マガジンのカバー画像

ドイツ生活のぼやき

22
ドイツ暮らしをするなかで思うことを綴っています。
運営しているクリエイター

記事一覧

いい人に出会えてよかったね。ドイツ生活のぼやき - 22

先日の祝日で、夫と友人とでハイキングに行ったときのこと。 ドイツのまっすぐな日差しの下で気持ちよく歩いてたら、ふと友人が、理不尽な怒りをぶつけてくる上司の話を始めました。そこから、上手くいかなくなった友人とのことや、人間関係にかかわるいろいろな愚痴をああだこうだと言い合っていたのですが、そういえば君たちは喧嘩するのと友人に尋ねられました。私の夫が声を荒げて怒っている姿を想像できないというのです。 よく考えてみたら、確かに私の夫は声を荒げません。大きな声を出すといえば……私

作業報告会。ドイツ生活のぼやき - 21

一時帰国を終え、ドイツでも新学期が始まりました。 が、帰国早々体調を崩したり、食べ物の違いに落胆して気持ち的にも落ち込んでしまったりで、なかなか重い腰が上がらずに停滞している日々。そこでnoteで見かけた作業報告会に参加して、毎日「今日やること」と「振り返り」をし始めました。 毎日報告って続くかなあと思っているのですが、今月末までに提出しなければならない課題があり、これを逃すと院修了がまた遠のくので、やるしかありません。 って、そんな重要な単位がかかっているのに、4月末

子どもを持つこと【一時帰国中】ドイツ生活のぼやき - 20

一時帰国中、姉や旧友の子どもたちにたくさん触れ合う機会が持てました。昨年のこの頃、5年付き合った相手と結婚して、うっすらと「子どもはいつ?」という周りからの期待を感じていたので、子どもと過ごす時間を通して、何か考え方が変わるかななんて思っていました。 家族は「いてもいなくてもいい」と言いつつ、おそらく期待をしているんだろうなと端々から感じます。プレッシャーをかけてはいけない、下手なことを言ってはいけない……いろいろと過敏なわたしに気を遣ってくれているのかもしれません。 5

区切りがよく分からない。ドイツ生活のぼやき - 19

ドイツで生活していて、「え?これで話は全て終わったの?」と区切りがよく分からないシーンが多いことに気がついたので、ちょっと書いてみます。というのも、これは世界中のみんなが困っているテーマかと思っていたのに、イタリア生まれイタリア育ちの夫にとってはあまり大きな問題であるようには見えず、わたしの問題なのか、日本育ちの人特有の困難なのか、気になったので……。 不思議な沈黙、薬局にて 先日薬局(アポテーケ)で処方箋なしで買える一般的な薬を買いました。そこでの会話がぎこちなかったの

歩み寄って、こんぷろみす。ドイツ生活のぼやき - 18

「こんぷろみす」 ドイツ語で書くと「Kompromiss」。 「妥協」とか「歩み寄り」とかそういう意味です。 日本語でも英語からの外来語として、時々使いますよね。「コンプロマイズ」かな。 歩み寄りの難しさを感じたので、今日はそのことについて書きます。 咀嚼音が大の苦手まず、わたしは咀嚼音がとても苦手です。日本でもドイツでもイタリアでも、口を閉じて食べるのがマナーとされていますし、くちゃくちゃしてはいけないと教わりますよね。西洋の方が、そのしつけは厳しくされるようですが、

強い主張と、権利を守るドイツ人。ドイツ生活のぼやき - 17

音大が提供する「歴史的ダンス」というクラスに通い始めて2年目。途中1学期休んでいるし、ドイツの学生の長期休みは確かに文字通り長期なので、休み休みという感じではあるけれど、今は晴れて「上級者コース」に所属しています。 このクラスは、音楽学者でもありプロのダンサーでもある先生のもとで、音楽の学生や他ジャンルダンスの学生たちがルネサンスダンスやバロックダンスを学び、そこで得た知識を自分たちの演奏に生かすことを目的としているので、レベルもそれなりに高いように思います。 わたしは演

なぞの記憶。ドイツ生活のぼやき - 16

今学期お世話になっているゼミの先生は、歴史学の博士課程の方なのですが、2週間ほど前に「彼の指導教官が3年前に亡くなった」という事実を知りました。たしか、ゼミの先生の経歴を知りたくてネット検索したら、指導教官の名前を見つけて、そこから芋づる式に知ったのだったと思います。 このことは、某SNSで「後ろ盾がいなくなっても、研究に真摯に取り組む姿勢や人あたりの良さのおかげで(もちろん実力も)、いろいろな職を得ることができたのかな」なんてことを書いていたので、よく覚えているのです。

