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詩集 絶望を越えて⋯

キオク-2020-

2020
コロナ
ヒトビトハ
コンランニ
オチイッタ

2020
シダイニ
マチジュウハ
マスクノ
ヒトダラケ
イヨウナコウケイ

2020
ソレマデ
トウゼンニ
アッタモノヲ
ウシナウ

ツトメテイタショク
ユウジントノジカン
チカクニイタヒト
ソシテ
キボウ・・・

テレビヲツケレバ
''フヨウフキュウ''
ナンドコノコトバヲ
キカサレタコトカ!

シャダンサレタ
コノセカイノ
ムナシサ
ツラサ

イキルコトヘノ
キボウモ
ミイダセナクナル

2020
ジゴクエズノナカニイル

2020ヲスギタイマ
ナニカカワッタダロウカ?
イキルコトヘノキボウヲ
フタタビ
ミイダセルコトガ
デキルヨウニナッタカ!?


COVID-19

こびと

きみは
ちかいようで
とおいくにから
やってきた

ちいさな
きみ

ぼくらのくにの
ひとたちに
しずかに
はいりこみ
わるさを
はたらいた

ちいさな
きみ

しらぬまに
どんどん
きみたちは
ふえていき
ひとびとを
ふあんに
おいやった

ちいさな
きみ

きみたちの
おかげで
ぼくらは
あいたいひとや
だいじなものと
はなればなれしなければ
いけなくなった

ちいさな
きみ

これいじょう
ぼくらを
かなしませないでくれ
へいぼんだった
にちじょうをかえしてくれ

マスクという装飾

近いようで
遠い国から訪れた
こびとたちの
おかげで

僕らの国は
マスクをしている
人たちで
溢れかえった

不安を
煽るような
報道と
一時的に
マスクが
店から
姿を消す事もあった

マスクをしていなければ
冷ややかな
視線を浴びせられ
何だか
窮屈な想いに
苛まれる

ある場所では
''マスクの下は笑顔です!''
・・・と
貼り紙まである

マスクをしていて 息苦しくないか?
無理して 笑っているのではないか?

嬉しくも
楽しくもないのに
笑う必要があるのか?

いつか
こびとたちが
立ち去り
窮屈な日々に
終わりを告げ
人々がマスクをせずとも
生活が出来る日々と
無理に笑顔になる事無く
本心から笑顔になれる
日常が帰ってくる事を
心から願う


悲しみという名の迷宮(ラビリンス)

