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マーケティングの新しい基本 顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント

カスタマーバリューの3階層

カスタマー・バリュー・ピラミッド
画像引用元:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00328/00008/
  1. つながっている価値 → リテンション
    企業と顧客がデジタルで直接つながり、常に最適な提案が届けられるようになる状態。(模倣できないもの)

  2. 体験価値 → 顧客推奨
    商品サービスの届け方を含むブランド総体として、顧客が実感できる価値。

  3. 機能価値 → 顧客満足
    企業が提供している商品やサービスが持つ機能が実現する顧客価値。

エンゲージメント×4P

エンゲージメント4P
画像引用元:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00328/00008/

〇循環型マーケティング思考

デジタルを活用した独自の顧客接点(Place)によって顧客とのつながり(Engagement)を築き、それに基づいてパーソナライズした最適な商品サービス(Product)・課金方法(Price)・促進施策(Promotion)を提案し続ける(CRM)。

顧客とのつながりこそがビジネスモデルの基点となり、それを創り出す顧客接点こそが競争力になる。

OMO=オンラインとオフラインの融合

チャネルシフト・マトリックス

顧客からすれば、顧客接点がオンラインだろうがオフラインだろうが、そのこと自体に価値はない。どの顧客接点であっても自分のことが正しく認証され理解され、それに沿った価値あるサービスや提案を受けれるからこそ、顧客はOMO化したチャネルを活用する。

デジタル経営システムのチェックポイント

  1. デジタル社会における自社の「事業目的」とは何か
    顧客基点に立ち、どのような社会課題の解決や社会価値の実現を見据えているのかを設定する。

  2. デジタル社会における自社の「事業目標」とは何か
    達成したい自社のポジションといった定性的な設定と、売上や利益といった定量的な設定の両面でゴールを明確化する。

  3. その事業目標を達成するためにどのような「顧客戦略」が必要か
    誰が顧客かを定義し、どの程度の顧客基盤を、いつまでに構築するかを設定する。

  4. その顧客が自社とつながり続けたいと思う「顧客価値」は何か
    事業目的が示す社会的価値と整合する顧客から見て「つながり続けたい」と思ってもらえる理由。

  5. その顧客価値を実現するためにどのような「顧客接点」が必要か
    どのような体験が実現するのかが、1~4と結実している。

  6. その顧客接点を通して、どのような「顧客提案」の仕組みが必要か
    顧客との関係性を活性化するためのパーソナライズされたCRM活動全体。

  7. その顧客提案を行うためにどのような「顧客理解」の仕組みが必要か
    CDPやMA、BIなど。

  8. これらの「事業成果」を、どのような指標で測るか
    LTVなどKPI。

  9. これらを実現し運用するためにはどのような「事業組織」が必要か

大友的編集後記

BtoCのビジネス(特に小売業)において参考になる思考法を紹介している著書。過去の奥谷さんのセミナーでも拝見したフレームワークや考え方がまとめられており、より体系化して理解することが著書を通じて行うことができた。

まず、カスタマーバリューの3階層において体験価値とつながっている価値が世の中的には混在しているように感じる。CXが広い意味を持ちすぎているからな気もするが、選ばれる理由(What)を明確にすることは重要なので、ここは支援側・事業側でも意識して考えていきたい。

ロイヤルカスタマーを増やすためにリテンションさせる施策を打ちがちだが、まずはこの層の分析を行い、そこから見えた価値からプロモーションを考えることは是非、取り組んでみたい。

読んでいてやはり課題だと思うのが、図にすれば理解できる4P構造が、組織的にはばらばらに位置されていて、プロモーションはプロモーションだけで、CRMも別、データの利活用も別で、なんとなく報告会で共有されているレベルはあるだろうが、全体像として見れるフローは意外とない。(管理職の人はざっくりはわかるかもしれない)
そうなると目先の手法に走ってしまうので、顧客価値からにじみ出るものと、少し目的に立ち返ることで不要なプロモーションも減るように感じた。

参考までにいかにブランドと商品者の関係性を示した図を転載する。

日本でもブランドと消費者との関係性を高めるためには、お金ではなく会話が必要で、ブランドがピアメディアやオウンドメディアにおける消費者とのコミュニケーションをより一層活性化することができれば、ブランドの成長機会はより一層大きくなることが伺えます。

引用元:https://www.atpress.ne.jp/news/114684

離れられない関係の部分を見ると、「同じ目線で~」「いつも一緒」のように愛着のキーワードが見受けられる。
ブランドが勝手にその関係を築いてくれるわけではなく、コミュニケーションで成長されるものなので、機能・体験価値は前提としてその先のUSP的なつながっている理由(What)を明確にした上での施策が重要だと感じる。

そこまで考えるとWhatからHowを考える順番はマーケティングにおいて基礎となるので本書タイトルの「基本」というキーワードも腹落ちできる。

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