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学生とビデオプロジェクトをやった話

ドイツの大学で日本語を教えているのですが、何年か前からずっとやってみたいことがありました。中上級の学生たちに、大学のある町の紹介ビデオを日本語で作成してもらって、それを日本の協定校の人たちに見てもらうプロジェクトです。

でも、日頃の授業や宿題の添削や試験作成などに追われていて、重い腰がなかなか上がりませんでした。というのも、最初はいろいろお膳立てしないといけないからです。出来上がったビデオをどのように公開するのか、パスワードで守るのか、世界に公開するのか、著作権の問題はどうするのか等。それがハードルで、何もしないまま時間だけが過ぎていきました。

昨年の秋にやっと重い腰を上げて、動き始めました。技術のことはわからないので、大学の情報課の人や教授と相談しつつ、できそうな形を模索していきました。結局、学科のサイトに出来たビデオを公開することになりました。

外枠が整ったら、あとは簡単でした。90分の授業を3回潰して、学生にビデオ作成の時間をあげました。4人から5人で1グループにして、5分以内のビデオにするように、著作権には気を付けるようにと指示を出しました。3回の授業の時間に学生は外に出てビデオを撮ったり、編集したりして、全部で5つのビデオが出来上がりました。

4回目の授業は上映会でした。ビデオ作りで工夫したことや苦労したことをシェアしてもらってから、皆で全てのビデオを見ましたが、どれもよくできていて、感心しました。外枠さえ作ってあげたら今の若い人は携帯などを使って、チャチャっとビデオを作ってしまえるのだとわかりました。編集なども見事で、慣れているなあと思いました。

何より学生も楽しそうで、生き生きとビデオ作りに取り組んでいました。チームだと自分の得意分野で貢献できるのもいいですね。日本語のうまい人はナレーションを担当したり、編集が得意な人は編集を担当したり、顔出しをしてもいい人はビデオに登場するなど。

学科のホームページにビデオを載せてもらえたので、学生や教師は友人や関係者にリンクをシェアして、コメントをもらえました。評判は上々でした。学生も、教師も、学科も、協定校もハッピー。これこそ4方良しですね。

結局このプロジェクトをするのにあたり、1番の障害は自分の「面倒だ」という気持ちでした。それよりも「やる気」が上回った時、実現が可能になりました。一人ではできなくても、周りの人と協力することで、不可能が可能になることがわかった経験でした。今年もビデオプロジェクト(第2弾)に挑戦したいです。
 

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