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シリア人独占インタビュー

先日、機会があってシリア在住のシリア人(27歳)を隣国ヨルダンで独占取材してきた。

今のシリア国内の状況はどうですか?

「よくないね。」

やはり、場所によっては報道にある通り、凄惨な紛争は続いており、非常に危険な状況だそうだ。しかし、彼は言う。

「ダマスカスは安全だよ。テロリストもいないし。」

彼曰く、ダマスカスはしっかりとシリア政府軍が守っており、基本的にテロリストは入ることができないとのこと。時折、迫撃砲が撃ち込まれることを除けば穏やかなものだそうだ。

「迫撃砲が撃ち込まれると聞いただけで、日本人としては非常に危険だと感じますが、、」

彼は笑いながら「迫撃砲は命中率が非常に低く、悔し紛れに撃ってきてるだけだから、当たることなんてほとんどないよ。宝くじの一等が当たるのと同じくらいの確率さ」と教えてくれた。

そもそも迫撃砲と聞いても、普通の日本人には馴染みがないのではなかろうか。

テレビや映画で見るようなミサイルやロケットランチャーなどの直線的な弾道とは違い、迫撃砲は花火のように高く打ち上げて、後は重力に任せて落下してくる仕組みの武器であるため、彼の言う通り、命中率は低い※ここでは簡易な説明に止める

「時折、ドーンという音は聞こえてくるけどね。あ、これは遠いな。お、今のは結構近いね、なんて話してるよ」

我々日本人が、雷の光を見てから音がするまでの時間で距離を探るような感覚だろうか。なんとまぁ、慣れとは恐ろしいものである。

アサド大統領はどうですか?退陣する?国民は彼のことをどう思っている?

テレビやニュースでは、"独裁アサド政権に、民衆が反旗を翻したことを皮切りに、イスラム国などテロリストも交えて、大混乱状況に陥っている"というような報道がなされているが

本当のところを確かめるべく、ストレートに投げかけてみた。

「シリア国民の多くはアサド大統領を支持しているし、アサド政権は今でも強力だから退陣することはないね。今回の混乱も、市民革命だなんて言われてるみたいだけど、そんなのはイスラエルとアメリカがでっち上げてそう騒いでるだけだよ。シリア国民は皆わかってる。」

彼は続ける

「ロシアやイランと親しく、思い通りにならないシリアを目の敵にしてるだけだよ。アメリカはヌスラ戦線を反アサド政権という理由だけで、反体制軍のように祭り上げて支持しているよね。じゃあその高い志を持った反体制軍が、わざと一般市民、とりわけ女子供を狙って自爆車両を突っ込ませると思うかい??彼らはただのテロリストさ。それ以上でもそれ以下でもない」

シリアの紛争はいつ終わる?

「ロシアとアメリカが本当に停戦に同意して一切の軍を引けば、2週間でテロリストは鎮圧出来るだろうね。」

さすがにそれは言い過ぎでは?

「いや、大袈裟ではなく確信してるよ。だって、今紛争を長引かせているのは、国内のテロリストじゃなく、私利私欲てシリアに派兵したり、テロリストを支援してる近隣諸国だからね。」

シリア国内では色んな種類のテロリストが暴れているが、それは問題ではない。それらを裏で支援しているサウジアラビアを筆頭とする湾岸諸国やトルコ、イラク、ロシア、イラン、アメリカやイスラエルが絶え間なく武器や派兵、空爆などで介入していることが問題だと指摘する。

「現にシリア政府はシリア国民に対して宣言を出したんだ。シリア人に関しては、今反体制として活動しているとしても、武器を棄て投降すれば容赦すると。もちろん外国人テロリストには容赦しない。勝手に人の国に来て、好き放題暴れてるんだからね。奴らの母国も当然、奴らが戻ってくることを望んでいないし、万が一戻ることがあれば、テロリストとして即拘束され、処刑されるのは明らか。奴らの残された道は死だけ。」

当然の末路と言えば当然だが、窮鼠猫を噛むような事態にならないことを祈りたい


最後に

シリアの紛争の原因に、イスラム教徒の宗派対立がよく取り上げられているが、今回取材に応じてくれた彼がクリスチャンである点に注目したい。

彼は言う「宗教なんて関係ないよ。今の混乱も色んな国の利権争いさ。世界でどのように報道されてるかは知らないけどね」

わざと誤解を生むように情報を操作し、暴力を正当化する世の中において、常に多角的な視点で物事を判断することが私たちには求められている。

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