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Ⅲ 低学年で覚えて欲しい対人スキル 25 人に頼むことができる 感謝することができる その1

人に頼むことができる 感謝することができる 【解説】

 これの補助項目は2つです。
1️⃣ 困ったときに、先生や友達に頼むことができる。
2️⃣ 助けてもらったら「ありがとうございました」と必ず言う。

この補助項目の解説として「頼むこと」に関して、【解説】します。

 「自分のことは、全部自分ですることは正しい」という考えは正しいです。しかし、できないことや分からないことがあるのも事実です。そいうときでも、凸凹タイプの子どもは、なんとか自分で解決しようとして「とんでもないこと」をしてしまうのです。情報もスキルもないところで「自分でできないことを、自分で解決しようとする矛盾」に気がついていないのです。

 例えば、全然知らない駅に乗り継いで行かなければならないときに、電車の路線図を見ていただけでは分からないときがあります。これは、唸っていても考え込んでも答えはできません。知らないのですから。そいうときは、駅員さんや案内所に行って尋ねればいいのです。その結果、目的地に着けば  
実は「それも自分でやり遂げたこと」になるのです。

 だから、この「人に頼む」ことは素晴らしい力でありスキルなのです。

もっと言うと、最強の力でありスキルなのかも知れません。そして、この力を「頼み力」と読んでいます。
(現代では、スマフォの経路案内アプリですぐ解決しますが、これも「頼み
 力」だと考えます。)

「頼み力」は、強い力

 凸凹タイプの子どもは、授業中にトレイに行きたくなったのに、先生に頼まないで自分でなんとかしようとしておもらしをしてしまったり、忍者のようにこっそり教室から出ようとたりするのです。
 消しゴムを忘れたのに、友達に頼まないで自分でなんとかしようとして、ツバで消したり、友達の消しゴム盗んだりするのです。

 それらの子どもたちに「おもらしをしたら、恥ずかしでしょう」「勝手に教室を出てはいけません」「ツバで、文字は消えません」「友達のものを取るのは、泥棒ですよ」と叱ってみても、何も効果がありません。そもそも、コミュニケーションがずれてしまっています。

 子どもは「トイレに行きたいんですけど」「文字を消したいんですけど」という要求を出していると考えると、上記の先生の言葉が行き違っているのが分かるでしょう。行動の裏にある思いを「想像」していないからです。

 だから、新1年生には「『頼むということ』は良いことであり、自分でやり遂げたことと同じだ」と説明し、頼み方を教えます。実際には、先生や友達に言う【セリフ】を教えることになります。
 その対として、頼み事を聞いてもらったら感謝の言葉「ありがとう」を言うことも教えます。

 先程の例で、どんな【セリフ】を教えればいいか書きます。
【セリフ】
おもらした子どもに
「次からは、『先生、すみません。トイレに行ってきてもいいですか?』と言うんですよ。覚えてくださいね。」

消しゴムを盗んだ子どもに
「消しゴムを黙って取ったらダメよ。それは、泥棒よ。友達に借りればいいんだから。でも『消しゴム、貸して』もだめですよ。借りるんだから、丁寧に『悪いけど、消しゴム貸してください』と言いましょうね。」

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