された一覧表示を実現。


5-2. 《申請の新規作成》

  • デザインポイント

    • ステップバイステップのプロセス:新規申請のプロセスをステップごとに分かりやすく案内し、ユーザーの操作負荷を軽減。

    • 現在地がヘッダーで一目でわかる記載:ヘッダーによる現在のプロセス段階の表示。申請プロセスのどの段階にいるかが明確にする。

    • 戻るボタンの配置位置:「戻るボタン」はページ下部ではなく、機能性を考慮してヘッダーに配置する。

    • 申請後、自動で第一承認者に依頼送信:申請完了後に自動的に初期承認者へ通知が行われ、承認フローをサポート。


5-3. 《申請の詳細確認》

  • デザインポイント

    • 内容毎にブロック意識、強調部分整理し、みやすいUIに:情報をブロック分けし、重要部分を強調することで、詳細情報の視認性とアクセシビリティを向上。

    • 1カラムレイアウトでの見やすさ:1カラムレイアウトを採用することで表示領域を最大化し、情報の密度を調整。

    • 承認状況のリアルタイムフロー表示:承認の進行状況がリアルタイムで視覚化され、現在の進捗を瞬時に把握させる。


5-4. 《承認一覧》

  • デザインポイント

    • 未承認の新着申請通知:未承認の申請に関するアラート機能。承認作業の優先順位を瞬時に把握させる。

    • 承認待ち項目の強調:新規申請や承認待ちの項目は太文字表記で際立たせ、対応の必要なタスクに注意を促す。


5-5. 《承認チェック》

  • デザインポイント

    • 項目を一つ一つチェックする仕組み: 「承認」か「差し戻す」を選ぶダイアログUIを採用し、各項目を確認しながら進める仕様。全項目確認後のみ次へ進む仕組みで、申請の漏れ防止に効果的。

    • どの箇所に不備があるかわかりやすいコメント機能:各申請項目に直接コメントを追加するUIにより、不備の特定と連絡のスムーズ化に寄与。


【まとめ】学びと課題

■ ユーザー視点の使いやすさ

今回の深く悩んだ点は、
参考サイトに例がない独自のUIデザインをどう取り入れるか
でした。具体的に言うと、「承認プロセス中の差戻しコメントUI」の設計において、既存のサービスUI調査&実際のビジネスユーザーへのインタビューから、多くのサービスが「最終的にコメントを一箇所にまとめて記載する」方式を採用している事が判明しましたが、私は各項目に直接コメントを付ける方がユーザーフレンドリーだと考えました。このような状況に対する適切な決断は難しくかなり悩みましたが、最終的には「最も良いと思うユーザー中心のデザインを追求すべき」という結論に至りました。
今回は「各項目に直接コメントを付ける」という方法を採用しましたが、実際のプロジェクトでは、理想的なUI(Aパターン)と実装効率を考慮した現実的なUI(Bパターン)の両方を提案し、理想と現実のバランスを取ることが望ましいと感じています。参考UIはあくまで参考であって、「既存サービスでこうしているから」は根拠にならない。どのような状況でも、ユーザー視点を優先することが重要であると、この課題を通じて学びました。

■ 機能中心のUI設計

もう一つ深く考えた点は、
どのようにして目指す作業体験をUIに反映させ、最適な方法を決定するか
ということでした。具体的に言うと「承認時の各項目チェック」における適切なUIの選定に、なかなか苦労しました。複数のアプローチを検討した結果、表現したい「機能」を中心に考えることが重要であると気づきました。最終的に選んだUIは「申請内容の項目がYESかNOか」を示すダイアログ形式ですが、この過程を経て、最適なUIパターンを見極めるための知識不足を痛感しました。参考サービスや市場のトレンド、基礎UIの知識を学び、実際に制作して吸収する必要があると感じました。


これにて出張申請サービスの制作は終了です!
以上、大変、大変、大変なが〜い記事になってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました!

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