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2018年の装画お仕事と、2019年に向けて

年の瀬ですね!
noteを始めたのが5月末なので、だいたい半年。
せっかくなのでここで2018年のお仕事をまとめてみようと思います。

今年、装画を手がけさせていただいた書籍・雑誌はこちら。
incu・beは43号が手元にないのですが、それも入れると8冊!
毎年ちょっとずつですがご依頼の数が増えてきてありがたいかぎりです。

ミステリーやファンタジーやホラーのお仕事がしたいよ〜〜!!
読書離れと言われている今だからこそ若い人向けの本のお仕事がしたいよ〜〜〜!!!

と主張していたらだいたい叶いました。わぁい


『あの世とこの世を季節は巡る』/著:沢村 鐵 氏

デザインは Malpu Design の清水良洋さん
じんわりあたたかい、ライトホラー連作短編集。
こちらは装画だけでなく挿画も4点制作させていただきました!

この世ならぬ存在と話ができる青年・日下慎治
彼は怪異に悩む人々のところへふらりと現れる。
人気のないプール。いつもと違う電車。使われていない教室。地下駐車場。
街の片隅にある「境界」に棲むあやかしたちに寄り添い、話を聞き、そしていつのまにか去っていく放浪の青年が秘めた過去とは。



『二人の推理は夢見がち』/著:青柳碧人 氏

デザインは welle design 坂野公一さん
電子ミステリー誌『ジャーロ』にて2017年3月〜12月にかけて挿画を担当していた連載小説の単行本化です。
「大人でも手に取りやすい叙情性を織り込んで」とのオーダーだったので、人物のプロポーションなども繊細で色っぽい雰囲気を意識しました。

3年付き合った彼氏に突然ふられた「私」こと篠垣早紀
やけ酒をしながら夜の居酒屋をはしごしていた彼女は、気まぐれに入ったバー《オン・ザ・キャメル》にて不思議な能力を持つ男・星川司に出会う。
彼は「モノ」に触れながら眠ると、夢の中でその「モノ」の経験した風景を見ることができるという。
やがて二人は、早紀の故郷にて連続して起きた不審死を探ることになる…

現在シーズン2も連載中。こちらも挿絵を担当させていただいております!
2018年12月発売のジャーロ No. 66』で3話めです。


『補欠廃止論』/著:セルジオ越後 氏

デザインは  bookwall の築地 亜希乃さん
こちらは2016/6/8 ポプラ新書 刊 『補欠廃止論』の、
中学・高校を対象とした図書館向けセット「未来へのトビラ ポプラ選書」のためのカバーイラストです。
もともと一般向けの新書として刊行されたものを中高生向けにリデザイン。趣味や部活など10代の読者へおすすめの本を厳選し、ルビを加え、新装版にして図書館用に刊行。

帯がないのでカバーに直接アオリ文が。
これはデザイナーさんのほうからおおまかなラフをいただき、それに沿って制作しました。
とにかくインパクトのある画面にしたい、明るい色とシャープな線で、目力の強い顔立ちに!ということで…
こんなに陽性の「顔!」を求められるお仕事をいただけるとは意外でした。
他のお仕事に比べるといろんな意味で異質な一冊。

サッカーの辛口解説者として知られる著者が長きにわたり訴えているのが、
部活動における「補欠制度の廃止」である。
世界のスポーツ社会には「補欠」という言葉は存在しないとまで言い切り、
日本の団体スポーツが世界で活躍できないのは、「補欠制度」が原因と訴える。学校教育とスポーツを変える新提言。



『猫町くんと猫と黒猫』/著:樒屋京介 氏

デザインは  bookwall の松 昭教さん
尾道と猫への愛に満ちあふれたファンタジックな青春小説です。
2019年の抱負のひとつは、この本を持って尾道観光をすること。

猫町夫妻に助けられた捨て猫の僕は、人間に化けられるという特技と、猫ゆえの成長の早さで、二歳半ながら高校に通っている。そして密かに同級生に恋心を抱いていた。
猫町君の切ない恋の行方と短すぎる青春模様を活写し、第17回小学館文庫小説賞優秀賞を受賞。尾道出身作家のデビュー作は、
「読んだ人が、もっとペットを好きになる」
尾道と猫への愛に満ちあふれたファンタジックな青春小説の傑作です。

これは楽しかったけどとっても難産でした。紆余曲折メイキング↓



理系雑誌『incu・be』

デザインは KIYO DESIGN の清原一隆さん。
理系大学生・大学院生向け季刊誌の表紙イラストです。
2018年秋号から1年、4回継続して描かせていただく予定。
12月冬号が刊行されました。
ゴリッゴリの文系人間である私にこんなご依頼がくるとは…と驚きつつ。

