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大人に近づいた夏。

大学生になった私は休みを利用して小樽へ旅立った。2回目の小樽旅行。

中学生のころに行った小樽の堺町通りをずっと鮮明に覚えていた。思春期でなかなか打ち解けることのできなかった従姉夫婦に連れて行ってもらったあの夏。ちょうど同じお盆の時期だ。居心地は少し悪かったが風鈴の音色やオルゴール堂に並べられた宝石箱のようなオルゴール達に触れて感動を共有したことで少し気持ちが和らいだ。

今年の夏は親戚と共には行かなかった。あの時の記憶のみを頼りにして通りを散策した。感性が昔よりは大人になった私は、あれこれ考えてしまい、あの頃の様に五感のみで純粋に景色を見ることができなかった。当たり前だけれど少しそれが悲しくなったのだ。大人になるってこういうことなのかもしれないと考えたり。ただ、昔の旅行の思い出は今回の旅行を充実させた要因の1つだった。私は過去の記憶はきっと自分の見る景色を広げてくれると信じている。


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