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アパレル系はXSよりXRを選ぶべき理由

2年半前まで、長年アパレル生産や物販業を行なっていたので、日頃からサンプル撮影やSNS投稿にスマホのカメラは必需品で、それまでは最新のiPhoneを毎年買換えていたのですが、物販業を卒業したらスマホの進化に興味がなくなり、先日 3年ぶり?にiPhoneを新調しました。

これからの内容はXRを推進する内容ではなく、何を考えて決めるべきかをお伝えしたく大げさなタイトル「アパレル系はXSよりXRを選ぶべき理由」にしましたが、私がXRを選んだ理由をお伝えしたいと思います。

SNSは宣伝ツールなのは当たり前な時代

アパレル業にはSNSは大事な宣伝ツールです。今ならインスタは当たり前ですよね。15年以上前はブロガーやファッション系は皆、最新カメラを持ち歩いていましたけど、スマホの普及につれカメラを持ち歩くことは少なくなりました。スマホでサッと撮ってSNSで簡単にシェアできる時代になってかれこれ7,8年でしょうか?(インスタが日本でスタートしたのが9年くらい前だったような)

以前はスマホの新型が登場する度、カメラの性能が上がり、日頃から何かと写真を撮りSNSに投稿する人にとってはカメラの性能はとても大事でしたけど、スマホの進化が続き、一定の水準を超えた当たりで物販業を離れたら写真の美しさにそこまで執着しなくなったんですよね。

今でも長年の習慣で何かと撮ってしまうけど、美しさ・クオリティーなど、追求するパッションはなくなった(笑)大体そこそこ綺麗に撮れるしね。あと、相当マニアックでない限り、普通の人はスマホの性能を十分に使いこなせていないので、ここ3年は機種変をしなくても出遅れている感や、劣っているとも感じずに過ごしていました。Face IDも特に興味なかったし。(Suicaはチョット欲しかったけど)

久々のiPhone機種変

ジョブス様の死去後 iPhoneの鳥肌もんなイノベーションは起こらなくなり、機種変をする動機も起こらないまま、先日3年ぶりの機種変。途中、同じ機種を再度買ったので、丸2年以上同じスマホを使い続けたのは今回が初めてで、さすがに充電の持ちも急激に悪くなったし、近日、長期海外なので海外の出先で充電がなくなるのを恐れ、渋々重い腰を上げ機種変をしてきました。

当初は最新のXSにするつもりだった

欲しいのもないけど、変えるなら最新でしょ!とXSにしようと決めていました。ただ、Xの評判が悪かっただけに、XSにも特に期待もなく。ただ、XRにしたくない理由はハッキリあり、XSより大きい・厚め・重いのが私的にNGの理由でXS一択でした。

アップルストアーにて秒で購入予定だったが、しかし!

オフィスに向かう途中、銀座Apple Storeが空いていたので、ふらっと入店。一応、XSとXR、手持ちの6Sで自分のバッグを被写体に適当に撮ったバージョンと、しっかり機能を使いながら撮ってみたりと、違いを確認。

XRはLiquid Retinaディスプレイで、XSはSuper RetinaディスプレイでOLED(有機EL)です。撮影してみてXSが綺麗に撮れるな.. と、二つの違いも感じたので、やっぱりXSにしようと店員さんに声をかけ「XSを買います」と話したら担当を呼ぶとのことでしばらく待つことに。待っている間に、XSで撮った写真をズームしてみたり、同じアングルでXRで撮った写真と見比べているうちに、XSで見る写真の綺麗さに疑問を持ってしまったんです。

Apple Storeは沢山照明があるので非常に明るい場所です。いわば、物撮りをするのに最適な明るさです。けれど、目の前の実物のバッグよりXSの写真の方が綺麗に見える...。何かの違和感すら...。と感じました。なので、XS、XR共にTrue Toneを消し、同じ画面の明るさで、カラーフィルタなどもオフにして見比べても、やはり何か違和感を感じたので、これは単にカメラ性能の違いだけではないと思ったのが発端です。

XSで撮った写真をAirDropでXRや自分の6Sに移してそれぞれの画面から比較して見ると、XSで見る良さは無かったので、これがSuper Retina ディスプレイの違いか!と思いつつ、目の前の若い店員さんに掘り下げて聞いたところ、おじさんのプロな店員さんが現れ、とっても詳しく教えて頂いたのですが、専門用語が多すぎたので用語を覚えておりませんが、ダイジェスト版で言うと...

XSは色を表現するコントラストが優れているとのこと。確かに、XやXSは1,000,000:1コントラスト比(標準)でXRや8以下は1,400:1コントラスト比(標準)です。

コントラスト比とは?

コントラスト比とは、画面で見える画像や動画など明るい部分と暗い部分のメリハリ感のことで、輝度の差の比率で表したものなんですが、iPhoneXやXSは100万対1なので上手に表現してくれるってことです。(ちなみにGalaxyの新型も100万対1のコントラスト比です。)Xから急に7倍以上のコントラスト比に...。

アパレル撮影で困難なのが、黒、ゴールド、ブルー系で素材によっては光を吸収するものや反射するものもあり、実物と同じ色に撮影をするのは中々大変なんですが、ディスプレイが100万対1のコントラスト比ですと、自然と黒が美しく見えます。目の前の実物より素晴らしく表現され、ゴールドもゴールドらしく見えます。これらの色の表現には実際よりオレンジ系が足されるイメージといいますか。。

最終的にはストアーにある展示品のXS、XR、店員さん達の私物XS、XRも並べ、同じ設定で同じ画像を比較したのですが、個体差なのか知らないけど、展示品の方が暗く(特に展示品にそういう設定はしていないとのこと)店員さんのXSの方がまだ実物に近かったけれど、それでもコントラストが強すぎて色の微妙な差を気にする私にとっては悩ましい問題でした。

