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地震被害に思う。 僕自身も物件が地震被害を経験したから分かること。

能登半島、石川県、富山県において、1月1日に発生した地震による被害に遭われた皆様へ、こころよりお見舞い申し上げます。 
本日は、僕自身が過去2016年4月16日熊本地震本震に対して経験をした経緯から、
地震に対して思う事柄を少し書いてみようと思います。

書こうと思ったのは、丁度本日「健美家」のコラムに、ガングロ姉さんが
地震被害に関しての記事を2回に分けて掲載されたことでした。

先ずは、ガングロ姉さんの記事をご覧ください。

入居者のいる社屋ビル1階が倒壊。熊本地震の被災者として経験したこと【地震編/前編】

地震後の入居者対応。オーナーとしてできる事、できない事【地震編/後編】

この記事を読んでいる最中、僕自身が経験した物件被害から、当時の心境を思い出します。当時サラリーマンだった僕は、福岡ではありますが、4月16日の本震は凄まじく、自宅も相当揺れ、深夜の入浴中だった息子があまりの揺れに倒れそうな出来事が起きたほどです。
数日間は会社指示で自宅待機となり、遠くには出れず、近くのスーパーに水や食料、そして熊本物件や熊本の仲間に持ってゆこうと思った支援物資を買い集めていました。

高速道路はいくつかの場所で分断、破損しており、通れるのは、緊急車両のみとあって、一般の方々は下道を通るしか方法はありません。
僕らは本震から3日後に、ようやく物資を持って熊本に出向くことができ(自宅待機が解けた)、この時すぐに駆けつけなかった為、サラリーマンだったことを後悔しました。

熊本地震で経験した事柄などは、以下のブログ記事をご覧ください。

九州大手不動産会社のセミナーに登壇した訳 地震被害から経験したこと

地震の際、最も気を使ったのは、住まわれている方々が無事であったかどうか、それと、地震被害者でもあった管理会社の皆さんのご対応状況(無理をさせてはいけないと考えたこと)でした。

当時保有していた中古RCは、地盤沈下も激しく15センチは下がり、外廊下1F部分は相当傾斜が付き安全でなくなり、外構部分(側溝や壁)階段などは、大きく壊れ、クラックも入り、危険な箇所が数多くできていました。
当時は赤札を貼られると住めなくなるため、赤札が貼られていないかどうか気になっていましたが、僕の物件はギリギリ免れたようでした。

地盤も下がり側溝もグチャグチャ。上下水も破断し、ライフラインは数日電気もない状態でした。

しかし、下水上水管の破断は大きく生活を困窮されており、小学校まで水、食料の配給を受けている状態。
部屋の中は家具が倒れ、ヒビも入り、割れた窓ガラスや食器類で散乱した状態で住まわれている皆さんは途方に暮れている方も多くおられ、物資を全員に配布し、
室内の掃除を手伝ったり、家具の修理を行ったり、建物の内部は安全であること
どのように改善を行なってゆくかなどの安心していただけるお話をさせてもらうことで精一杯でした。

しかしそれ以上、皆さんの心に寄り添うことが一切できなかった。
これは仕方のない事だけど、悔いの残る初動だったと今でも感じています。
帰り道、妻と無力さに泣きながら帰ったことは今でも忘れられません。

外階段も崩れ、危険な箇所が大変多く安全対策を行う必要が多くありました。

被害が実は大きかった僕の物件地区

数日後のマンションからの景色。地盤がゆるい地域だったため、非常に被害が大きかった。

僕の保有していた物件の地区は、火山灰が積もってできた地域だったため、非常に揺れも大きく、地盤沈下もあり、また横揺れの際、測量の座標位置もずれてしまったほどです。
近隣もですが、物件破損箇所もほぼ外構に集中しました。

