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いつか当てたい一等賞。

 昨日から地元の八幡宮で春のお祭りが開催されている。
 
 コロナの影響でここ数年は中止になっていたが実に三年ぶりの復活である。

 この八幡宮の歴史は古く遠く飛鳥時代にそのルーツがある。

 地元ではお宮さんの名前で親しまれており私の家も氏子なので子どもの頃から馴染みが深い。

 春と秋に盛大なお祭りが開かれるのも恒例行事である。

 私が子どもの頃は露店が沢山出ておりそのお店を覗くのが何より楽しかった。
 
 父から軍資金として千円の臨時お小遣いがもらえるのも嬉しかった。

 その頃の毎月のお小遣いは五百円だったので夏目漱石の肖像画が描かれたお札を手にするとテンションが上がった。

 さっそく近所の友達と一緒にお祭り会場に足を運ぶ時のワクワク感はなかなかのものがあった。

 たこ焼き屋、クレープ屋、お好み焼き屋、大判焼き屋、かき氷屋などの食べ物の露店の前を通るとお腹がグゥと鳴った。

 そんなお店に混ざってハンバーグくじのお店があった。

 そこは一回百円でくじを引くことが出来て当たりが出ると沢山ハンバーグがもらえるというシンプルな遊びが出来た。

 これを一回はやらないとお祭りに来た気がしないのでよくチャレンジしていた。

 しかし当たりを引いたことは一回もなくいつもはずれ賞の一個だけしか貰えなかった。

 失意のままそのハンバーグを食べると中がまだ冷たかったりして余計に空しい気持ちになった。

 私が沢山ある露店の中で一番はまったのはやっぱりくじだった。

 一等が最新ゲーム機でお店の一番高いところにピカピカの外箱が飾ってありいやがうえにも射幸心を刺激された。

 その当時は一回二百円だったと記憶している。

 お店の目つきの悪いお兄さんにお金を払ってくじを引くと大抵三桁の数字が書いてあった。

 お兄さんがはい、六等賞と言ってバッタ物のキン肉マン消しゴムや歪んで飛びそうにないビニールのブーメランなんかをくれる。

 ううん違うこんな物は欲しくないと思いつつ、お兄さんもう一回とお金を払ってくじを引くのだが芳しくない数字が出るのが常だった。

 手元のお金はどんどん無くなるしガラクタは増えていくはで良い事が無かった。

 今思えばあのくじの中に当たりが入っていたのかかどうかは大変に疑わしい。

 それでも欲に駆られた少年たちはくじに軍資金を注いでいた。

 純粋でバカだったなぁと懐かしく思い出される。

 そんな事を振り返りながら昨日の晩御飯を振り返る。

 昨日は行きつけのスーパーに足を運んだ。

 精肉コーナーでひき肉が三割引きだったので購入。

 後は野菜と細々したものをかごに入れた。

 セルフレジで精算して帰宅。

 手洗いとうがいを念入りにして早速晩御飯の支度に取り掛かる。

 まずはひき肉を粘りが出るまでしっかり捏ねる。

 そこにみじん切りの玉ねぎ、千切った食パン、卵、牛乳を入れる。

 下味に塩コショウとナツメグを大目に振ってよく捏ねる。

 後は焼く直前まで冷蔵庫で休ませておく。

 その間に副菜づくり。

 ジャガイモをレンジでチンする。

 熱いうちに皮を剥く。

 玉ねぎを細切りにする。

 ベーコンも細切り。

 フライパンに油を敷いて火を点ける。

 そこに玉ねぎとベーコンを入れて軽く炒める。
 
 玉ねぎが透き通ってきたらジャガイモを入れる。

 さっくりと炒め合わせたら塩コショウと砂糖で味付け。

 仕上げにレモンを絞ったらジャガイモとベーコンの温サラダの出来上がり。

 汁物はインスタントのオニオンスープで手を打つ。

 ではハンバーグを焼いていく。

 肉だねを丸めて両手でパンパンと空気を抜いてフライパンで焼く。

 片面をしっかり焼いたらひっくり返して白ワインをドブリと加えてフランベする。

 それから火加減を弱火にしてフタをして蒸し焼きに。

 その間に洗い物を片付けておくと未来の自分がヨロコブ。

 フライパンからパチパチという音がしてきたらフタを取って箸を刺してみて焼き具合を確かめる。

 いい塩梅で取り出してフライパンにケチャップとソースを入れて即席のソースを作る。
 
 これで晩御飯の出来上がり。

 妻を呼んでいただきますをする。

 昨日のお酒は白ワイン。

 グラスに注いで乾杯。

 千円ちょっとの安いワインだが十分美味しい。

 普段あまりワインを飲まないので新鮮な気持ちになる。

 ではおかずを食べていこう。

 ジャガイモの温サラダをパクリ。

 まだほんのりと温かくてベーコンと合わさってシンプルに美味い。

 ワインとの相性も良くてスイスイ飲んでしまう。

 たまにはこんな料理もいいなと思いながらモグモグ。

 二杯目のワインを楽しみながらハンバーグに箸を伸ばす。

 サクッと割ると中から肉汁が出てくる。

 即席ソースをたっぷりつけてアムッと頬張ると口の中がジューシーになる。

 ハンバーグは簡単な料理なのにごちそう感があるなぁと思わず顔がほころぶ。

 妻はハンバーグが大好物なので美味しいねぇと言いながらパクパクと食べていた。

 小ぶりではあるが一人三個作ったハンバーグはあっという間に胃袋に消えた。

 また作ってねという妻の熱烈リクエストを聞きながら片づけをした。

 すでに洗い物をある程度やっていたのでラクチンだった。

 そんなちょっとしたご褒美を味わいながらデザートにアイスを食べた。

 さぁて今日もそろそろ晩御飯の事を考えよう。

 日曜なのでお買い物は無し。

 冷凍庫のストックで賄おう。

 あるものでご飯が出来たら主夫道初段を貰えるかしら。

 チェスト~!!

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