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【週末投稿】つれづれ有用植物#167(キジカクシ科ジャノヒゲ属:ジャノヒゲ)

緑が少なくなる季節でも深い緑色が美しい上、とても育てやすいことから、庭のグランドカバー用の植物としても人気があります。
庭、道路の植え込み、公共施設、タイルの隙間などで見つける事があるかもしれません。

【リュウノヒゲ】

日本では北海道から九州まで、丘陵地の林縁や林内、山野の樹木下や野原に自生する常緑の多年草です。日本以外でも朝鮮半島や中国、ヒマラヤ付近に見られるそうです。
繁茂しやすく辺り一面をぎっしり埋め尽して土表面を見えなくすることから、雑草対策としてもよく利用される様です。

名称は様々あり、葉の長さにより名称が違っている様です。
葉が短く数センチから 5cm くらいがジャノヒゲで、10cm くらいあるのはリュウノヒゲと定義されている所が多い様です。
さらに、ジャノヒゲの中で特に背丈の低いものを掛け合わせて作られた園芸品種が「玉竜(タマリュウ)、ヒメリュウノヒゲ、チャボジャノヒゲ、チャボリュウノヒゲ」と呼ばれている様です。植物名はいろいろな名前が付く事で混乱をよく与えます。
下図の様に白い模様が入る品種もあります。

【シマタマリュウ(縞玉竜)、スノードラゴン】

昔は「ユリ科」に分類されていましたが、APGⅡ体系から分離されてAPGⅢから「キジカクシ科」となりました。

夏になると葉に埋もれるようにして小さな花を咲かせます。花色はくすんだ薄紫あるいはクリームで、6枚の花弁を持ちます。
花の後には直径 5~8mm ほどの丸い実ができ、秋になると青く熟します。

【蕾】
【実】

グランドカバーとしての用途の他に、根が生薬として利用されてきました。根はヒゲ状で所どころに「塊根」と呼ばれる小さなイモのような塊があります。この塊根はサポニンやステロイド配糖体のオヒオポコニンという物質を含み、乾燥させたものは「麦門冬」という生薬になります。煎じたり、酒に漬け込んだりして飲めば、滋養強壮、咳止め、痰止めなどに効果を発揮すると言われています。

また、茎は高知県などでは食用とされ、ゆがいてから更に油揚げなどと一緒に煮て食べるそうです。

似ている植物として以下のものをご紹介します。

・ヤブラン(Liriope muscari) キジカクシ科ヤブラン属
濃い紫色の小花を上向きに咲かせます。黒い実がなります。

・オオバジャノヒゲ(Ophiopogon planiscapus)キジカクシ科ジャノヒゲ属
葉の長さ幅ともに2倍ほど大きい。

・ノシラン(Ophiopogon jaburan (Siebold) Lodd.)キジカクシ科ジャノヒゲ属
白い小花を咲かせます。グランドカバーとして使う植物に適しています。
日陰にも強いため扱いやすい植物です。庭や遊歩道の見た目がよくなり、白い小花やコバルトブルーの実も四季の移り変わりを彩るポイントになります。

PinguBanana はタマリュウの苗を購入したので、露地植えして増えてきたら、根を利用してみようと思います。

■併せて読みたい Let's Green LIfe
白い花、輝く青い実を付ける、ノシラン。

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