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【育児】優しい子に育つ親の習慣!間違えると意地悪になる?

子育てをしていて、このような場面に遭遇したことはありませんか?

  • 子どもがお友達のおもちゃを取ってしまった

  • 子どもがお友達の遊びの邪魔をしてしまった

こんなとき、子どもに対してつい「優しくしなさい」と叱ってしまう人も多いのではないでしょうか。

実は子どもに「優しさ」「思いやり」といった感情が芽生えるのは3歳頃からだといわれています。
さらに家族やお友達への優しさが持てるのは4歳頃、それ以外の他人への優しさが持てるのは5歳頃とされていますから、小さな子が人に優しくできなくても仕方がないことなのです。

だからといって、子どもの中に優しい感情が生まれるのをただ待っていればいいというわけではありません。
「優しさ」の芽生えには、親や家庭環境が大きく影響します。子どもが5歳になるまでに、「優しい子」になるための土台づくりをすることが大切です。

今回は子どもの優しさを育むために親が取るべき行動を解説します。

また、動画でも詳しく解説しているので参考にしてください。


優しさに必要なのは「共感する力」

優しい子どもは、「共感する力」が優れています。この力には以下の要素が含まれています。

  • 相手の気持ちを想像すること

  • 自分と相手の気持ちは違うものだと理解すること

  • 人にはたくさんの気持ちがあると知ること

子どもの中の優しさを育むためには、まず共感する力を磨くことから始まります。このために親ができることを6つご紹介しましょう。

①「ありがとう」をたくさん言う

子どもは人の真似をするのが大好きです。親が日頃から「ありがとう」と口に出すことで、子どもも同じく感謝の言葉を口に出せるようになります。

最初はあまり意味を理解せず、ただ言葉を真似するだけかもしれません。しかし時間が経てば言葉の意味、そしてそれが相手に与える影響を理解できるようになります。

たとえば子どもがお手伝いをしてくれたとしましょう。そのとき、子どもがしてくれたことに対して「〇〇してくれてありがとう」と伝えてみてください。

  • 食事の配膳を手伝ってくれた→「いっしょに運んでくれてありがとう

  • 洗濯物の片づけを手伝ってくれた→「たたんでくれてありがとう」

  • 荷物を持ってくれた→「持ってくれてありがとう」

親が喜ぶ姿を見せ、具体的に感謝を述べることで、子どもはどうすれば相手が喜んでくれるのか、どうすれば相手のためになるのか学びます。
そして次も同じような行動を取ろう、と考えるようになるのです。

②子どもの感情を否定しない

感情を否定すると、子どもは自分が抱いた感情が悪いものだと認識してしまいます。
自分の気持ちをネガティブに捉えてしまうと自信がなくなり、結果的に自己肯定感が下がってしまうのです。

反対に感情を否定されず受け止めてもらった子どもは自己肯定感が上がり、自分のことを愛せるようになります。
自分のことを大切にできる人は、他人のことも同じく大切にできます。
つまり相手の気持ちを理解し、尊重するという優しさにつながるのです。

子どもは2歳を過ぎたころから、遅延模倣ができるようになります。
これは、誰かがしていたことを時間が経ってから真似する行為のことです。

つまり親がどんな行動を取っているかによって、将来的に子どもが取る行動も変わるということです。

親が子どもの感情を否定していると、子どももそれを真似して他人の感情を否定するようになります。
反対に親が子どもの感情を否定せず受け止めていれば、子どももそれを真似して相手の感情を理解しようとするようになりますから、結果的に優しい行動を取ることにつながるのです。

③子どもの気持ちを言語化する

優しさには相手の気持ちを想像する力、そして理解する力が必要だと説明しました。
この力は親が子どもの感情を言語化し、子ども自身に自分の感情を理解させることで身についていきます。

子どもは自分の気持ちを言葉にできない

子どもは自分の感情をうまく表現できません。それは、感情を表現する言葉を知らないことが理由です。
たとえば悲しいとき、悔しいとき、怒っているとき、大人はそれぞれの感情を区別することができます。

しかし子どもにとってこれらは、すべてまとめて「なんとなく嫌な感覚」です。

子ども自身がこれらの「なんとなく嫌な感覚」をきちんと区別して、「悲しい」「悔しい」「イライラ」とそれぞれ理解できるよう助けてあげるのが親の役目です。

「なぜそう感じたのか」考えることが大切

言語化が重要なのは、気持ちに名前をつけるためだけではありません。子どもが「気持ちの理由」を知るためでもあります。

たとえば子どもが「おもちゃを貸してもらえなくて嫌だった」と感じていたとき、親が「悲しかったんだね」という声掛けをしたとしましょう。
これによって子どもは「この嫌な気持ちは悲しい気持ちなんだ」と理解します。

では親が「おもちゃで遊ぶのを楽しみにしていたのに、それができなくて悲しかったんだね」と声掛けしたらどうでしょうか。
子どもは「悲しい気持ち」を理解すると同時に、なぜ悲しい気持ちになったのか、その理由も理解します。

このような言語化の積み重ねが、子どもの中にたくさんある曖昧な感情の整理に役立ちます。
そしてそれらの感情に名前がつくと、それが他人の感情を理解・想像する力につながります。

  • おもちゃが壊れて悲しかった
    →だから〇〇ちゃんもおもちゃが壊れたら悲しいだろう

  • 順番を抜かされてイライラした
    だから〇〇くんも順番を抜かしたら怒るだろう

これはネガティブな感情だけでなく、ポジティブな感情にも当てはまります。
こうすれば嬉しい、こうすれば楽しい、と理解する力がつくと、どうすれば相手がいい気持ちになるか考えられるようになり、さらにそれに基づいた行動も取れるようになります。

