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【月刊】喫茶食堂kenohiの振り返り(2021年5月)

東京の武蔵小山、住宅街で小さな喫茶食堂kenohiを一人で営んでおります。
新卒入社したIT企業を3年で脱サラし、26歳のときに開業しました。
あっという間に2年経ち、現在28歳のひかると申します。

このnoteでは、月次収支の振り返りを書いています。

・カフェや喫茶店をいつか個人で開業したい人
・kenohiや店主の僕に興味がある人

そんな人に、このnoteが届くと嬉しいです。

●このnoteに書いていること
・前月の収支結果と、その考察
・実施したことについて
・いま考えていること等

<はじめましての方へ>
●kenohiについてはこちら

●店主についてはこちら

※kenohiの裏側は知りたくないよ!という方は下記の目次から2へ飛んでください

今月のサムネイル画像は、新作お菓子のクリームブリュレ。
味が単調になるので、底に刻んだ八朔ピールを敷いてみました。
好評で嬉しかったので、また作ります。

1. 収支

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※運営に欠かせない最低限の勘定科目のみ記載。
※便宜上、私(個人事業主)の給料を人件費として記載。
※減価償却、在庫の棚卸しについては記載していません。

■収支(利益):¥1,181,732

 ・売上:¥1,856,461
 ・費用:¥674,729

5月も黒字となりました。
2021年2月より、黒字が続いています。

ただし、5月も協力金あっての黒字なので手放しには喜べない結果です。
協力金¥1,240,000を除くと収支は-¥58,268と赤字です。

ここからは、収入と支出に分けて見ていきます。


■収入について

〇前年同月比

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・売上全体:332%
・売上全体(協力金除外):110%
・店舗売上単体:102%

前年よりも売上全体、店舗売上ともに僅かながら増加しています。
ただし、前年は黒字でした。(また、協力金の支給がない月でした)

・店舗売上:ほぼ同額
・その他収入(協力金除く):
 - 2020年:¥30,935
 - 2021年:¥78,911

店舗売上に差はなく、その他収入は昨年より増えています。
よって、今月赤字になってしまった理由は費用が嵩んだためです。

ただし、2020年5月は大家さんのご厚意で家賃を値下げしてくださったことに留意する必要があります。2021年の費用については後述します。


○日販平均(店舗売上/営業日数)

営業日数は月毎に変わるので、お店の経営的な健康状態を正確に知るうえで
重要な指標です。

・日販平均:¥23,372(先月比91%)
 - 客単価:¥1,046(92%)
 - 客数/営業日数:22人(100%)

客単価が減少した影響で、日販が低下しています。
今月はすこし、要因を掘り下げてみます。

まず一つ目のポイントとしては、5月はイレギュラーの営業日があったことです。

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5/2、5/16と日曜日にイベントがありました。
金継のワークショップと味噌作りのワークショップです。
2日間を除いてみます。

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こうしてみると、kenohiが1つの水準にしている日販2.5万円と比較して
さほど悪くない月だったことがわかります。

ただし、客単価が下がったことは間違いありません。

客単価が下がった要因は、お菓子の売上低下にありそうです。
下記は1営業日当たりの主要カテゴリの売上および販売数。(5月の日曜日営業を除く)

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客単価において、お菓子の売上が大切ということがわかります。

kenohiのお菓子は大体週替わりですが、惰性で作り慣れたものに甘んじず、
お客さんが頼みたいと思うようなものを作らねば...と改めて思いました。

6月は暑くなってきたので、冷菓を中心にしてみます。


〇売上詳細

<店舗売上>
※()内は先月比

・売上:¥537,550 (+¥25,500)
・客数:514人 (+66人)
・客単価:¥1,046 (-¥97)
・営業日数:23日 (+3日)
・日販平均:¥23,372 (-¥2,231)
・客層:既存75% (-2%) 新規25% (+2%)
・テイクアウト売上:9% (-3%)

売上の増加要因は、営業日数の増加と、それに伴う客数増です。

5月は2021年において最も客数が多い月となりました。
要因は、GWがあったためです。

GW(5/1-5/11:8営業日)の間の売上は全体の42%を占めており、5/1-5/8の日別の売上を見るだけでも明らかです。

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火~金曜日の売上が3万円を超えている日があります。(緑枠)
通常の平日であれば売上は1.5万~2万円前後です。
(5/2は、ワークショップ時の売上でありイレギュラーです)

GWがなければ、およそ45万円/月の売上になっていたのでは、と思います。


<店舗以外の主な売上>

計:¥1,318,911
※協力金を除くと、¥78,911

・note:¥15,540
・LUUP:¥1,100
・金継ワークショップ:¥3,000
・店舗貸し:¥55,991 (計6回)

・協力金:¥1,240,000

協力金を除くと、約8万円の売上でした。
ギャラリー利用、撮影利用がなかったため3、4月と比べると少し売上が低下しています。(3月、4月は約10万円の売上)


■支出について

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2021年1月から、人件費を+2万円にしたことを加味しても5月は支出が多かったです。

要因は消耗品費が平時より高くなったことです。
およそ6.5万円で席間に設置するパーテーションを購入したためです。

ただし、後日目黒区の助成金で金額の5分の4は補われます。
(6月に入ってから振り込まれましたので、次月計上)

協力金を除いた収支が-¥58,268だったので、パーテーション購入というイレギュラーがなければ黒字でした。

費用が嵩んだことが赤字の要因と前述しましたが、つまりはパーテーション購入費がその要因でした。

だからOK、というわけでもないんですけれども...。
(GWでイレギュラーな売上もありましたからね)

