転倒


それは幼なじみの家からの帰り道だった。

派手に転んでしまった

1年振りの冬道をいつも履かない高めのヒールのブーツ。といっても去年も履いていたのだが。

雪のない土地とヒールのほぼない靴に慣れた足は疲労を迎えていた。

それに、一日運転をしていた。

終電が迫り焦っていたのもあったのだろうが、横断歩道の白線の1本目を踏んだ瞬間から転んだ時の記憶が無い。

気がついた時にはもう転んでいて、ワイヤレスイヤホンの左側が落ちた。

それを慌てて拾い、次に確認したのは今日幼なじみと色違いで買ったピアスがきちんと両耳あるかどうかを確認してようやく立ち上がる。

信号待ちをしていた車は見ないふりをして、駅への道を進む。

手の甲が少し切れたな、と見るとアウターが泥まみれではないか。

面白すぎて、幼なじみに

「横断歩道渡り始めで何故か足もつれて転んで恥ずかしいめっちゃ泥まみれ(笑)」

と送った。

そうするとすぐに電話がかかってきていた。出られなかったのでかけ直すと、電話の向こうからすごい笑い声。

付き合いがとても長いので、私のドジ加減や間抜け加減はもう承知も承知だ。

笑ってくれる人がいて本当に良かったなあと思う。

とりあえずくじいた足と切れた手の甲は経過観察ですね。

それにしても四半世紀を目の前にして転ぶなんて…お恥ずかしい限りです。(笑)

(Photo by senhako、Thanks!)

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