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ひつじたちの旅-④ 人は見かけに

さて、ここまで我々、ひつじ年夫婦の
旅サダ的なものを意味もなく
長々とご紹介してまいりました。

他の方と比べると旅レポにもならない
非常に稚拙な文章で、溜息も出ないほど
注目度が低い記事でございます。にもかかわらず
今日まで堂々と掲載をしてこれたのは何故か?
それは一部の心清らかな支援者による励ましと
慰めの声にほかならない。


ありがとう。心を込めて、

この最終章は決してあなたの
生活をおびやかすようなものではございません
安心してお読みください。

夕飯の相談が始まる

この旅のクライマックスと言えるのが
夕飯に起こった出来事である。

昼食とは違い、夕食選びは時間的余裕がある。
ホテルでぼんやりしながら二人で
作戦を練る。たまに寝る。
ごろごろ...。
シャワーを浴びてサッパリするか
帰ってきてからシャワーを浴びるか

「食べるものによって変わるよね」

彼女はそんなことを言いながら
スマホにメンチを切り続けている。
検索しなければ何も始まらない世界線。
眉間のシワが深く刻まれる前に
決着をつけたい。


”夕飯時シャワー相対性理論”
よく分からない理論だが、おそらくは
”焼肉なら、食べた後でシャワー”
そういうことなのかもしれない。


「でもそれって2回浴びれば解決する話ですよね」
って人生経験の足りない若人は
すぐに論破したがるだろうが、それは、
絶対に、口にしてはいけないのだ。

もしも君が長生きしたいのであれば。


話は進まないが車は進む

彼女のリクエストは掴みどころのない
ミッションの様なものだった。
そのまま掲載することも考えたが
まるで古代文字で書かれた伝承を
ギャル文字として書き写すような
ものなので(?)原文は控えよう。

「そんなにいらないの、ワインとチーズで」

どの口がそんなこと言ったのか
普段飲まないくせにw

おそらくは旅特有の「せっかくだから」が
発症したせいであろう。まるで子どもが
背伸びをしているようで微笑ましく、
受け手側の私も
「せっかくだしね」という
謎の奇病が発症したところで
車は暗い夜道を進んでいった。


バール的な

イタリアン居酒屋みたいな
普段私たちが選びそうにない所。
あまり良さそうでもないけど
まぁこれもいいネタになるかと
車を降りた。

カウンターしか空いていなかったので
そこに2人座る。店内はテーブル席3つ
そのうち2つは予約席。1つには20代くらいの
若そうな母親が低学年くらいの娘と
二人で食事というか、
宿題を見ているようだった。

カウンター席はカップルが2組。
入口側から
若カップル、年カップル、わたしたち。
6人編成でそれぞれがワイワイと..…

そうでもなかった。

先客だった入り口側の若カップルはおとなしく
真ん中の年カップルの態度は非常に悪かった。
大声で自慢にもならんような話を
全員に聞かせるように話し、まるで他の誰かから
話しかけてくれるのを待つかのような雑なフリ。

若作りが痛々しい、決して夫婦ではないカップル。
一番気分が悪いのは周りに少し迷惑が掛かっている
のにも拘らず放置する店側の態度にもあった。
しかし、これくらいのハプニングがないと
NOエピソードでフィニッシュする旅になるので
渡りに船という考え方に切り替えた。

これが悲劇を生む

つづく

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