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【人生の分岐点】もしもバンドを続けていたら

高校のとき、遊び半分にバンドを組んでいた。
最初はギターとボーカル。
いや、その言葉から感じるようなカッコよさは全くなかったけど。

音楽も得意じゃなかったから、楽譜をよむのに苦労しながら。
ほんと、適当に。Fなんか、ほぼ押さえられず。
よくあんなので、みんな聴いてくれたなと思う。
楽しい時代だった。

高校卒業後、アルバイト先で知り合ったお兄さんたちのバンドに、なぜか入ることになった。

スタジオを借りて、よく練習をした。
あの、暗幕で覆われたような閉鎖的な空間が大好きだった。
ちょっとワルになったような。斜に構えたような。

彼ら二人は、ギターとベース。私はドラム。
やったこともないのに、勢いだけで入ってしまった。


彼らは80年代あたりのロックがお好きだった。
トト、ホワイトスネーク、エア・サプライ、クイーン、ツェッペリンなどなど。
いろんな曲を練習した。
もちろん、ぜんぜんうまいとは思っていなかったけど楽しかった。

彼らは突然、コンテストに出場すると言い出した。

八神純子や中島みゆき、佐野元春など数々のアーティストを輩出した、ヤマハポピュラーソングコンテストに。

無理でしょ。絶対に。そう絶対に無理。

英語を勉強していた私が歌詞を書くことになり、ギターの彼が曲をつけた。
その曲は、いまでも覚えている。かなり恥ずかしい。

ジャーニーの「Anyway You Want It 」を練習していたときだった。
スタジオに、きれいなおねぇさんが現れ、キーボード担当として紹介された。
そうだよね、コンテストに出るんだったらキーボードは必要だよね。

そして私は、あっさりクビになった。
新しいドラマーを募集するって。
え?なんで?

コンテストに必要なのは、おまえじゃなく、ツーバスが上手で力強い音を出せる男性ドラマーなんだ。
あ、そうね。納得。

その後、彼らがどうなったのかは知らないけど、デビューしたとは聞いていない。

私があのままもしも続けていたら・・・なんて
夢をみるだけならいいでしょ。

ありがとうございます。優しさに触れられて嬉しいです。頑張って生きていきます。