なぜ離れられない?→「学習性無力感」かも。
友達からの相談
DVとまでは行かなくても、
「(パートナーの)束縛が強過ぎてしんどい」
と友達から相談されたことがある方もいるのではないでしょうか。
相談者(本人)が女性の場合、解決策ではなく、
「ただ聞いてほしい」
「共感して欲しい」
と相談する場合も多くあります。
しかし相談を受けている側(友達)からすると、本当に危険な状況だと察知した場合は
「それ絶対おかしいって。
一旦、距離を取った方がいいよ」
と一歩踏み込んでアドバイスします。
本人は悩んでいるから相談しており、そこに問題が介在していることは認知しています。
その悩みが軽度なのか重度なのか、感じ方は人それぞれですが、第三者である友達が危険まで感じたのであれば、大抵の場合は暴力が存在しています。
ただ本人は、そこから抜け出すための相談ではなく、友達に話すことで日頃のうっぷんを発散させたいのが主目的であったりします。
その後も離れるそぶりのない様子に相談された友達はもどかしい気持ちが残りますが、本人の選択に外野が関与できる余地は限られています。
昔、まさにそのような状態の友達がいました。
話を聞きながら、相手の男も信じられないと思いましたが、それでも尚一緒に暮らしている彼女も信じられないと思いながら話を聞いていました。
吸っているタバコを投げつけられたり、真夜中に家を追い出されて朝まで入れてもらえなかったり。
家族も心配していたそうですが、どんな言葉掛けもその頃の彼女には届きませんでした。
数年後、彼から離れた彼女が言っていた言葉が印象的でした。
「まるで宗教の洗脳されていたみたいだった」
自分がひどい仕打ちを受けていることはわかっているけど、彼から離れる選択はなかったんだそう。
彼が黒といえば白でも黒と言い、あらゆることに「言いなりになっている」という表現がぴったりの状態でした。
「今思うとあの時の自分が不思議なんだけど、盲目っていうのかな、多分宗教の信者ってそんな感じなのかもね。目が覚めてよかったよ」
「学習性無力感」
関係性に暴力があるにも関わらずロスさんが逃げ出さないのは、「学習性無力感」も大きく関係しています。
この言葉は聞かれたことがあるでしょうか。
アメリカの心理学者、セリグマン教授によって発表されたものですが、実験内容はもしかしたら耳にされたことがあるかもしれません。
2匹の犬をそれぞれ電流が流れる部屋に入れました。
①の部屋:スイッチあり→押せば電流が止まる
②の部屋:スイッチなし→電流を止めることはできない
この体験をさせた後、しきりをへだてて電流の流れない部屋に移したところ、①の犬はすぐに安全な方へしきりを飛び越えましたが、②の犬は動くことはありませんでした。
つまり、
「自分が何をしても状況が変わらない」
と学習した②の犬は、行動を起こすことをしなくなるのです。
ロスさんにも学習性無力感が起こっている
これは人にも当てはまります。
「一人じゃ何もできない」
「そんなことをするな」
「求めていない」
否定の言葉を常に浴びせられると、自分は何もできないダメな人間なんだと思い、自分で考え行動することをしなくなっていきます。
この流れからもうお察しかと思いますが、暴力のある関係性においても、ロスさんは学習性無力感に陥っている可能性が高いです。
毎日少しずつ否定の言葉を浴びせ続けられることで、
「自分は何もできない」
「どうせこのくらいの人間なのだから」
と学習していきます。
長期に渡って学習性無力感を覚えると、脱出できる状況があっても何もしなくなっていきます。
言葉を知ると、心が片付く
私が「モラハラ」の言葉を知るまで自分がモラハラを受けていることを認知できなかったように、言葉を知ることで自分の状況に気づけることってたくさんあると思います。
バラバラに散らばっていた数々のエピソードは、モラハラという箱にしまえたことでスッキリしました。
「もしかして私今、学習性無力感が起こっているのかも、、?!」
と思われたなら、おそらくその可能性は高いと思います。
だからと言って人間すぐに変われるわけではありませんが、学習性無力感という箱に行き場のなかったモヤモヤを片付けられたら、心の中が少しスッキリするのではないかと思います。
小さなことでも、毎日自分を褒めてあげましょう
対策として有効なのは、毎日自分を褒めてあげること!
誰かと比べないこと。
「上手に眉毛が描けた♪」
「今日は一駅分歩いた!」
「卵を片手で割れた!」
(失敗したら、片手割りに挑戦した!にしましょう笑)
とにかくなんでも、出来たこと、試したことを褒めてみましょう。
「何もできないと思ってたけど、できてることも結構あるじゃん」
と気づくと思います。
「1日1個自分を褒める」
新しい日課に、ぜひ取り入れてもらえると嬉しいです ^^
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