テーマ発表！！

　第1回、第2回に引き続き、映画「ロード・オブ・ザ・リング」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ロード・オブ・ザ・リング」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。

妄想開始！

嘉村　「ロード・オブ・ザ・リング」は、温厚で欲の少ない主人公が、「世界を滅ぼし得る『力の源』」を葬るために旅する物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは？」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう！

三葉　承知しました。

嘉村　前回ご紹介したのは、「『ロード・オブ・ザ・リング』　～『DEATH NOTEとコラボ』編」でした。

案②

三葉　まずは、「ロード・オブ・ザ・リング」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。

三葉　……ですね（より詳しくは第1回の記事で）。

嘉村　ふむふむ。

三葉　さて、「『ロード・オブ・ザ・リング』のストーリー構造を使った物語」を考えていくわけですが……。

嘉村　ええ。

三葉　ついては、「『指輪』を別の何かに置き換えられないだろうか？」と考えるのが早道だと思うんですよね。

嘉村　ほぉ。

三葉　ということで、まずは「指輪」をもっと巨大なものに置き換えてみましょう。すなわち……「『ロード・オブ・ザ・リング』　～『巨大化！』編」です。

嘉村　巨大化……？

三葉　ええ。そもそも……「ロード・オブ・ザ・リング」では、「指輪」を破壊すべく9人の決死隊が旅立ちます。

嘉村　ええ。

三葉　しかし……フロド（主人公）以外の者は「『指輪』の力を使ってみたい」という魅力をはねのけられない。「指輪」に魅了され、いつダークサイドに堕ちるかわからない。かくして……決死隊は解散！フロドは、たった1人の従者（サム）と共に、孤独な任務に挑むことになります。

嘉村　ふむ。

三葉　しかし、もしこれが「指輪」ではなく、例えば……「大人が10人集まってやっと運べるサイズの仏像」だったらどうか？

嘉村　ははぁ……。

三葉　フロドが「『指輪』の傍にいると、仲間がダメになっちまう。残念だけれど……ここから先は、オレ1人で行くよ」なんて悲壮な決意を固めたところで、いやいや、物理的に1人では運べない。

嘉村　ふむ。

三葉　かくなる上は仕方がない。いつダークサイドに堕ちるかわからず、ビクビクものではありますが……仲間と共に旅をせざるを得ません。

嘉村　確かに。

三葉　したがって、「もしも、オレがダークサイドに堕ちたら……」「わかっているさ。親友のオレがきっちり引導を渡してやるよ」「ありがとよ」「その代わり……」「ああ、わかっている。お前が悪に堕ちた時には、オレがお前を殺してやるさ」「頼むぜ」なんて会話があったりするわけですよ。

嘉村　なるほど。

三葉　このように、「大量破壊兵器（=『指輪』）」を巨大化するだけで……「ロード・オブ・ザ・リング」とはだいぶ違った物語になると思うんですよね。

案③

三葉　次のアイデアにまいりましょう。すなわち……「『ロード・オブ・ザ・リング』　～『7つに分割！』編」。

嘉村　7つに分割！

三葉　ええ。

嘉村　「ドラゴンボール」みたいですね。

三葉　「ロード・オブ・ザ・リング」の「指輪」は単体で力を発揮するものですが、もしもこれが「7つの『指輪』が集いし時、その力が解放される！」なんて具合だったら……。

嘉村　ええ。

三葉　「7つの『指輪』をどのように所持するか？」という問題が生じますよね。

嘉村　ふむ。

三葉　誰か1人がまとめて持つのか？いやいや、万一その人がダークサイドに堕ちたら、一発アウトになってしまう。リスクヘッジという観点からすれば、1人1つずつ、計7人で分割して所持するのがよさそうです。

嘉村　ふむふむ。

三葉　しかしその一方で、7人もいれば、1人や2人は闇落ちしそうなものです。「彼らが徒党を組んで他の所持者を攻撃したらどうしよう」という不安もある。

嘉村　なるほど。

三葉　闇落ちした面々と、未だ理性を保っている面々が集団戦を繰り広げるなど、「ロード・オブ・ザ・リング」とはまったく違った展開が考えられそうです。

案④

三葉　どしどしまいりましょう！

嘉村　はい。

三葉　続いてのアイデアは……「『ロード・オブ・ザ・リング』　～『劣情！』編」。

嘉村　劣情……。

三葉　要するに、性欲ですね。

嘉村　ふーむ。

三葉　「ロード・オブ・ザ・リング」は伝統あるファンタジー作品、ファンタジー界の金字塔ですが……これをグッとお下劣にしてみると、それはそれで面白い物語になるのではないかと思うんですよ。

