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城山文庫の書棚から052『アート思考』秋元雄史 プレジデント社 2019

ベネッセで直島プロジェクトを立ち上げ、瀬戸内海を国際芸術祭のメッカにした仕掛け人・秋元雄史さん。本書はアート思考・デザイン思考ブームの先駆けとなった一冊。編集者の渡邉崇さんから恵贈頂き、遅ればせながら拝読。

各章はじめにキーワードが提示され、章末には要点がまとめられており、現代アートの教科書に最適。デュシャン、ボイス、ウォーホルから村上隆、ライゾマティクス、チームラボまで馴染みのあるアーティストを紹介しつつ、アートとビジネスの交差する可能性を探る。

自らの視点を持ち、他人の評価など気にせず理想を追い求める芸術家=アーティストと起業家=アントレプレナーには、確かに共通点がある。既存の価値観に疑問を呈し、イノベーションを引き起こす役割をどちらも担っている。芸術家でも起業家でもない我々が読んでも、本書から得られる気づきは多い。