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リユース・リサイクルにどう取り組むか

 身近になってきた”リユース”や”リサイクル”ですが、企業よってその取り組みや認識はかなり違っていると思います。何となくSDGsの流れに乗っておこうとか、イメージアップになるかもみたいな打算的な取り組みでは、多分全く意味がないんだと思います。
 私自身、以前リサイクルジュエリーの業界に関わっていた経験もあるんですが、決して慈善事業ではない以上、それをどう企業として利益を上げていく事と整合性をとってやっていくかは、難しいところだと思います。

巷にあふれるサステナビリティ

 ”サステナビリティ”という言葉自体、かなり耳にすることが多くなっているのは事実だと思います。本質的なところを理解している訳ではありませんが、資源に限りがあること自体は間違いないことだと思いますし、そのコストが今後上がり続けるとしたら、さらに切実な問題になってくるんだろうと思っています。

 とはいえ、目にする中でこれはどうなのという事あります。

 余った材料などを再利用して何か別のものを作るというのはよく見ます。自分としても、買いたいものが何かの再利用で、少しでも資源の節約に貢献できるとしたらそれに越したことはないかと思います。でも、再利用したものが本当に必要なものかは、よく考えた方がいいようにも思います。そのモノがまた売れなくてゴミになるみたいなことは避けたいですよね。

 また、ファッション業界などでは、在庫を減らすための”オフプライスストア”や”アウトレット”みないなことも目にします。一時期、有名ブランドの在庫の破棄問題などもあり、結構炎上していた記憶もあります。そのような問題の解決策の一つではあると思いますが、まだまだ課題は多いような気はします。

 現実的な話として、在庫の削減はどの企業でもやりたい事ではあると思いますが、その時の機会ロスが在庫の削減を阻む大きな要因だと思います。在庫廃棄を避けるために、作った責任として最後まで売り切るという姿勢はとても共感しますが、それをサステナビリティとしてアピールしているところを見ると、ちょと違うのでは?と思ってしまいますね。

心理的価値の重要性

 リユースとかリサイクルとかを考えていく上で、経済的な価値と共に心理的価値を考える事はとても重要なことだと思います。ブランド品や人気のスニーカーが中古でも高く売れるみたいな話は、ちょっとまた別の話のような気がしています。

 私がリサイクルジュエリーに関わっていた時には、単にいらなくなったジュエリーを売りたいというお客様以外に、親から引き継いだジュエリーやデザインが古くなったものをリメイクを希望される人が多くいました。

 売ってお金に換えるのではなく、お金をかけて作り直すという、手間をかけてでもそのものを大切に使っていきたいという方が多いことに少し驚いた記憶があります。

 たまに見かける不要になったものの回収なんかも、その一つだと思います。ただ不要になったものを捨てるという後ろめたさが、少しでもなにか資源の再利用に貢献できるという事で多少和らぎますし、心理的な要因は大きいんだと思います。

 ある企業のプレスリリースで、購入後の再利用促進の取組を見かけました。

 こちらの企業は、これら以外にも様々な環境に配慮した取り組みをされているので、企業としての取組の意識の違いを感じます。仕組みを考えるのはかなり大変だと思いますが、商品の良さとか”かっこよさ”とは別の次元で、その会社やブランドに対しての”信頼性”みたいなものが作り出されているように感じます。

 こういうお客様との価値観の共有って、簡単にできることではないと思います。ちょっとやそっとでは、印象にも残りませんからね。本当のファンを作っていく上では、単に商品やサービス以外の部分での取り組みも重要なんだと感じています。

無駄を見直すチャンス

 ”無駄”を考える事自体はどの会社にも重要ではないかと思います。無駄に商品を作らないことは利益に直結すると思いますし、そこにかけている労力の削減にもなるかもしれません。

 また、作った後のことも考えて、より無駄がない仕組みを作っていく姿勢は、お金をいっぱいかけた広告以上にお客様の印象に残っていくのではないかと思ったりもします。

 私の中で、こうすべきとか何か完全な解決方法があるという訳ではありません。ただ、企業として成長を目指し、多くの人に認知されていく過程の中では、こうした取り組みがより必要になってきていると感じています。

 多くの人から”信頼”を得るというとこが、事業の継続を大いに後押ししてくれるのではと思います。