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未練タラタラな私から、499日大好きだったあなたへ

「明日で付き合って500日だって!」
そんな会話をした数時間後、私たちは別々の道を進むことになった


付き合って1年と4か月とちょっと、499日


同じ学校、2歳年上だけど同学年だったあなたと偶然運命的な出会いをして
気付いたら好きになっていて
恋人になって
学校を卒業して、あなたは地元、私は東京の遠距離恋愛が始まった


付き合って半年ほど
あなたが仕事でメンタルを病んで動けなくなってしまって


そんな中でもできる限りお互いのもとを行き来して
記念日はもちろん、普通の日常の中でもたくさんの思い出を作って


何回も大きな壁が立ちはだかって、壊れてしまいそうになったけど
そのたびに二人で立ち向かって乗り越えてきた



年末、あなたがいつもの明るさと前向きな気持ちを取り戻して
これからもっと幸せになれる、そう信じていた



私はたまに遠くまでデートしたり
たまにちょっと奮発したご飯を食べたりしたりして
日常の中にある、たくさんの些細な幸せを大切にしたいと思っていたけれど
あなたはそうではなくて
パーソナルトレーナーになるという夢を追いかけ始めた


メンタルが治ってすぐ
普通の幸せが欲しいと言っていたあなたは
成功したい、金持ちになりたい
そんな野心がどんどん強くなっていった


応援するよ!
そう言っていたけれど
正直なところ、心の底から応援はできなかった
ごめんね


仕事柄、他の女の人と接する機会が多くなってしまうから
あなたが、私に一途だから大丈夫と言ってくれても
私の気持ちは晴れなくて、嫉妬と焦りも加わった不安がぐるぐる渦巻いた


東京にあなたが来ることは
1年間、遠距離でさみしい思いをしていた私にとって、とてもうれしかった



でも、恵比寿や渋谷、六本木、麻布なんてキラキラした場所にある
ベンチャー気質のパーソナルジムであなたが働くことが決まってから
更に私の不安は増していった


接客業だから連休は取れないし
ましてや社会人と学生
忙しくなって会える頻度が減ることは承知の上だった
あなたが大好きだったから、そばにいて支えることを選んだ


二連休もらった!あなたからそう連絡が来て
きっとこれが一日ずっと一緒にいれる最後の休みだろうな
そう思ったから欲張ってしまった



あなたも研修が始まって試験が控えていて焦っていたことはわかっていたよ
けど、どうしても一緒にいたいと思ってしまった


私のわがままはきっとあなたにとって
慣れを冷めと感じるほど重くて縛り付けてしまうものだったのかもしれない


私は不変を求めて
あなたは変化や刺激を求めて
大好きだけど
それだけではきっとどうこうできないところまで来ていたのかな


あなたは真剣なまなざしで将来の夢を語ってくれたけど
それはどこかふわふわして浮世離れしていて
私はあなたのその大きな船に乗ることができなかった


あなたに嫌だと伝えたことが届いていなかったり
前は一切しなかった喧嘩も頻度が増えた


どちらかを老衰で看取るまで一緒にいようね、なんて笑って話していたけど
心のどこかでもしかしたら叶わない夢なのかもしれない
そう思う瞬間が少しずつ増えていって、不安になって積もって


とうとう崩れてしまった
私の、あなたへの特大の大好きや愛はうまく伝わらなくなっていて
ついに遮断されてしまった


あの日の夜、別々の道を歩き始めてから2週間になろうとしている


朝起きてスマホを見てもおはようのLINEが入っていなかったり
夕方、仕事終わった!お疲れ様!ってやり取りが無かったり
夜、いつもなら電話していた時間に一人で映画を見ていたり


あなた無しではどう生きていたか忘れてしまうほどに
腹が立つぐらい、私の日常のいたるところにあなたが入り込んでいた


あなたと距離を置いて
たくさんの友達が話を聞いて相談にのってくれて
今までの行動や言動、どれをとっても
どうやらあなたは世間一般ではクズ男と呼ばれる部類に入っているらしい
ということに気付かされた



恋は本当に人を盲目にする
まさか自分がそうなるとは、目から鱗だ



でも盲目になってもいいと思えたぐらい
あなたのそばは不安になるけれど、
それ以上に心地よかった


初めての彼氏
手をつなぐことも、ハグをすることも、デートをすることも
全部が初めてで
もしこれから私に違う大切な人ができたとしても
きっとあなたを忘れることはできないと思う


突然の別れだったし
あなたの言い分だけを聞かされて、一方的に振られたこと
いまだに納得はできていない
あなたが家を出る前に、一度だけでも私の話を聞いてくれたら
何かが変わって、今もそばにいたのかもしれない


いるわけがないのに
あなたがいないか人混みの中をきょろきょろしてしまうし
連絡が来るわけがないのに、スマホを定期的にチェックしてしまう


恋愛って理不尽だ
別れやあなたがいないさみしさ、楽しかった日々の記憶が
あなたと出会わなければよかったと思わせてくる
けど、大好きで愛し合っていた499日は確かにそこにあって
たくさんの思い出をくれたことには変わりない


きっとあなたは、人を愛すること、愛する人を失うことを教えてくれる
1人目の運命の人だったんだね


去年体調が悪い中で見に行った花火大会
2人ですごく感動して泣きながら見て
来年もその次も、子供や孫ができても毎年絶対見にこようねって
あなたと約束したから
今年も浴衣を着て、去年よりも元気になったあなたと楽しむつもりでいたよ


そばにいられないなら
次の誕生日に何が欲しいとか
2年記念日はどこに行こうかとか
将来の話なんてしないでほしかった、期待しちゃうから



私は性格が悪いから、あなたよりも幸せになります
あなたが私を振ったことを後悔するぐらい自分を磨いて、
自分の人生を自分らしく楽しく幸せに過ごします
あなたがたまに私のことを思い出してくれるといいな


もし、何かのめぐりあわせであなたと会うことがあるとすれば
その時はつらいことを一緒に乗り越えた戦友でいようね


今は、あなたにはあんまり教えなかった10-FEETを聴きながら
今日も、明日も、明後日も、これから気が遠くなるまで続いていく日常を
ゆっくり精一杯過ごしていこうと思います


499日ありがとう
大好きでした
じゃあね




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