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2枚の保護者カード 〜息子のツッコミに焦る母〜

気になることは拡大で見ちゃう

例えばニキビができちゃったとか、右目だけ腫れぼったいとかいう朝は、自分のコンディション最悪、、、って思います。

人と話していても、
「もー絶対今、『あ、ニキビできてる』って思ってる。
今見たよね?なんか言ってよー」
とか、勝手に相手の思考を自分の気にしているところに持っていってしまう

逆になるとわかりますが、他の人の気にしてることって言われても、
「あぁ、まぁ言われてみればそうだね。」
くらいにしか思わないんじゃないでしょうか。

製菓の企業に勤めていた方が、チョコレートの開発を手がけているときに、
「頭の中は寝ても覚めてもチョコレートのことでいっぱいだった。
世の中の人もみんな、チョコレートのこと考えてるだろうって思ってしまうくらい」
って言っていました。

自分が気になっていること=他の人も気になっているだろう
って思ってしまうことって確かにありますよね。

ザルの目のサイズが例えば100だったら、100にひっかかるものしか気にならないけど、10の目を持っている人は10倍拾ってしまうわけです。

チョコレートの単語にはひっかかる100の人がいる一方、10の人はカカオマスのパーセンテージとか産地まで気になっちゃうような。


前置きが長くなりましたが、
「夫と別居している」
という事実。

今では非常にライトな感じというか、ザルの目でいえば70くらいだと思いますが、家を出てまもなくの頃は200くらい敏感になってたと思います。

で、これから書くのはそんな敏感時代の私の心をちょっとほぐしてくれた息子のエピソードです。

本当に、「なにそれだけ?」ってくらい些細なことなので、拍子抜けされたらすみません^^;

では!

エピソード

息子の通う小学校には登校班があります。
毎朝班ごとに点呼を取り、6年生のリーダーが先頭にたって学校まで列を作って登校します。

学校内に保護者が入るときには必ず保護者カードが必要なのですが、その中に防犯カードというのも裏面に入れておく必要があります。

その防犯カードを受け取っていなかったので、担当の登校班リーダーのお母様にお願いしたものを受け取ったある朝こと。

「わざわざすみません。」
「いえいえ、これから宜しくお願いします。」
なんて話しながら、カードについての説明を受けていたところ。

「2枚あるので、旦那さんの家族カードにも入れておいてください
そう言われたときに、横で聞いていた息子が

「旦那さん?
 え、いないよ!?」

と、ニヤニヤしながら言ってきました!

一緒に暮らしている時は離れたいとしか考えてなかったのに、いざパートナーがいないという立場になると、それはそれで慣れなくて少し落ち着かない気持ちにもなっていました。

他の保護者と話すときに、その人が同居してるか別居してるか単身赴任かなんていちいち確認しないのに、自分の別居に対する意識が大きすぎて、勝手に
「みんな聞いてくるだろうな」
と、聞かれた時のシュミレーションを何度も頭の中で繰り返しては、その意識は更に強固なものになっていたのでした。

それで、そんなことを思っていたけれど、登校班の説明を受けていた時は話に集中していたいわば「スキ」のあるタイミングだったので、息子の発言は本当に不意をつかれました

ニヤニヤ突っ込む息子の様子がおかしくて、思わず笑ってしまった私だったのですが、説明していたお母さんはすごーく慌てた様子。

「え!そうなんですか。知らずにそれは、、、」
と恐縮してしどろもどろになっていました。

私も思わずしどろもどろになって
「いや、まぁいないっていうか、一緒に住んでないっていうか、、」

息子が横にいることもあってなんと言ったものかと、非常に歯切れの悪い返しをしたのでした。

小さな吹っ切れ

本当に小さなエピソードですが、息子が私を恨んで憎しみを持っている、ということはなさそうだと感じられたことになにより安心しました。

家を出た日はかなり辛い思いをさせてしまいましたが、幸い学校生活も楽しいようでお友達にも恵まれました。

「お子さんはね、大丈夫ですよ。
これから起こるたくさんの楽しいことで時間が満たされていきますから」

そう言葉をかけてくれた職員さんの言葉を思い出して、またその言葉を噛み締めていました。

子どもって、大人が思っているよりずっとものごとをわかっている。
敏感に感じている。

自分が子どもだった頃、
「大人たちは何もわかってないと思ってるんだろうなー。
子供って、実は結構色々わかっているってこと、覚えておくようにしよう」

子供心にこう思ったことは強く覚えていて、子育てをしている今も、自分への戒めとしてたまに思い出しています。

起きたことへの解釈や自分なりの受け止め方は年齢によって変わっていくと思いますが、大雑把に息子は
「本意ではない。
 でも、仕方のないことなのだ。」
こう捉えてくれたのかな、と思いました。

別居という私の中のザルの目はすぐに大きくなっていったわけではありませんが、徐々に大きくなれた最初のエピソードです。

人生どうやったってマイナスなことはありますが、そこに注視しすぎて見なくてもいいところまで見てしんどくなることもありますよね。
特に不安や恥の気持ちは。

あなたの小さなザルの目は、どんなことでしょう。
もう少し離れて見つめてもいいのなら、問題との距離感を調整できるといいですね^^

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