悲しみが降ってくる

悲しみは
前触れもなく
雨のように
ぽつり
ぽつりと
心の中に
降ってくる

小雨のような
悲しみが
やがて
豪雨のような
悲しみへと
変わってゆく

悲しみは
心を苦しめ
いつしか
悲しみが
心の中を
洪水にし
逃げ場を
消してゆく

悲しみよ
心の中に
これ以上
苦しめるな
これ以上
降ってくるな

悲しみよ
願っても
避けることが出来ずに
お前は
また心の中へと
苦しみをもたらし
降ってくる

悲しみは積もってゆく

悲しみは
灰のように
時間をかけて
心の中へと
積もってゆく

積もってゆく
悲しみで
心は
次第に
濁ってゆく

突然に
やって来る
悲しみを
避けることは出来ず
いつしか
悲しみという名の迷宮(ラビリンス)に
心は囚われてゆく

だからこそ
悲しみを
忘れてはならない
悲しみを
背負いながらも
生きる糧とし
一歩ずつ
光の方へと
前進しなければならない


届かなかった返事のかわりに

あなたからの
別れの連絡は
突然やって来た

短い間だったが
あなたとの
楽しい時間が
走馬燈のように
脳内に駆け巡った

出会いがあれば
別れが訪れるのは
必然である
そうわかっていても
どこか
寂しい気持ちが
心に残る

あなたからの
連絡に
返事を出したが
届くことはなかった

届かなかった
返事のかわりに
ぼくは
あなたに
「ありがとう」と
想い続ける

さようなら
楽しかった
時間たちよ


あなたの面影を⋯

時が流れ
会えなくなってしまった
あなた

わたしは
今でも
あなたのことを
思い出すのです

どこにいても
何をしていても・・・

そうして
どこかで
あなたの面影を
探しているような
気がします

もう あなたと
会えることはないと
わかっているのに・・・

あなたと
出会ったことを
忘れることが
出来るのなら
どんなに
気持ちが
楽になるでしょう

そう 思っていても
あなたの面影を
無意識に
探してしまうような
気がします


祈る

静けさの中で
目を瞑り
手を合わせて
祈る

ただ
風を感じながら
あなたの事を想って

冷静さを保ち
ただひたすらに
あなたを思い浮かべて
祈る

たとえ
最期だとしても
あなたの事を想って

祈りは
いつか
昇華出来るか

祈りは
深く
伝わっていくか

祈る
私に出来る
全てを尽くして
そして
あなたと
再び会えることを願って
祈る


イノリトヒカリ

イノリノオト

ひとりぼっちの
暗い部屋に
誰かが奏でる
竪琴の音

それは
どことなく
優しい静かな
イノリノオト

消えてゆく灯
夢へと落ちる時
あなたの願う
竪琴の音

それは
ゆっくりと
あなたを包みこむ
イノリノオト

目には見えない
竪琴
耳では聴こえない
祈り

心で感じる
イノリノオト

ヒカリノイト

ひとりぼっちの
この部屋に
窓から見える
空いっぱいの星
私の心に
降りてくる
一筋の
ヒカリノイト

ひとりぼっちの
この部屋も
窓から見える
星々に照らされ
誰かの心と
繋がる
一筋の
ヒカリノイト

目には
見えなくても
ひとりぼっちの
この部屋でも
ヒカリノイトは
確かに
私と
誰かを
結んでいる


三部作 絶望の中で

夜明け-絶望の中で-

絶望の中で
夜明けを
待ち続ける
人々がいる

暗く長い
この絶望の中で
迷いながら
もがきながら

しかし
人々は
信じ続ける

絶望の中にあっても
やがて
夜明けは
訪れると

自らに-絶望の中で-

絶望の中で
自らに
問いかける

自分自身を見失っていないか
他人に思いやりを忘れていないか
・・・と

絶望の中で
自分自身の事に必死で
心に余裕がなくなる
だが
他人を思いやれなければ
心はどんどん貧しくなる

絶望の中にいるからこそ
自らを見つめ直す
機会なのではないか

一歩立ち止まり
周りを見渡す
そして
自らに何が出来るかを考える

自らが変われば
心はもっと豊かになるかもしれない

希い-絶望の中で-

絶望の中で
人々の心を豊かにする
歌があるといい

絶望の中で
人々の心を労る
優しさがあるといい

絶望の中で
人々の心を和ます
祈りがあるといい

絶望の中で
人々の心を導く
夢があるといい

絶望の中で
人々の心を解き放つ
明日が来るといい

希い
絶望の中でこそ
生まれる
人々の心を強くする
絆があるといい


素直になれない人のモノローグ

手を伸ばせば掴めるのに
素直になれないばかりに
手を伸ばせない

手を伸ばせば届くのに
素直になれないばかりに
手を伸ばせない

手を伸ばせば触れられるのに
素直になれないばかりに
手を伸ばせない

手を伸ばしたいと
心の中では思っているのに
結局自分自身で
チャンスを失うのだ

素直になれない人・・・
この先 あといくつ
チャンスを失うのだろう
手を伸ばさないと
後悔するとわかっているのに・・・

素直になれない
素直になりたい
心のモノローグ まだ・・・


祈りと願い

祈る。
瞳を閉じて。
心を透明にして。

願い。
瞳を閉じて。
心を込めて。

祈る。
想像を絶する光景が広がった地に。
失うはずではなかった命に。

願う。
失った景色に一輪の花が咲くことを。
生まれくる命が豊かに育つようにと。

祈りと願い。
それは、人の心から湧き上がってくるもの。
そして、いつまでも廻り続けるもの。


平和

緑が広がり
鳥は空を行き交い
人は暮らしを営み
街は栄えていく
平和

かつて
戦火によって
無念の死を
受け入れた
人のこと
無惨な姿に
変わり果てた
街のこと

この
苦しみ
悲しみを
決して
くり返してはならない
忘れてはならない

人が
傷つけ合って
血を流すのは
見たくはない
街が
攻撃に巻き込まれ
崩れ落ちていくのを
見たくはない

先人たちの
想いを
引き継いで
守り続けたい
この
平和を


絶望から希望へ

私は
何もかも
失ってしまったと
思っていた

気分が沈み
起き上がるのも
ままならなかった

しばらくの間
絶望していた

だが
そんな状態でも
久しぶりに
再会出来た人達がいた

その人達と
話をしている内に
自然と沈んだ心が
徐々に
息を吹き返したように感じた

そう
まだ失っていなかったのだ
こんなにも
周りに温かい人達がいることに
私は
気づいていなかったのだ

その時
絶望に光が差し
希望を見出せたような気がした

私は信じたい
どんなに絶望していても
いつか希望が見出せると




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