嘉村　ほぉ。

三葉　すなわち、主人公らが運ぶのは「指輪」ではなくて……美女！それもそんじょそこらの美女ではない。驚天動地の超美女です。

嘉村　ふむふむ。

三葉　例えば……主人公らはヤクザ。ある日、大親分から命令が下った「オレの女を隠れ家まで連れてこい」。

嘉村　隠れ家……？

三葉　チャイニーズマフィアとの激しい抗争中で、大親分は隠れ家に避難しているんですよ。

嘉村　ふむ。

三葉　隠れ家は北海道にある。一方、主人公らは東京にいる。つまり、大親分の愛人を東京から北海道まで連れて行く任務なのですが……嗚呼、この女が問題です！おそろしい美女！しかも、主人公らを誘惑してくる！

嘉村　あー、なるほど。

三葉　主人公らの劣情が刺激される。鼻息が荒くなる。だっ、抱いてみたい！……が、万が一にも手を出そうものなら、大親分は激昂。この世のものとは思えぬ苦痛の末に殺されるでしょう。手を出したい！いや、ダメだ！手を出したい！いや、ダメだ！主人公らは苦しみます。……コレ、まさに「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公らが、「指輪」によって心揺さぶられるのと同じ構図ですよね。

嘉村　ふーむ。

三葉　主人公らはお互いを励まし合い、どうにか理性を保ちつつ、北海道へ向かう。しかしある晩、ついに……やっちまった！仲間の1人（以下、A氏）がどうにも耐えかね、彼女を抱いてしまったのです。

嘉村　ほぉ。

三葉　A氏は、すぐに我に返った。だがもう遅い。手遅れです。A氏は頭を抱える。大親分によって、どれほどひどい目に遭わされることやら……考えるだけで恐ろしい！主人公らはA氏に同情します。彼が手を出してしまったのもよくわかる。

嘉村　ふむ。

三葉　さて……共に耐え、励まし合う内に、彼らの間には強い仲間意識が生まれていました。では、仲間としていま何ができるのか？……主人公は、無言で拳銃を取り出した。A氏が涙を浮かべて、呟く「ありがとう」。主人公はA氏を射殺しました。……最早、楽に死なせてやるくらいしかできることはありませんからね。とまぁ、こんなちょっとしんみりするエピソードがあったり。

嘉村　ふむふむ。

三葉　あるいは……チャイニーズマフィアから襲撃を受けることだってある。何しろ、大親分が溺愛する愛人です。彼女を拉致すれば、いい交渉材料になるでしょう。

嘉村　ええ。

三葉　ということで、車を停めて一休みしていると……青龍刀を持った連中が主人公らに襲いかかった！主人公らは、慌てて応戦する。激しい戦いになる。隙を見て、主人公は愛人を小脇に抱えて飛び出した！すかさず、弾丸が頬をかすめる。全身の毛という毛が逆立つ。嗚呼、恐ろしい！しかしそんな時にも……愛人は、主人公を誘惑してくる！

嘉村　ええっ……。

三葉　豊満な胸を、主人公の腕に押しつける！また、股間のイチモツを鷲掴みにする！

嘉村　痴女じゃないですか……。

三葉　まぁ、痴女なんですよ。

嘉村　なるほど。

三葉　主人公は「性的な快楽」と「いまにも殺されるかもしれないという恐怖」の板挟みになる。快楽と恐怖が混ざり合い、混然一体となって、最早何が何やらわからぬ。しかし、それでも走る。性器が怒張し、走りづらくて堪らないがそれでも走る。……なんてエピソードがあったり。

嘉村　ふむふむ。

三葉　今回は「指輪」の代わりに「美女（というか痴女）」を設定しましたが、「では『幼女』だったらどうなるだろう？」「『美少年』だったら？」なんて考えてみると、いろいろ面白いアイデアに繋がると思うんですよね！

嘉村　確かに。

三葉　以上、「『ロード・オブ・ザ・リング』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました！

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　「ロード・オブ・ザ・リング」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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　最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

（担当：三葉）