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蜘蛛の糸を上って

 今朝は早く目が覚めたので二度寝しようとしたのだが寝付けなかった。

 時計を見ると午前三時過ぎ、うーんどうしようかと少し悩んだ。

 妻を起こしてしまうとケンカになるのであまりゴソゴソもできない。

 この間は寝起きにカップ焼きそばを作っていたら、うるさいと言われてしまった。

 早朝に起きる生活をしているのでお腹も当然空く。
 
 トーストとコーヒー位なら物音をそれほど立てずに食べることが出来るが焼きそばはお湯を沸かしたりと湯切りをしたりと賑やかな作業になるので気を遣う。

 今日はお腹がまあまあ空いていたので何か買いに行こうと思った。

 身支度を済ませてマスクを着けて車に乗り込んだ。

 とりあえず目的地はコンビニにした。

 夜のうちは点滅信号なので待ち時間が無くスイスイと行くことが出来る。

 ものの五分で到着して入店。

 この時間帯によく訪れるので店員さんとも顔なじみである。

 さて何を買おうかなと思って店内をウロウロ。

 ちょっと品出しのタイミングとずれたのか商品は少なめだった。

 カップ麺はいさかいのもとになるのでスルー。

 少し考えておにぎりを二個とメロンパンとコーヒーを買った。
 
 レジによく会うお兄さんがいたのでおはようございますと挨拶をするといつもありがとうございますとお礼を言われた。

 それからレジを打ってもらっている間に天気の話をしたりしてコミュニケーションをはかった。

 このコンビニは袋詰めをサービスでしてくれるので何となく嬉しい。

 セルフレジで支払いを済ませてまた来ますねと言ってお店を出た。

 それから車に乗り込むと左の二の腕にソワッと違和感が走った。

 こそばゆい感覚で何だろうと思ってルームライトをつけると親指大の蜘蛛だった。
 
 いきなりの遭遇だったのでおもわずキャッと乙女のような声が漏れた。

 一呼吸して少し冷静になったのでどうしようかと思った。

 おそらく自宅を出る時に車内に紛れ込んだのだろう。

 潰そうかと思ったがそれも忍びない。
 
 なので窓を開けてそっと逃がした。

 ツツーッと糸を吐いて視界から消えたので無事に生き延びろよと思って帰宅した。

 家に帰って荷物を持って車から降りると窓の縁に何かが縮こまっている。

 もしかしてと思ってよく見てみるとさっき逃がした蜘蛛だった。

 おお、無事にここまでついてきたのかと思って少し感動した。

 さすがに情が沸いたので庭の一番安全そうな場所に放ってあげた。

 それから数時間たってお昼過ぎにその場所を見てみるともう姿はなかった。

 まざまざと昆虫の生命力を感じる事ができた早朝のお出かけだった。

 どうか無事に大きくなれよと心から思った。
 
 そんな出来事もあったのだが、ここで昨日の晩御飯を振り返ってみたい。

 昨日は週末だったので少し豪華バージョン。

 メインは地元ご飯の雄、瓦そばである。

 まずは牛バラ肉を砂糖、醤油、酒、みりんで甘辛く炒める。

 次に卵を二個使って錦糸卵を作る。

 ネギを大量に小口切りにする。

 国産のノーワックスのレモンを薄く輪切りに。

 麺つゆを湯煎にかけて温める。

 茹で麺の茶そばをレンジでチン。

 これで下拵えはおしまい。

 これだけだと物足りないので副菜を作る。
 
 エビの背ワタを取って殻を剥いて片栗粉をまぶして汚れを取る。

 しっかり洗ってからキッチンペーパーで水分をふき取る。

 フライパンに油を敷いてニンニクスライスを入れて熱する。

 香りが立ってきたらエビを加えて炒める。

 味付けは塩コショウと鶏がらスープの素で軽くつける。

 火が通ったらお皿にあける。

 マヨネーズとケチャップ、ウスターソースを混ぜ合わせたソースで和えたらエビマヨーズの出来上がり。

 ご飯ものも少しほしかったのでお惣菜の納豆巻きを用意した。

 これで食事の準備は整った。

 食材とホットプレートを居間に用意して妻を呼んで晩御飯。

 早速ホットプレートの電源を入れて温めていく。
 
 昨日のお酒はハイボール。
 
 氷をギッチギチに詰めてそこにウイスキーをドボドボ注いて炭酸水をタッタッタと入れて一回かき混ぜて乾杯。

 キュキュビッと飲むと氷がキーンときてウイスキーの香りが広がる。

 いつも飲んでいるけど飽きないなぁと思いつつグビッ。

 じっと待っているとホットプレートの準備が出来たので茶そばを炒める。

 コツはカリッカリになるまで炒める事であまり麺をいじらない。

 時おりひっくり返しながら気長に焼いていく。
  
 その間のおつまみにエビマヨネーズがありがたい。

 パクッと食べるとマヨネーズのこってりした味にエビの旨味が絡んできてなかなかイケル。

 ケチャップとウスターソースも入っているので味が複雑で食べ応えがある。

 ハイボールとの相性もピッタリである。

 妻は無類のエビ好きなのでウマウマと言いながらモリモリ食べていた。

 そのうちに茶そばがこんがり焼けるので箸を伸ばす。

 最初は麺つゆだけで食べる。

 しっかり焼いているのでポリポリとした部分が香ばしくて美味しい。

 二口目は薬味を加える。

 そばと一緒に牛肉と卵を食べるとボリュームも増して味わいもリッチになってかなり食べ応えがあってたまらない。

 二回目のそばを焼きつつ合い間に納豆巻きを食べる。

 瓦そばと納豆巻きの組み合わせは実家からずっと続けている。

 これがまた箸休めになっていい塩梅である。

 そのうちに茶そばが焼けたら今度はレモンを齧りながら食べると食欲が増してまだまだ食べられるという気になる。
 
 ここまで楽しんだら後はフリースタイルである。

 私は薬味をあまり使わないが、妻はてんこ盛りにして食べるのが好きである。

 二人でお腹いっぱいになるまで食べてご馳走様でした。

 瓦そばは作るのは簡単な割にはご馳走感があって楽しい。
 
 いかがでしょうかお休みの日の晩御飯に。

 なかなか乙なものですよ。

 

 

 

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