分かりたい友だちのこと。ドイツ生活のぼやき - 15

彼女はとても優しくて、ふわふわの物が好きで、それでいて自分の意見をしっかりと持ち、議論することが好きな人。言語が得意で、ヨーロッパのいくつかの言語に加え、日本語もとても流暢に話す素晴らしい人。 でも、最近彼女のインスタグラムを見ていると、ほとんど人種差別的な投稿が増えていることに気がついた。イスラエルとガザ地区での出来事について、徹底的にユダヤ教徒の味方でいることはいいのだけど、それらしい言い分で「殺されても仕方ない人間がいる」というようなことを書き連ねる。そして、この意見

PMS/PMDDを乗り越えてるみんな、お疲れさま。ドイツ生活のぼやき - 14

『10日間の人間生活』でも触れた通り、わたしは生理前の症状にかなり悩んでいるタイプの人間です。いわゆるPMSで、月によっては希死念慮が強く出るので、PMDDというものにも該当するのではと考えています。 気の所為といわれればそれまでですが、その月のPMSの症状は、その前の月の生活次第で重さが変わるような気がしています。10月から始まった冬学期で、週に数回とはいえ大学に通い、なかなか読み終わらない文献と向き合いながら、仕事も同時にこなすというのが少しストレスだったのか、今回は身

ソーセージ手作り体験。ドイツ生活のぼやき - 13

ドイツと言えばソーセージ。先日ソーセージ作りを趣味にしている方のお家で、初めてのソーセージづくり体験をしてきました。実際にお会いしてみると、趣味どころではなくかなり専門的にソーセージ作りを学んでいるのが分かりました。 「きほんのソーセージ」ということで、初心者にも作りやすいシンプルなレシピということでしたが、道具も必要ですし、何より細かい箇所でテクニックが必要なため、経験者の助けなしには難しいと感じました。これを一人でやり始めた彼女は素晴らしい! 今回も写真が多めになって

わたしの街のハロウィン風景。ドイツ生活のぼやき - 12

わたしが住む街では、今日10月31日はハロウィンでもあり、宗教改革の日でもあります。 ルター派教会(プロテスタント)が多数派の州では今日が宗教改革の日(Reformationstag)として祝日、カトリックが主流の州では明日11月1日が諸聖人の日(Allerheiligen)で祝日なのです。国の中で祝日が違うって面白いですよね。 宗教改革の日もわたしにとっては興味深いことがたくさんあるので好きなのですが、今回はハロウィンについて書きたいと思います。写真多めです。 美味し

アイルランドからベトナムへ、はしごする。ドイツ生活のぼやき - 11

土曜日、わたしは15時頃までに仕事と英語のレッスンを終えていたので、17時に仕事を終える夫を迎えに街まで出ていきました。その前日、わたしが日本人の友人と訪れたベトナム料理がとても美味しかったので、一緒に行ってみようと話していたのです。 ドイツ人は17時や18時に夕食をとる人も多いので、街のテラス席は食事をするドイツ人らしき人々で賑わっていました。でも、わたしやイタリア人の夫にとっては少し早すぎて、それじゃあ軽く一杯、ビールでもどうですか?ということで、お気に入りのアイリッシ

最近作った食べ物。ドイツ生活のぼやき - 10

ドイツに暮らしながら、ほぼ日本料理かイタリア料理、あるいは日本風味の中国料理しか食べない我が家。最近作ったものを紹介します。 明日のゼミのために読まなけれなならない文献がまだ残っているにもかかわらず、あるいはだからこその、現実逃避の執筆です。 ハムカツドイツ語圏には(もしかしたら、ヨーロッパ中に?)、カッセラー(Kasseler)という燻製された豚肉があって、だいたい焼いたり煮込んだりして食べるそうなのですが、これを半分くらいにの厚さに切って焼いてみたら、なんとハムカツの

トマト缶の一期一会。ドイツ生活のぼやき - 9

ドイツ統一の日は10月3日でした。1990年に東西ドイツが再び一つの国になったことを記念して定められた祝日です。前の記事に書いた通り、そういった祝日は基本的にどのお店も閉店するので、祝日の前日はスーパーなどが混みあいます。 10月2日の午後になってようやく、次の日が祝日だと気づいたわたしと夫は、空っぽの冷蔵庫を見て慌てて近所のスーパーに買い出しに行きました。たった一日の祝日なのに、冷蔵庫が空っぽだと心配になってついついすぐには使わないような食材まで買ってしまうのは、一体なぜ