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図案考論 #003 形状の特性

講義をベースとしたデザインの教科書です。ワークショップを組み込みながら、実践的に習得していくプログラムです。

< Workshop >

下の図のように、A4サイズで、左から丸、四角、三角の黒塗り図形をバランス良く配置してみましょう。

<図-003 a>




< Point >

・ 高さが揃っているように。
・ 距離が均等に見えるように。
・ 紙面に対してのバランスを考える。


■ Size

それぞれの図形の特性を理解して、サイズ感が揃うように考えてみましょう。

<図-003 b> 高さの見本

高さの検証

<図-003 c> 高さの検証

たとえば、上の <図-003 c> のように、高さを揃えると、

<図-003 d> 高さの検証

四角に比べて、丸や三角が小さく見えます。

<図-003 e> 高さの検証

丸の上下や、三角の上部分を広げます。

<図-003 f> 高さの見本

サイズの見た目として、揃ってきます。


■ Space

それぞれの図形の特性を理解して、距離が等しく見えるように配置しましょう。

<図-003 g> 距離の見本

距離の検証 ①

<図-003 h> 距離の検証 ①

たとえば、上の<図-003 h>ように、図形の端から端の距離を揃えると、

<図-003 i> 距離の検証 ①

丸と四角の間に比べて、四角と三角の間が空いて見えます。


距離の検証 ②

<図-003 j> 距離の検証 ②

次に、上下中央での図形端の間の距離で揃えてみると、

<図-003 k> 距離の検証 ②

丸と四角の間に比べて、四角と三角の間は詰まっています。


距離の検証 ③

<図-003 l> 距離の検証 ③

それぞれの図形の左右中心で距離を同じに揃えると、

<図-003 m> 距離の検証 ③

やや四角と三角の間が離れている。

距離は、見た目で配置していきます。

<図-003 n> 距離の見本

上の <図-003 n> のように、図形間のスペースの広さを意識して、感覚的に配置します。

<図-003 o> 距離の見本


■ Position

紙面に対しての図形配置のバランスを見ていきましょう。

<図-003 p> 配置の見本

配置の検証

<図-003 q> 配置の検証

紙面の上下中央に図形を配置すると、

<図-003 r> 配置の検証

全体に下がった印象に見えます。

配置は、数値上での上下中央にすると、下がっている印象があります。

<図-003 s> 配置の見本

見た目でこれをやや上に配置します。

<図-003 t> 配置の見本

Size、Space、Positionを意識して配置をすると綺麗に、バランス良いものに仕上がります。

<図-003 u> 配置の見本


ロゴやタイポグラフィー、レイアウトは、この基本的な考えで構成されています。
フォントに置き換えると、丸は“O”や“C”であり、四角は“T”、三角は“A”と言えます。フォントは細かく分析するとこの視覚的な調整がなされています。

このWorkshopで形状の特性を理解し、様々な作品やまちの景色を見てみましょう。


図案考論 #003


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