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自分ゴト化する会計

会計が自分ゴト化するとは、
 組織の誰もが自分の仕事のために使いたくなる会計。
 
しかし、自分ゴト化する会計を実践するとなると、かなり難しい。
一番の難しい理由は、自分ゴト化が行き過ぎると、
 〝自分勝手なエゴ(自我)〟に陥ってしまうから。
 
そう、自分ゴト化とは聞こえこそいいが、
 他者からみると自分勝手にしか見えなくもない。
 
この〝自分勝手なエゴ(自我)〟について、
 『シモーヌ・ヴェイユの詩学』(今村純子著)で、
 端的に表現されていた。

それは、〝遠近法の錯覚〟。
 
自らにとって都合がよいものがはっきり見え、
 都合の悪いものは薄らいで見えることを、表現している。
私たちは、遠くのもの、深いものを観ようとしない。
 
自分ゴト化には、
 浅い自分ゴト化(表面的・似非)と深い自分ゴト化(深層的・真)の
 二つある。

会社を〈深い〉自分ゴト化せずに、
 自分にとっての都合のいい〈浅い〉自分ゴト化だけを追い求めたとする。

メンバー全員が自由気ままに、いや、
 自分勝手に〈浅い〉自分ゴト化するとどうなるだろうか。
 
メンバー全員が個のエゴに走り、
 それらの集合体となった会社はエゴの塊と化す。

もうそれは、会社としての体をなさず、エゴの塊が内側から崩れ出す。
 
自分のコトと会社のコトを合わせて、
 いや、自分と会社がつながってはじめて、〈深い〉自分ゴト化になる。
その〈深い〉自分ゴト化になってはじめて、
 自分ゴトする会計が可能となる。
 
エゴになる理由は、他にもある。
自己組織化の〝自己〟の問題である。
 
マネジメント1.0が目指した機械化・均一化・共通化・標準化などから、
 個性は奪われ、自己も同時に奪われた。
自己を喪失した結果、自我だけが残った。
自我だけが残ったから、エゴになった。
 
また、自己(セルフ)と自我(エゴ)を都合よく誤解して、
 エゴになった人も実は多い。
自己があってこその、自我でなければならない。
 
このように、今社会全体でエゴの強い(自我だけの)人が増え、
 社会全体に悪影響を及ぼしている。

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