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【週末投稿】つれづれ有用植物#208(トウダイグサ科トウゴマ属:トウゴマ)

一属一種の植物でトウゴマ属に分類されています。
アフリカ北東部および中東原産の多年草ですが、温帯では気温の関係で一年草として扱われます。耐暑性が高く、強健な性質で育てやすい植物ですが、霜に当たると枯れてしまうからです。
日本ではこのような扱いをされる植物が意外と多いです。
※栽培品種が多く、一部は一年草もあるそうです。

【トウゴマの種】

トウゴマという名称よりも「ヒマシ油」の原料とお伝えした方が馴染みがあるかもしれません。ヒマシ油は、トウゴマの種子から採取する 植物油の一種です。今でも工業用の潤滑油や化粧品の材料、下剤として利用されています。

インドでは紀元前2000年頃からひまし油を灯りや便秘薬として使用していたと記録があり、紀元前4000年頃につくられたエジブトの墓所では、種が見つかったそうです。
人との関わりが深い植物なのですね。

花期は 7月~10月です。
茎の上部の葉の付け根に、長さ20㎝前後の総状花序を出し、花を咲かせます。花は花径1㎝にも満たない小さなもので、花序の上部には雌花、下部には雄花と分かれて咲きます。

【トウゴマの花と実】

草丈1~3mと大きく育ちます。
観賞用に品種改良されたものは、葉が銅葉と呼ばれる暗い赤色になるものがあります。

種には猛毒であるリシンが含まれているため、使用の際は十分な注意が必要です。特に妊娠中や生理中の女性は使用が禁止されています。
種子そのものを口にする行為はさらに危険で、子供が誤食して重大事故が発生した例もあるそうです。

■トウゴマ(唐胡麻)(2023年9月22日)(1分40秒)
【公式】京都府立植物園 様

こちらの動画はひまし油由来の高性能バイオポリマーの世界最大メーカーが、インドの農家での持続可能なトウゴマ生産栽培に力を入れている取り組み例です。


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