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「理解したようだ・察したようだ」と見せかけて、じつは何もわかっていない ~アニメ「でこぼこ魔女の親子事情」の場合

ポンド「(暴力はいけないよと説得すべく)『北風と太陽』という話があるだろ?」「北風は力ずくで脱がせようとして失敗したけど、太陽は日差しを浴びせてゆっくりと、でも着実に上着を脱がせたんだ」
ビオラ「(笑顔になって)あー!なるほど!」

ポンド「(予想外の行動に出たビオラに対して)教訓を読み取って!」

アニメ「でこぼこ魔女の親子事情」(第10話)




◆概要

【「理解したようだ・察したようだ」と見せかけて、じつは何もわかっていなかった】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「でこぼこ魔女の親子事情」(第10話)

▶1

本作の主人公の1人・ビオラ(16歳の少女)。

彼女は人間だが、尋常ならざる魔力を持つ魔法使いでもある。


ある日いろいろあって、

・Step1ルーブル(ビオラの幼馴染)が自室に引きこもってしまった。

・Step2:ビオラは、ポンド(ルーブルの父)の依頼を受け、「部屋から出てきなよ!」とルーブルを説得することになった。


ビオラは奮起する。

・Step3:しかし何を言ってもダメだ。ルーブルはまったく出てきそうにない。

・Step4:こうなったら致し方がない……!ビオラは暴力的な手を使おうとした。

・Step5:ポンドは慌てる。いやいやいや!暴力はまずいよ!というわけで、彼は諭すような口調でビオラに言った「『北風と太陽』という話があるだろ?」「北風は力ずくで脱がせようとして失敗したけど、太陽は日差しを浴びせてゆっくりと、でも着実に上着を脱がせたんだ」。――つまり、「力ずくはいけないよ。ルーブルが自分から出てきたくなるように穏やかに対応しよう」というわけだ。

・Step6:その言葉に、ビオラは笑顔になった「あー!なるほど!」

・Step7ふぅ。どうやら理解してくれたようだ。……と思いきやその直後、ビオラは魔法で太陽を作り出した。ルーブルの部屋の中を灼熱地獄に替え、部屋から出て来ざるを得なくしてやろうというのだ。

・Step8:ポンドは頭を抱える。そういうことじゃない!かくして彼は叫んだ「教訓を読み取って!」


▶2

「力ずくはいけないよ。ルーブルが自分から出てきたくなるように穏やかに対応しよう」と伝えるべく、イソップ寓話「北風と太陽」の話をしたポンド。

するとビオラは笑顔になって、「あー!なるほど!」。

ふぅ。どうやら理解してくれたようだと思いきや――「『北風と太陽』の教訓をまったく理解していない!(笑)」「『あー!なるほど!』じゃねーだろ!(笑)」「部屋の中を灼熱地獄に替えて無理矢理追い出すって……イソップも草葉の陰で泣いているよ(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。


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