2. 5月にあったこと、やったこと

〇展示『イタリアを楽しもう! in kenohi』sashaさん:一部展示差し替え

展示の予約がないため、4月からずっと展示いただいています。
展示がないと、寂しい雰囲気になってしまうのでこちらから延長をお願いしました。

せっかくなので!と、一部展示を差し換えてくださいました。ありがとうございます...。

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〇5/2:金継ワークショップ

参加者の募集開始から、わずか2時間で満員御礼となった金継ワークショップ。和やかな雰囲気のなか、金継を皆さんに楽しんでいただけて何よりでした。

「参加したかった...」という声を10人近くの方からいただきましたし、
ぜひまた開催したいですね。

3. 雑記:現実を直視してみる

短期の結果には一喜一憂しない。焦らない。
そう決めていました。

とはいえ、そろそろ このおよそ半年の結果を受け止めないといけません。

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協力金を除外すると、2021年1月~5月の収支は、完全に赤字なわけです。
もちろん、私のお給料は人件費計上できないので正確には約73万円の黒字です。でも、生活のことを考えると 健全とは言えませんね。

さて、どうしようか。

(1)現状を受け入れる

協力金を除外して、どれくらいの収支になれば「良し」とするのか。
もちろん黒字になるに越したことはありません。

が、現実として「いつも通りの営業」ではどうやら赤字が続きそうだということを受け入れなければなりません。受け入れたうえで、

a.施策を打つ
b.許容する

どちらかになる。
いますぐ「a」なのかもしれないし、「b」許容したうえで、いつまで・どれくらい許容するのかも考えておく必要があります。
「切羽詰まると弱い」という自分の特性も踏まえて、今のうちから。

「b」のままやっていけたらよいですが、「b」→「a」となる可能性のほうが高いでしょう。


(2)許容するのか、否か

2020年はなんだかんだで、協力金を除いても黒字だったので今年も何とかなるだろうと思っていました。手元に資金自体はあるので、焦る必要はないとも思っていました。

緊急事態宣言が解除されたら...とは言っても、いつ解除されるのか、されたとして売上水準が戻るのかというのも定かではありません。

一旦、2021年中は60万円(5万円/月)の赤字まで許容しようと決めました。
焦って施策を打つ必要はない。

6月の売上ペースを見ていると、店舗売上は月45万円ほどで着地しそうです。そこにその他の売上を(多めに)加味すると、おそらく毎月それくらいの赤字になるだろうと思います。


(3)許容期間を伸ばせるように、体力を温存する

可能な限り長く、赤字に耐えられるように資金を温存しておく必要があります。

控除を増やすために、できること。

a.学生時代に免除を受けていた年金を追納する
b.iDeCoやNISAを活用する
c.小規模事業共済に加入する
d.経営セーフティ共済に加入する

現在の状況関係なく、個人事業主は会社員と比較して
老後の備えを自分で作っておく必要性が強いので、どのみちやらねばなりません。

すべて実施するかは分かりませんが、着手し始めました。


(4)売上を上げるためにできることを考えておく

・テイクアウトの売上を増やす
 - 新商品開発(かき氷やスムージー等のテイクアウト向きドリンク、お弁当、持ち帰り易いお菓子)
 - 積極的に広報をする(今はほぼ広報0、知ってる人は知っている状態)

・アイドルタイムに来店したくなる工夫を作る
 - ダイナミックプライシング
 - 平日、あるいは時間帯限定のメニュー提供

...等、できそうなことは色々あります。店内に関しても、セットメニューを作って単価を上げることはできそう。

でもどれにせよ、あまりやりたいと思わない。
できれば、機能性(おいしい/便利/安い/早い)をウリにしたくない。(前面に押し出したくない)

今のkenohiのまま 自分が精神的にも肉体的にも負担なくやっていくには、kenohiを好きになってくださる人を増やすのが一番良いんだろうなあと思います。kenohiを知らないけど、きっと合う人に、知ってもらう。

情報発信(あるいは双方向性のあるコミュニケーション)について考えようかな。

内容もそうだし、媒体もそう。
文章なのか、音声なのか、動画なのか。

最近は一歩踏み出すまでに考え始めて、面倒くさくなって辞める。
そんなことが多い気がするので、とりあえず気楽にやってみる。
継続を前提にしない、そんな風に走り出せたらいいな。

並行して、店舗以外の売上についても模索し続けねば...。

===

今の状況をどう捉えるか、難しいなあと思いながら書きました。

「自分がどう捉えたいか」というか、ポジティブにもネガティブにも捉えられる。

この状況下であることを考慮すると、そもそも営業できること自体がありがたく、店舗売上は昨年比2割減程度に済んでいる。(しかも、週休を1日増やしたうえで)

売上減のために協力金や助成金があり、頂いたお金トータルでは黒字。悪くないんじゃないか、とも言える。

現状の資金と、現状の売上ペースでも1年、いや2~3年はやっていけるでしょう。そんなに焦る必要はないのかもしれません。

自分がどうありたいのか、でしかないんでしょうね。
揺らぎながらも、折れずにしなやかに生きていきたいな。

4. 質問箱

オープンな場でコメントするのを躊躇する方もいらっしゃると思います。
上記フォームでの回答は私しか閲覧できません。

感想、長めのご相談、素朴な疑問等、なんでも構いません。
楽しみにお待ちしています。

以上です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

kenohiに興味を持ってくださった方は、他記事も読んでくださると
とっても嬉しいです。

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