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わたしの本棚23夜~「聖者のレッスン」

 今年2月に伊丹市で、作者の四方田犬彦先生の講演会がありました。質疑応答、懇親会もあったので、そのために氏の最新の本(2019年10月発行で、当時の最新刊でした)を読んでおこうと購入したのがこの本でした。正直、西洋史の知識と教養に乏しい私には、難しかったです。東京大学の映画講義だそうで、実際の授業では関連するDVDを授業でみて、説明をすると書かれていました。

☆「聖者のレッスン」四方田犬彦著(河出書房新社)4800円+税

 映画がどういうふうに聖者を描いてきたか、が全編にわたるテーマです。

映画というジャンル、表象メデイアは120年の間に、たくさんの宗教的な主題を扱ってきました。最初の6回でキリスト教、次3回で東アジアの宗教、次に大本教の出口王仁、それから強制収容所の極限状態の扱い、最後にカトリックの聖者進行を批判したルイス・ブニュエルが取り上げられています。全13回の講義録の中で、わたしが多少理解できたのは、第10回のアウシュヴイツツと事後性に始まる3回分ぐらいでした。なぜなら、そこで取り上げられた「シンドラーのリスト」「サウルの息子」は観た作品であり、当時ショックを受けたほどの作品であったので、ゾンダーコマンドなどのことも気になって調べて覚えていたからでした。それ以外は知識不足で、検索しながら読んでいく状態でした。とにかく、圧倒的な知識と教養の詰まった本です。

#聖者のレッスン #四方田犬彦 #河出書房新社 #サウルの息子 #シンドラーのリスト #読書感想文 #推薦図書

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