一般書店に流通はしていませんが
公式サイト↓からpdfがダウンロードできます。https://lne.st/business/publishing/incube/



『数学と恋に落ちて』/著:ダニカ・マッケラー 氏

『未知数に親しむ篇』『方程式を極める篇』
2冊同時刊行でした。数学とジェンダーにまつわる本。
ゴリッゴリの文系人間である私にこんなご依頼が…リターンズ。

『補欠廃止論』と『in・cube』を足して2で割ったようなかんじですね。
『補欠廃止論』は、楽しかったんですが他のと差がありすぎるかな?と自分で思うところもありました。
それぞれの本に合ってさえいれば「自分の絵柄」というものに拘泥する必要はないと思うのですが、発注側からしたら「どんな絵が上がってくるか予測がつかない」という不安にも繋がりそうだなと。
幅があるのと見境がないのは違うでしょうし。
その点、この本ではいいかんじのところに落とし込めたのではないかと自画自賛しています。まだまだ勉強ですが!
今後も若者向けの本でかわいい子を描いていきたいです。

「数学なんてマジでムリ」 そんな子ほど読んで下さい。
将来、どんな道に進むにせよ、数学はあなたに力と自由を与えます。
数学を研究し、女優としても活躍したダニカ先生が、あなたの夢をサポートする数学入門書の第二弾。



最後に、

紙の本の装画でなく、電子雑誌に連載中の小説の扉イラスト…なので分類がちょっとむずかしいのですが気に入っている一作をご紹介。


『この本を盗む者は』/著:深緑野分 氏

デジタル小説誌『文芸カドカワ』にて連載中。
「現実と非現実が入り混じる不思議な雰囲気」かつ「仄暗さや妖しさを」とのオーダーでした。
自分で言っちゃいますが、私の持ち味を存分に生かせて本当に楽しかったです。
単行本化するならぜひ装画を描かせていただきたい…!!
そしてその時はシャーペンでやわらかく描き込みたい。

毎月いただく見本をここ最近は忙しくて読めていなかったのですが、年始にまとめ読みしてみようかと思います。
もうmacにDVDスロットがついていないので…見本の入ったディスクを読み込むには外付けのプレーヤーを引っ張りださねばならず…お仕事に追われてるとついつい…すいません。
でも本当に、世界観も文章もとっても好みなのです!



装画だけでなくモノクロの挿絵や小さなカットイラストなどを加えればまだあるのですが、今年の主なお仕事をまとめるとだいたいこんなかんじです。

さらに、まだ発表はできないけれど
小・中学生向けの教材用のイラストを2件手がけさせていただきました。
(1件は年をまたいでまだまだ続く!)
若い子向けの仕事が増えてきて嬉しいです!

長年しつこく「本の表紙のお仕事がしたい〜」と言い続け、それが叶うようになってきて本当に嬉しいです。
お仕事獲得のためここ数年は意識的に明るい雰囲気のものを描くようにしてきましたが、やっぱり根っこのところでは仄暗いものが好きなので…
全くやらないわけではないけれど、広告などには不向きと言われてしまうのですよね。
装画は自分の作風を生かしつついろんな世界が描けるので、向いていると思います。
あと納品した翌月にはだいたい公開できる(広告では自分が描いたと公言できないものも多い)、自分の絵が物理的に全国に届く、場合によっては海外にも届く、新刊コーナーから消えてもwebには書影が掲載され続ける…
など、単価が低くてもメリットはたくさんあるなーと感じます。

でも来年はここ2年くらいに比べれば自由に動けそうなので、書籍関連以外にも営業したいな〜と思っています。
書籍もやりたい。やりつつ。よくばりほしがりなので。


〜2019年の抱負〜

★もっともっと書籍装画のお仕事をこなす!
(まだまだミステリー、ファンタジー、ホラーやSFなどをやってみたい)

★お菓子のパッケージイラストをやりたい! 
(特にヴァレンタインやハロウィンのちょっと豪華で自由で楽しいやつ。ミニ絵本付きとかだとなお楽しい)

★アニメやゲームのコンセプトアートのお仕事をやってみたい!
(どこに持ち込みすればいいかもわからないので詳しい人は教えてください!!!)


今後ともよろしくお願い申し上げます。
よいお年を!

サポートしていただいた売り上げはイラストレーターとしての活動資金や、ちょっとおいしいごはんを食べたり映画を見たり、何かしら創作活動の糧とさせていただきます。いつも本当にありがとうございます!!