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振り返る時間すら流れ過ぎゆくNY。

一週間。

あったかいシャワーを浴びることが出来なかった、あの旅立ちの日。

身体が凝り固まったフライト。

目的地を間違えて訪れたクラブ。

その後、何度も登場する文脈を作った会話劇。

オフィスの鍵が開かない(間違った場所を教えられていた)おかげで、やけに集中した仕事。

絡まれて悩んだ道なりと、深夜に仮眠したダンボール。

やっと寝れたのに、起きたらすぐに始まる打ち合わせ。

そのまま寝ずに、やっとたどり着いたニューヨークの中心。

いろいろな事があった。

いよいよ折り返し────────

のはずだった。


この書き出しから見るに、僕は7日目にこの日記を書こうとしていた。日常が充実すればするほど、日記を書くタイミングを見失ってしまう。

それでも僕は、毎日書こうという意思を見せていた。
書けなかったとしても振り返っていた──。


7日目。

朝は仕事をしてから、コインランドリーやカフェに。

少し散歩をしようと近くのBushwick Collectiveへ。

https://www.instagram.com/thebushwickcollective/

通りにビアガーデンがあったり
ハーゲンダッツの広告があるのもなんかよかった

全然写真が残ってなかったけれど、グラフィティやペイントアートがあらゆるところに。

力強い街だ。


道中、古着屋で買い物も。
各々がアメリカに馴染んでいると思い込んだ服を購入。

その後ウィリアムズバーグのドミノパークに行ってみた。
イースト川に面していて、向こう岸はマンハッタン。

いい。

その後近くのアメリカンなレストランへ。

店員とのインタラクティブのコミュニケーション。隣の人との会話。めっっちゃうまいチキン。

Shot by 隣の人 | 古着屋でアメフトシャツを買いました。17番

ついにみんな笑顔の写真。

大満足の7日目。



8日目。

早朝から昼にかけてがっつり仕事を片付けてから、NYチームとランチ。

Mei & Kenta | 楽しそうだが重い話をしている

そしてこの日の夜は。
会社が毎月行うソーシャライズパーティーのニューヨーク篇。

Goodな出会いと空気。

立食パーティースタイル

Toshika & Mei 引き続き、頑張れ!

僕はカメラマン | そう言えばNYのInsta投稿の写真に綺麗に写ってないけど参加してました


9日目。

ついに訪れた休み。
NO WORK DAY!!!!

この日は朝から宿のお引越し。
洗い物してお掃除してゴミ捨て。

そわそわしながら向かう新しい宿。
同じBushwickエリアの南東に移動。

都心からはさらに離れる。

そして訪れたお部屋。

きた瞬間に写真撮るの忘れててドア側の写真のみ。今は汚い。

とってもいい感じ。
狭い部屋に三人ぶち込まれてた前の部屋よりも快適空間。

ただし、快適すぎて後ほど悪夢の現場になる。


そして。

なんと。

この日は。


ブロードウェイミュージカル!!

初めはやっぱり大人気劇を拝みたい

WICKED、見てきました。

超満員。休日の一大イベントなんだろうか。

ちょっと連日の疲れが乗っかりすぎて、途中どうしても睡魔に勝てず。

話の流れがわからなくなったりはしたけれど、ざっくり何がすごかったかというと音楽と歌。

オーケストラ生演奏にのせて、声量と演技を乗せた声色。

圧巻。

さらにそれをコントロールする指揮者。

歌詞とか全然理解できなかったし、ウケ狙いジョークがほぼほぼ分からなかったのは悔しかったし悲しかった。でも楽しめる。

かなり現代に合わせてしっかり台本もアドリブ的にアップデートはされていたみたいで、

「ちょっと待ってて」みたいなセリフが

「ちょっとTikTok撮ってくる」

ってなっていたり。

※ここはしっかりウケポイント理解できた

きっと他にも随所にそういう箇所があったんだろうなと。聞き取れているようで、頭に全然入ってこない英語…

そんなこんなで劇は終わり、カーテンコールとスタンディングオベーション。

なんか少し、視界がぼやける…
乾いた僕の瞳にも潤いが。

内容5割も入ってきてないかもなのに、それでも感動するほどの熱。

日本に戻ってからも劇場とかもう少し行こうと思えたいい劇でした。

キャストが本当に素敵。ファンになる気持ちがわかる。


ちなみに一回2:45hの講演で2万ぐらい…。

WICKEDが特別高いのか、
NYの物価やばすぎるのか、
日本円が安すぎるのか。

全部だ。


建物が厳格でいい感じ

その後Photografiskaという写真を中心にしたコンテンポラリーアートの美術館へ。

なんだかんだ初めての美術館。


めちゃくちゃよかった。


5階だったか、戦争や凄惨な事件の写真だけを展示した胸を抉ってくる写真展をやっていた。

その中の一つをみて、堂福。
「Windowsの壁紙の前にめちゃめちゃでかい人がいる」

該当写真

たしかに。

Windowsの壁紙みたいな草原。

常人の発見力じゃない・・・・


そんな、はちゃめちゃな会話をしながらも、目を塞ぎたくなるような写真に焼かれるように、脳内の奥の方に痕が残る。


左半身のない父親が、川へ子供3人を洗いにきている写真。

枯葉剤の影響で脳が死んでしまったかのように動けなくなる大きな息子と、頭を抱える父親。

桶の中で身体を洗ってもらうガリガリな男の子。よく考えると桶からでてる上半身の高さがおかしい=下半身がない…?

などなど、ホロコーストやベトナム戦争、公害問題などの他に、911やイラク戦争など記憶に新しいカテゴリもあった。


写真が、絵に見えてくる。

そういった画角や手法を意識してるものもあったが、現実のものと捉えることが難しかった。



他の階ではTONY GUMというアーティストの展示に。

全部まとめて見なければなかなか理解が難しい上に理解できていたのかも怪しいけれど、何か突きつけられるものがあった。

(95年生まれで1個下じゃんと思って、ショックを受ける。自分も頑張ろう。)


このあと、疲れすぎて一瞬で寝てしまう。
久しぶりにしっかり睡眠。



10日目。

あれ、日記更新出来ずに、もう10日…

充実してるし、まずは楽しむことに時間を使おう。

この日はKarynとも合流してWhitney美術館へ。

このビエンナーレ、“QUIET AS IT'S KEPT”が非常によかった。
1-2時間ぐらいずっと同じフロアにいた。

Denyse Thomasos "Jail", 1993

圧巻。

叫びと力。

この一つだけではないが、特にインパクトが強かった。

"I used lines in deep space to re-create these claustrophobic conditions, leaving no room to breathe. To capture the feeling of confinement, I created three large-scale black-and-white paintings of the structures that were used to contain slaves - and left catastrophic effects on the black psyche:"

"私は、息つく暇もないほど閉塞的な状況を再現するために、深い空間に線を引きました。閉塞感を捉えるために、私は奴隷を収容するために使用され、黒人の精神に破滅的な影響を残した建造物の大規模なモノクロの絵画を3点制作しました" (Deepl翻訳)

これはそのうちの一点。
それがこの時代で展示されていることの意味を強く感じた。


ビエンナーレ紹介動画。




────そして、時は流れ。


途中まで書いていた振り返りは、書き切ることもできず。

ただ、ずっとひたすらに、ソファの上でPCと向き合っていた。

簡易デスク | 3日3晩と言わず永遠にここで仕事をしていた。PCの画面は壊れている。


そして、気がつけばもう


14日目だった。



色々と、おしまい。




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