当時、僕はこの現状を目の当たりにして、住まわれる方はこの場所が好き、気に入っていると言ってくれたことにより、前よりも良い環境にしたい気持ちが湧き上がったのです。

そして、後に大規模修繕を行いますが、それまでの数ヶ月間は色々な経験をしました。

融資のリスケジュールの依頼(半年間)
家賃数ヶ月停止措置を行なった(家賃をいただけるような現状ではなく、支援のため無料とした)
罹災証明を発行いただけるように何度も熊本市に出向いた
修繕のための借り入れを公庫に依頼した(大規模修繕)

被害と住まわれる方々と接することで心を大きく動かされた僕は、
建物環境で人様の命を守る仕事ということを強く認識した為
収益を捨てて、環境を整えることが事業者の使命だとその時強く感じ
行動していました。

地震保険は幾らかの助けになった。

余震がさらに破損箇所を増やしてしまっていました。 修繕箇所も増大し、見積もりも増えてゆきます。

地震保険は幸いながら入っていましたが、建物額の半額が上限でした。
地震保険は保険会社の制度ではなく、国の制度。
僕はこの地震から、地震保険を学ぶこととなりますが、入っていて本当に良かったと感じています。

しかし出た費用はわずは数百万だけだったのです。
地震保険は、保険調査員の認定次第での破損の割合で決まっていましたが
当時の割合は、今と違って極端な差があったのです。

2016年は、もっと割合が少なく、僕は一部損しか認められなかった。

制度が変わったのは、熊本地震の翌年、2017年でした。
今思えば、極端だった2016年までの地震保険の損害程度割合。

今なら、小半損だったのですが、一部損での結果でした。
だけども、本当に保険が降りて良かったと感じています。
大規模修繕を行なった際、借入1700万円かけたけど、手出しも500万程度掛かった。だけどやって良かった。

今の地震保険は、さまざまな点で2016年の時より、大きく受けられる内容が増えています。だからこそ、地震保険は必ず入るだけではなく、可能な限り大きな保証が得られるようなものを選んで欲しいと思っています。


僕が許せないこと。

不動産投資家で、地震保険に入らないと言っている人、入らない人。
あなたは、何を基準に入らないと言っているのですか?
保険が高いからでしょうか? 

収益事業において、住まわれる方が物件の支払いを間接的に行なってくれています。収益を上げてくれるのも住まわれる方です。
その方々の生活がかかっている事業で、収益の根幹を理解せずに、安心や安全を考慮せず、保険が高いから、不要だと思っているから などと経験をしていない被害を軽く見ているとした思えません。
僕からすると、本当に舐めきっていると感じています。怒りすら感じます。

地震保険もですが、純粋な保険に対して、施設賠償も地震時には大きく影響を受けました。また、地震が元の火災では、受けられる内容も限られてきます。
だから僕は可能な限り質の高い保険に入りますし、その保険の源は、住まわれる方の家賃なのです。

それと、地震保険をもらって、修繕しない人。
次近く地震が起きた時、前回地震被害の認定を受けた箇所の修繕を行なっていなかった場合、保険はおりません。

儲かることと以上に人様の生活、命に関わる可能性の高い
安全を担保するために、あなた自身ではなく、それら建物環境を守る役目は
とても重要なことだと思います。
保険を悪用しないことは当然ながら、保険を受け取って修繕しないなど
言語道断です。 信じられません。

しかしそのような人が大勢いることも知っています。

これは投資ではありません。
投資事業です。
そして事業なのです。

そのような側面を理解されて、努力している大家、サラリーマン大家、不動産投資家という事業家さん、皆さんの物件も、地震などの被害がいつ襲ってくるかは
わからないのです。

ですから、そのような事への備えも、考え方もしっかり守っていただきたいと
今更ながら、思う所であります。



改めて
能登半島、石川県、富山県において、1月1日に発生した地震による被害に遭われた皆様へ、こころよりお見舞い申し上げます。 

被害に遭われた皆様、関係者様が、少しでも安らかな生活を取り戻せること
地域や、環境がより良い復興されることを切に願っております。

サポートをいただける皆様には、質問や、思い、ご希望などありましたら、遠慮なくご連絡ください。 ブログ記事、何らかのサポートを検討したいと思います。まずはご希望をお聞かせください。今後もよろしくお願いいたします。