サンタクロースと私
サンタクロースに毎年サンキューレターを送っていた。
クリスマスに送られてくるその手紙は、フィンランドのサンタクロース協会から毎年送られてくるもので、英語と日本語でフィンランドの様子や妖精たちとの日々をサンタクロースが教えてくれる、なんてことない内容ではあるものの、年によってはベリータルトのレシピだの童謡の歌詞だのがついていて毎年楽しみに待っていたものだった。(P.S.が毎回ついていてそれが私と妹で内容が違うのもリアルですごかった!)
クリスマスレターの封筒の中にはあらかじめサンキューレター用のハガキが同封されていた。それを冬中に送るとサンタクロースからサマーレターが届く。サンタクロースの夏に興味津々の私たち姉妹は、毎年かなり力を入れてサンキューレターを書いていた。夏のサンタさんって何してるんだろう!?私は毎年サンタクロースからの手紙を待ってそわそわしていた。
そんなサンキューレター、実は賞がある。
今思い返すと可笑しくて笑ってしまいそうだけど、ほんとに賞があるのだ。◯歳の部、一般の部など年齢で区切って、その中で特に"サンタさんのお墨付き"の手紙が展示されたりクリスマスでもないのに贈り物をもらえたりする。
実は私も賞をとった。日本語の手紙で。
先日お酒の勢いの暴露大会で友達にその話をすこしだけした。
そうしたらなんだか急に懐かしくなってきて、送った時振りにその手紙を読み返してみたくなって、奥底からひっぱりだしてきた。もう二度と読むことなんてないだなんて思っていたのに。13歳の私の手紙。
(詳細は割愛するけど)大人びたことを頑張って書いたものだからこそ、逆に幼さが際立つ内容で、当時甘ちゃんは捨てられない癖に大人に反発しまくっていた過去を思い出してすこし懐かしい気持ちにもなった。
当時の私は書いていた。
"もし将来、子供の目をした日本人の大人がサンタさんを訪ねてきたなら、この手紙の私を思い出してください。いつか会うのを楽しみにしています。"
なんて甘ちゃんなんだ。でもそれが少し羨ましい気もする。
果たしてまだわたしは子供の目をもてているのだろうか。そして、サンタさんに会えるだけの誠実な大人になれているだろうか。
そんなことを思いながら、ベッドで眠りにつく。