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【家族】


 ふと、「成長しているんだな〜」って感じる場面に出会う。

 自分は目の前のことでいっぱいいっぱいで日々悩み日々頭を抱えながら、これでいいのかなってもがいているんだけれど、

 そういった渦中では、焦りもあるし、なんだかわからない不安に襲われることもある。

 
 でも、ふとして訪れる瞬間に、ちゃんと成長しているんだなあ〜と感じて嬉しい気持ちになる。

 今日はそんなことが3つほどあった。

 一つ目は、信頼し合っているからこそ生まれる「与え合う」関係。

 4時間目は体育だった。

 急遽4時間目になったので、あまり4時間目の体育には慣れていない。

 単元はバレーボール。「3の1オリジナルバレー」を制作して楽しむと最終到達点だ。そのために今はバレーボールに慣れているところ。

 体育は、時間になったら、自分のチームの色のビブスを着て、音楽が流れたら「ウォームアップメニュー」から選択して、アップを始める、

 「自己決定」「トライ&エラーの保証」「安心できる場」という『遊び』が成立する3原則を取り入れて遊び感覚で、心と体を温めている。

 ちなみにいわゆる「運動神経がいい」というのは運動経験の差で、「類似運動」をそれまでにどれだけしてきたかが肝心。

 そんなこんなでメニューも多様な運動経験が保障されるようにつくっている。

 また選択制なので自チームとも他チームとも折り合い連続。

 こういった経験値も上がる。

 1曲1分程度でガンガン回す。

 曲が変わったら、場所(メニュー)チェンジをする。

 もう止まることなく5分間動き続けている。

 でも子どもたちは場に働かされて、動きたくて動いちゃっている状態。

 曲が止まったら、チームごとに並んで、タブレットに送っておいたリフレクションシーとに全体のめあてに対するめあてを立てて、かけたら立って言う。これも宣言効果で周りも周りも聞いているし結構いい。責任が生まれる。

 言えたメンバーからバレーの支柱やらを準備。

 準備ができたら、また並び出すので、そしたら「どんな練習が必要?」と問い、思いついたチームから練習していく。

 数分後ゲーム。

 体育の話になってしまったれど、思考の量も運動量もものすごい体育で、時間いっぱいまで動き続ける。

 そんなこんなで4時間目終わり。

 道具やビブス、支柱の片付けがまだ残っている。

 なかなか時間ギリギリだったので、それに気づいたメンバーが「給食当番先戻って給食とつくっときます!!」と宣言。

 みんなも頼むわー!という感じで送り出す。

 体育館メンバーは「早く戻って給食作ってもらっているから、片付け頑張ろー!」という感じで、ビブスも丁寧にたたみ、道具も自分たちでしっかり戻し片付けに精を出していた。

 一方、支援に入ってくださった先生によると、
 早く戻ったメンバーは「体育館で最後まで片付けやってもらっているから、みんなの給食どんどん作っちゃお〜!」といってものすごい献身的な働きぶりで、サーっと一気に給食の準備に努めていたよう。

 まさにこれが「与え合う」だなと。

 「自分はたくさんしてもらっているから、また別のところで恩返しをしよう。」と。

 少しづつ「与え合うこと」が教室文化になりつつあるのかもしれない。

 2つ目は、下校前。

 1〜3年生下校。これもある先生数名から教えていただいたんだけれど、縄跳び用のジャンプ台が出したままであったのを3年生が「自然と」片付けていたらしい。

 その「自然と」をその先生方も強調なさっていて、もう全然普通のことかのように片付けていたそう。

 なんだよそれ。素敵すぎるだろ。

 「自分には何ができるだろう?」と考え、誰にお願いされるわけでもなく、先生が見ているからでもなく、「自然と」「あたりまえに」そういった行動をとっていたのだ。

 技能化というレベルまできているのでは?と思う瞬間であった。

 気付いたり、誰かのためになることを当たり前に「行動」にうつせるその姿から、「利他の心」の育ちを感じて、大きく感動した。

 最後は、昼休みの「3の1オリジナル手作り巨大すごろく」を楽しむ雰囲気。

 まずなんだよそれ笑。

 オリジナルで、手作りで、しかも巨大。

 こういった感じでおもしろいと思ったものをすぐ行動に起こせる力は本当にすごい。

 これは確かゲーム会社の持ち込み企画。

 
 で、ゲーム会社のメンバーはみんなに楽しんでもらうことを喜びにしている。
 なんとぶっ飛んだエンタメ集団なんだと思う。

 とにかく、おもしろい。

 「チャンプ10回」
 「目の前の人とハイタッチ」
 「隣の人とジャンケン」
 「斜めの人と握手」

 とか、ミッションもあって、進んでいく度に参加者のつながりが生まれるように設計されていて。

 1番早く進む!!!!みたいな競争心ではなくて、みんながみんなそのミッションを楽しんでいた。

 畳2畳から3畳くらいのすごろくで、綺麗に色画用紙が貼られ、算数で習ったコンパスを使ってマスが書かれている。

 サイコロもハンドボールくらいのものを手作りで。

 しかも、クラス全員分の名前入りカードも準備済み。

 その名前カードがすごろくのコマになるというわけだ。

 「すごろく廊下でやるらしいよ〜」と給食後にアナウンスが入り、みんながぞろぞろ移動。

 名前カードをもらってみんなも嬉しそう。

 どんとしかれたすごろくシートの周りに自然とクラスの円ができる。

 「〇〇さんから時計回りね〜」とすぐ折り合いがついて、スタート。

 サイコロを取り合うわけでもなく、「はい次俺いくよ〜!」

 という感じで、進む。

 すごろくシートが大きいので、自分でコマを動かすのが大変な場面は、サッっと近くの仲間が動かしてくれる。

 サイコロが転がっていけば、別の会話をしながらも自然とサイコロを次の人に渡して、渡して、渡して、戻してく。

 その都度その都度、サイコロをふるたび、ミッションをするたび、微笑ましい笑顔があふれる。

 クラスみんなが円になって。

 なんだかこのなんとも言語化しにくい、安心感に満ちた雰囲気。

 出そうと思って出せるもんではない雰囲気。

 ねっころがったり、くっついたり、あぐらをかいたり。

 年末年始に親戚一同集まって遊ぶあの感じなのだ。

 身内の集まり感というか。

 

 「こんなこと普通できなよ?☺️」と5時なかなかやろうと思ってもできるものではないよ。なんだろうな〜家族みたいなんだよ〜。と5間目前に力強くもやわらかく、そのままの感動を伝えた。

 いつ育っていたのかわからないけれど、確実に横のつながりができていることをふいに感じた出来事。

 家族なんだよな、あの雰囲気。

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