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おかしな「励まし・激励・なぐさめ」 ~ドラマ「ザ・ボーイズ」の場合 #3

Aトレイン「(がんに苦しむ少年を励まそうとして)俺は透明人間にはなれないけど、スピードなら世界中の誰にも負けない!どんなやつからも逃げ切ることができる。すごいと思わない?」「きみが元気になったら速く走る方法を教えるよ!」

がんの少年「がんからも逃げ切れる?」

ドラマ「ザ・ボーイズ」(シーズン1の第2話)




◆概要

【おかしな「励まし・激励・なぐさめ」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「ザ・ボーイズ」(シーズン1の第2話)

▶1

本作の主要キャラの1人・Aトレイン(20代頃の男性)。

彼は「高速移動能力」を持つヒーローだ。

世界最速の脚力を活かして、悪党を倒したり、人命救助に励んだりしている。人びとはそんな彼に感謝し、憧れの念を抱いていた。


ある日、

・Step1:チャリティ活動として、病院にやってきたAトレイン。今日の仕事は小児がんに苦しむ少年を励ますことだ。

・Step2:なお、一部始終はネットで生放送されており、100万人以上のファンがAトレインの一挙手一投足を見守っている


Aトレインは親しみやすい口調で、

・Step3:ベッドに横たわる少年に声をかけた「よぉ、調子はどうだ?きみにプレゼントだ!」。彼は手土産を渡した。

・Step4:ところが、少年はニコリともしない。――じつは彼は「透明化能力」を持つトランスルーセントというヒーローのファンだった。しかしゆえあってトランスルーセントが来られなくなってしまい、急遽Aトレインが代役を務めることになったのだ。


仏頂面の少年を前に、

・Step5Aトレインは焦る。これはまずいぞ。何とか盛り上げなければ!

・Step6:Aトレインは明るい口調で必死に「俺は透明人間にはなれないけど、スピードなら世界中の誰にも負けない!どんなやつからも逃げ切ることができる。すごいと思わない?」「きみが元気になったら速く走る方法を教えるよ!」

・Step7:すると少年は言った「がんからも逃げ切れる?」

・Step8:うっ!さすがのAトレインもこれには沈黙。病室は気まずい空気に包まれた。


▶2

がんに苦しむ少年を励ますべく、奮闘するAトレイン。

彼は言った「俺は透明人間にはなれないけど、スピードなら世界中の誰にも負けない!どんなやつからも逃げ切ることができる。すごいと思わない?」「きみが元気になったら速く走る方法を教えるよ!」。

すると少年は――「がんからも逃げ切れる?」。


「うわっ、これは気まずい!(笑)」「少年の気持ちもわかるけれど……精一杯代役を務めようとしているAトレインがかわいそうだよ(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。


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