習慣的な感情の言語化が想像力を育てる

感情の言語化は、日頃からの習慣が大切です。
たとえば絵本を読みながら、「この子はお友達に会えて嬉しかっただろうね」「この子はかけっこで1位になれなくて悔しかったのかもしれないね」というように、登場人物の感情について伝えてみましょう。

子どもは少しずつ、自分以外の人の中にもたくさんの気持ちがあることを知り、その気持ちを想像しながら行動できるようになります。

④親子で同じ体験をする

子どもと親が同じ体験をして、それを一緒に振り返ってみましょう。
子どもが夢中になっている遊びに親が参加するのはもちろん、親の趣味に子どもと取り組むのもおすすめです。

  • 〇〇が面白かった

  • △△が不思議だった

  • ××がうまくできなくて悔しかった

同じ体験をすることで気持ちを共有できます。
これによって他人の気持ちを理解する力が身につくだけでなく、子どもの中の曖昧な感情への名づけにも役立ちます。

信頼関係が優しさを芽生えさせる

子どもの優しさを育むためには、親子の信頼関係を築くことが重要です。
これは先ほど解説した「自己肯定感を高める」ことにもつながります。

自分が親から大切にされていると実感している子どもは、周りの人たちのことも同じように大切にすることができます。

親が行動で示すことも立派な体験

子どもに優しさを求める前に、まずは親が優しさを表現するようにしましょう。

  • 電車やバスで席を譲った

  • 道に迷っている人を助けた

親が「ありがとう」と感謝されている姿を見ることで、子どもはこれが良い行動なのだと理解します。
そして家族や友人など身近な人だけでなく、自分が知らない他人に対して優しく接することの必要性を学ぶのです。

⑤コミュニケーションをたくさんとる

子どもにとって、親とのかかわりは大きな影響力を持っています。
それと同じくらい、他の人たちとのかかわりも子どもにとっては大切なものです。

自分が中心だった子どもの世界に家族や友達、そして自分が知らないたくさんの人たちの存在が入ってくることで、世界にはたくさんの考え方や意見があるのだと学びます。

子どもの中にそうした考え方や意見が蓄積されればされるほど、相手の気持ちを想像する力が養われ、優しい子に成長するのです。

愛されている子どもは他人を愛せるようになる

親からの愛をたくさん受けて育った子どもは、周りにも愛を注げるようになります。
親に優しくしてもらった経験がある子どもは、周りにも優しくできるようになります。

子どもが困っていたら、手を差し伸べてあげましょう。何かあったときすぐ近くに頼れる存在がいることは、子どもにとって大きな安心感につながります。
それによって心が満たされれば、他人にも優しくできるようになります。

褒められる経験が必要不可欠

よく「わたしは褒められて伸びるタイプだ」などと言うことがありますが、これは子どもも同じです。

子どもにとって「褒められる」経験は欠かせません。
たくさん褒められることで、子どもはそれが嬉しいことだと学び、褒める言葉がポジティブなものであると理解します。

同時に自分がとった行動に対しても、「これは良いことなんだ」という新たな視点を得るきっかけになります。

こうした経験が積み重なることで、同じように他人の些細な行動に気がつき、そこに対して温かい言葉を伝えられる子になっていきます。

また子どもは「注目された部分」が伸びるといわれています。
つまり子どもが誰かに優しくできた経験を褒めてあげれば、「優しくするのは良いことなんだ」とインプットされ、またその行動を取れるようになるのです。

⑥子どものストレスを少なくする

忙しくて心に余裕がないときほど、普段は気に留めないようなことが気になってしまいませんか?

いつもなら受け流せるようなことが気になって、イライラしてしまうこともあるでしょう。
人は自分自身に余裕がなければ、他人に優しくできません。大人ができないことは、子どももできなくて当然です。

つまり子どもが優しい行動を取るためには、子ども自身に余裕がある状態を作る必要があります。

家での過ごし方が重要

子どもの日々の中で、家はとても大きな割合を占めています。
大人は嫌なことがあれば気晴らしに外出できますが、子どもはできません。だからこそ家の中で感じるストレスをできるだけ軽減してあげることが重要なのです。

「ストレスの軽減」というと難しそうに聞こえますが、そんなことはありません。
子どもの話をじっくり聞いてあげるだけでも効果があります。

子どもにとって親は、最も身近な存在です。そんな親に話を聞いてもらえると、子どもは「親に受け入れてもらえた」と感じ、心が満たされるのです。

夫婦仲・家族仲が子どもにも影響を与える

子どもとの関係だけでなく、夫婦仲や家族仲を良好に保つことも大切です。
両親がいつも喧嘩をしている、あまり会話をしないなど家庭内の雰囲気が悪いと、子どもは家で落ち着いて過ごすことができません。

子どもがストレスを溜め込むだけでなく、親に抱く安心感、信頼感が失われることもあるでしょう。

子どもの前での喧嘩は可能な限り減らし、話し合いは子どもがいない場所ですることをおすすめします。

「共感する力」が子どもの優しさを育む

子どもを優しい子に育てるためには、共感する力を磨く手助けをしてあげることが重要です。

  • 曖昧な気持ち、そしてその気持ちの理由をきちんと言語化する

  • 感謝の言葉を口に出す、困っている人を助けるなど、親が行動で示して手本になる

  • 親子で同じことを体験して気持ちを共有する機会を作る

  • 子どもが心に余裕を持てるようストレスを減らし、たくさんの愛を注ぐ

これらを実践したからといって、すぐに効果が出るわけではありません。大切なのは習慣化することです。
続けていけばきっと、相手の気持ちを想像し、その気持ちに共感できる優しい子に育ちますよ。


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