綺麗に見えるから良いわけではない

最新の超ハイスペックなスマホは100万対1のコントラスト比だったりしますが、自分で撮って自分で楽しむのであれば綺麗に越したことはありません。ですが、物販やアパレルの人は他者と共有し認識合わせの必要があります。

以前、セミナーでインスタでの集客や撮影の秘訣には見る人の目線も考えることが大切で、共有している人達とのバランスが重要だと話したことがありますが、(「SNS運用で大切なのは一貫性」ファッションEC開業の“教科書”〜後編〜

自分目線で撮影、色加工をしてもデバイスごとに見え方は異なるんですよね。なので、コントラスト比が1000:1のディスプレイで色加工をしたものを1,400:1のディスプレイで見ると、すごく飛んでいたり、赤・青・緑がとても濃く見えたり、黒がグレーに見えたりで不自然な色に見えたりします。それが、今度は逆に1,000,000:1のディスプレイでは美しい色なのに、1,400:1のディスプレイだと青白く見えて同じ雰囲気には全く見えなかったりもします。

もっと掘り下げればコントラスト比だけでなく、Photoshopなどの画像編集ソフトでの加工や保存の仕方や画像を読み込むASPによっても変わったりと様々ですが、簡単にまとめるならば現在コントラスト比が1,000,000:1のディスプレイを持っている人がどれくらいいるのか?なんですよね。


「モニター環境により、実際の商品の色合いと多少異なってみえる場合があります。ご注意ください。」ネットショップで見たことありますよね?

スマホで見る人もいれば PCで見る人もいるし、同じ色を同じ感覚で共有する母数を考えた方がよく、業種ごとのエンドユーザーの層によっても分かれますが、100万対1のコントラスト比が表現されるようになったのはごく最近で、値も張るのでまだまだ普及はされていないはずです。

スマホで完結できる時代だけれど

今ではスマホ一つで撮影や販売を完結できる時代でもあり、6S以降は一眼レフじゃなくても照明と手ぶれだけ意識すればスマホでも十分に商品撮影ができるように進化したので、ネットショップで月商300万程度を目指すならスマホでの商品撮影は何かと合理的なので私はスマホで商品撮影は推進派ですが、無駄にスマホでの加工は避けた方が良いです。自分の画面が全てでは無いことを念頭に入れておく必要があります。

6SとXR・XSで比較

XRもXSも実際より濃く色をキャッチしている感があり、XRよりもXSの方が画面のコントラスト比によって、より濃くハッキリ見える印象が強かったです。


XSで撮影したものをクラウドに上げたつもりが同期されてなくて比較を出せていませんが、

左: XRで撮影       右:6Sで撮影

 XRと6Sで撮った写真を比べてもXRの方が赤・黄・青の色合いが濃く撮れているのが判るかと思います。この2枚のうち、どちらが実際の色に近いか?というならば、6Sです。6Sの写真をコントラストでほんの少しだけ黄色味を本当に少しだけ加えれば実際の色にとても近くなりますが、(1,400:1のディスプレイで見た場合)

XRの写真はそれぞれの色味が強めに出ているので、コントラストのコントロールが難しく、見る側のディスプレイのことも考えると... もう現役ではないので確実なアドバイスはできませんが... anyway! 

カメラ性能はXSもXRも大差無い

遠くの景色をズーム、広角と望遠が優れているのはXSなので車や景色の撮影にはオススメかと思います。しかし、近くの被写体を撮る分には大差無く、XSは人物ポートレート機能があるくらいです。

私がXRを選んだ理由

今でも海外のベンダーや友人、知人達からコンスタントに現場からの商品写真やサンプル画像がサクッとスマホに届くので、色があーだーこーだ、撮り方があーだーこーだ、などのアドバイスを行うことが割と多々あります。

けれど、私がアパレル現役だった2年半前の時点で最新が1,400:1のディスプレイだったので、どんな状況で撮ると、どの加工をするとこうなるのか?写真を撮った人のスマホ機種やその人の性格、現場の電球色、野外なのか屋内なのか?太陽光は昼なのか?夕方なのか?など様々なポイントを考慮した上で、経験値で計算し、スマホに送られて来る とりあえず今撮った!的な写真でも現場で実物を見ているかのように判断ができるので、仕事上の母数に合わせようと思いXRにしました。(要は慣れているやつを選んだw)

100万対1のコントラスト比やOLED(有機EL)での色の見え方は美しすぎて?オーバーな表現?なので実物カラーとは異なったプラスされた美しさで見えるので、スマホで商品撮影をされている方が計算しないで画面に見えるがままをXSで撮り、加工した写真は自分の画面内では美しく見えても、エンドユーザーが1,400:1コントラスト比以下で見て購入した場合、届いた物が実際の色と違う!になり兼ねないですので今から機種変をされるならXRが丁度良く、今秋の新機種を待った方が良いでしょう。(多分、カメラは大して変わらないと思うけど)

風景などは逆に実際の色は特に関係ないので、コントラスト強めでメリハリのある綺麗さと迫力さに限るので、一般的には最新が最高!ではあります。あくまでもこれはアパレルEC系向けのボヤキでした。

追記:後日、XRで撮った 加工なしの動画と、加工した動画 それぞれをストーリーに上げ、Androidや7Sでどう見えるか?検証してみた結果、加工した動画はXRで見るよりも遥かに赤味が強かったです。(ほんのり赤味を入れたつもりが、血色良いどころか、火傷した?みたいなレベル)写真はまだそうでもなかったので、動画の色加工は要注意です。



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