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クッキーに愛をこめて。

 今日、三月十四日はホワイトデー。

 バレンタインのお返しをする日である。
  
 この習慣は世界では一部の地域でしか行われていないらしく、諸説あるが福岡県のとある菓子店が始めたことが起源になっているそうだ。

 マシュマロやクッキー、マカロン、キャンディといったお菓子をお返しするのが一般的である。

 渡すお菓子ごとにそれぞれメッセージがあるのも興味深い。

 我が家でも今朝出がけに妻にデパートで買ったフォンダンショコラをお返しした。

 あら、ありがとうと言って包み紙を開けて、わぁ美味しそうと言って上機嫌になっていた。

 まあ、気持ちだから受け取ってくださいと言うと嬉しいと言って抱きついてきた。
 
 朝から濃厚なハグをしてすっかり気分が良くなった。

 思えば子どもの頃はバレンタインデーにチョコを貰う事なんてなかったのでホワイトデーも無縁だった。

 バレンタインデーに告白されて首尾よくカップルになった友達から何をあげたらいいかなぁとだらしない笑顔で相談された時は知らねぇよと言って羨ましさからヘッドロックをかけたものである。

 大人になってバレンタインデーに義理百パーセントのチョコレートを職場などで貰うようになってからはホワイトデーにお返しをできるのが嬉しかった。

 私はプレゼントのセンスがあまりないので何を贈るか頭を悩ませたものである。
 
 デパートなどでは特設コーナーを設けてお菓子を販売しているがありきたりであまり面白くないと思ったので自分でクッキーを焼くことにした。

 お菓子作りは計量が命であり大雑把な私にはハードルが高かったが興味本位とウケ狙いのお調子者の血が騒いだ。

 なるべく失敗が少ないように極限まで少ない材料で作れるレシピをあれこれ調べた。
 
 それで小麦粉とバター、砂糖だけで作ることが出来る超シンプルなものに辿り着いた。

 ホワイトデーの前日に早速作ることにした。

 まずバターをドカンと大量に溶かしてそこに小麦粉、砂糖をいれてよく混ぜて小粒な星形に成型して170度に温めたオーブンで十五分焼いたら出来上がりである。

 焼いている時にお菓子作り特有の甘い香りが台所に広がるのでワクワクしたものである。

 早速焼きあがったものを試食してみるとちょっと硬いが素朴この上ない味で結構好みだった。

 それを百均で買ってきたラッピング袋に一つ一つ詰めてお返し品の出来上がり。

 翌日のホワイトデーは事務員の女の子やお世話になっている取引先の女性などに配りまくった。

 お口汚しですがと言って渡すとへぇ、作ったんですか!と言って喜んでくれる人もいれば一瞬えっ、という顔をする人もいた。
 
 すべてを配り終えると気持ちがすっきりした。

 しかしそれは自己満足だったらしく、とある飲み会でクッキーを渡した女の子が酔って私が渡したクッキーはキモいから食べずに捨てたんだよねぇと話しているのをたまたま聞いてしまいショックを受けた。
 
 それ以来手製の食べ物を貰って迷惑する人もいるんだなと思ってクッキー作りをぱったり止めた。

 ホワイトデーになるとそのこと思い出して胸がキュッとなる。
 
 贈り物は難しいなぁと思いながら昨日の晩御飯のお話し。

 昨日は冷凍庫の整理デー。

 鶏モモ肉が眠っていたので救助。

 野菜はキャベツと新玉ねぎ、ピーマンがあったのでこれを使う。
 
 まずは鶏肉をレンジで解凍。

 その間に野菜を切っておく。

 キャベツはざく切り、玉ねぎは細切り、ピーマンはヘタを落として輪切り。

 鶏肉の解凍が終わったら一口サイズに切り分けて塩コショウをしてカレー粉を振る。

 それをボウルに入れてヨーグルト、ニンニク、ショウガを加えてよく揉んで三十分漬け込む。

 その間に副菜づくり。

 フライパンに油を敷いて玉ねぎとピーマンを炒める。

 しんなりしたら塩コショウで味付け。

 いったん取り出してから溶いた卵を焼く。

 そこに炒めた野菜を加えて包み込んで野菜オムレツの出来上がり。
 
 仕上げにケチャップでハート描く。

 汁物はシンプルにとろろ昆布と叩いた梅干しにお湯を入れたお吸い物。

 後はフライパンで漬け込んだ鶏肉を焦がさないようにしっかり焼いてキャベツを添えたらお手軽タンドリーチキンの完成。
 
 ようし、出来たぞぅと言いながら居間にご飯を運んでいただきます。

 昨日のお酒はビール。

 ピピッシュとプルタブを起こしてグラスにトットコトットコ注ぐ。

 妻と乾杯してクビビビッと飲むと喉がヨロコブ。

 ン、プハーッと飲み干して二杯目を注ぐ。

 つまみは野菜オムレツ。

 モグッと食べると炒めた野菜が甘くてそれを優しい卵が包んでいるのでなかなか美味しい。

 ケチャップのみという味付けもちょうどよかった。

 あっという間にビールを飲み干したので焼酎の水割りにチェンジ。

 メインのタンドリーチキンをモグモグするとヨーグルト効果でお肉が柔らかくてニンニクが効いている。

 カレー風味の鶏肉はスパイシーで旨味がぎっしり詰まっていて食べ応え十分だった。

 食べていてインド料理屋に行きたくなってきた。

 またこのチキンが焼酎とよく合ってモリモリ食べてしまった。

 妻もこの料理は好きなのでパクパクと気持ちのいい食べっぷり。

 二人で全部食べたらお腹いっぱいになった。

 うん、カレー味は元気が出るなぁと思いつつご馳走様。

 冷凍庫の中の食品もダメにしないようにマメに消費したい。

 ここの所の物価高に負けないように節約しなくちゃね。

 さぁて今日は何を食べようかな。

 ちょっとだけお買い物しよう。

 一番削れるのは酒代なのだが、これがなかなかねぇ…。

 妻と晩酌をしている時の幸福感は代えがたいものがありまして。

 んー、お酒大好きー!

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