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いけねぇ、やっちまった!

 数日前になるが……正月休みの最終日……ちょっと飲みすぎてしまった。

 三が日はチビチビ日本酒だったのだが、この日はいつもの焼酎を炭酸レモンで割って飲んでいたのだが……アニメを見ているうちに、つい調子に乗って、……トイレに立った時、足下フラフラ、炬燵の上のiMacを支えにしたとたん、これが落下。ヤバいと思って、体勢を立て直そうして、手近の箪笥の引き出しに手を置けば、これが外れて、完全に分解……入っていたトランクスの類いが散らばり、これに足を取られて、積み上げてあった箱の上に尻餅。
 部屋は一気に散らかって、パソコンは床に仰け様に倒れ……モニターを見れば、見たことも無い画面が出ている。
 パソは何よりも大切なツールとあれば、取りあえず炬燵の上に持ち上げようとしたのだが……酔いの影響か、全く力が入らず、……重い27インチのiMacとはいえ、これが持ち上がらないとは何事か。
 頭は結構冷静なくせに、身体に全く力が入らない。

 たぶん、酔っぱらっていると、力の入れ方が狂ってしまうらしく、……何度か試みたが、無理をするとタコ足の配線も悲鳴をあげる。
 やむを得ない。翌日は、早朝からの出勤とあれば、のけ反ったパソコンそのままに床に潜り込んだ。

 開けて、目覚ましに叩き起こされたわけだが、別に頭痛も吐き気もない。まずは、ひっくり返っているパソコンを元の座に戻し……色々弄くった結果、たいした問題も起きてない。

 酒は当然抜けていると踏んでいたのだが……どうも、そうでもないらしく、その日一日バイト仕事は殆ど、雲を踏んづけているようで頼りない。そう。半分は夢の中で動いているような気分なのだ。
 かてて加えて、昨夜の重労働が祟ったのか、モモの筋肉がやたらと痛い。しゃがんでから立ち上がろうととすると、イテテ……と顔を顰めずにはいられない。

 振り返って見るに、やはり適量を大幅に踏み越えて飲んだようであった。完全に自己嫌悪である。

 思えば、ここまで酔っぱらったのも久しぶりのコトだ。自分が情けなく、かなり落ち込んで……なぜか、キェルケゴールが読みたくなる。そう。「死に至る病」……

 なぜ?

 冷静になって考えてみる。確か、当夜見ていたアニメは「ゾンビランドサガ」であった。アイドルの活躍するコメディーであるが、当の7人のアイドルが全員「ゾンビ」という設定なのだ。確か、このアニメを見ながら、「死に至る病」を連想していたらしい。

 文字道理「死んでも諦めない」というのが、当のアニメのキーワードだったの思う。
 「死に至る病」とは、言わずと知れた「絶望」のことである。ゾンビとは死人……究極の絶望だろう。しかし、彼女らは生きる……懸命に生きる!

 たぶん、僕は……しばしの間、「ゾンビ」になっていたらしい。確実に、どこかが死んでいたのだろう。

 はっきり言って、二度と御免である。

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