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「個性」を考える

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

「遺伝子」って何かを考える につながるのですが、今回は個性について考えたいと思います。私たちは、お父さんから半分、お母さんから半分の遺伝子をもらいます。その2つの遺伝子:2.6万組のどちらを使うか取捨選択をするわけですが、お父さん、お母さんの体の設計で使われなかった遺伝子も、ざっくり半分含まれています。

それらは、お爺さん、お婆さんからもらった遺伝子で、お父さん、お母さんでは使われなかったのに自分では使われることが起きます。いわゆる隔世遺伝というやつです。その遺伝子は、お爺さん、お婆さんでも使われなかった可能性もあるので、「なんで似ていない子供が生まれたのだ?」と言うことも起こりえます。

その遺伝子は、叔父さん(伯父さん)、叔母さん(伯母さん)で使われている場合もありますので、家系の中に似た人がいるかも知れません。

ここまでは、単純に確率1/2で、どちらかの遺伝子が使われる前提で書いていますので、生物学的に選ばれない遺伝子があれば、似ていない子は減ることになります。

しかし減りはしても、似ていない子が生まれる可能性はあります。

1.鳶が鷹を生んだ

これは良い意味で、似ていない子が生まれたときに使う言葉です。逆に「鷹が鳶を産んだ」になることもあります。中には何かしらの障害を持ったお子さんが生まれる確率もあります。ラッキー、アンラッキーと感じるかも知れませんが、自然選択した結果です。

何故、均一性が保たれないのか?

それが自然界をサバイバルするのに適した進化だったからです。皆同じ遺伝子を持った個体なら、一つの流行病で種が絶滅する恐れがあります。なので、種の中でも多様性を担保する必要があったのです。

分化と自然淘汰。その永遠の繰り返しが進化につながるのです。中には、そのときの環境に不利な個体も出現します。しかし、環境が変わった場合、逆に、その個体がサバイバルに有利になることもあるのです。

生物が多様性を獲得したカンブリア紀(5億4千年前)から今日に至るまで、大規模な生物界の大量絶滅を6度経験しているらしいです。アンモナイトが絶滅したり、恐竜が絶滅したイベントです。隕石が衝突したとか、大規模な火山噴火が発生したとか、大自然の気まぐれによるものです。

それでも我々生物はサバイバルしてきました。

2.個性は小さな進化

人はそれぞれ、遺伝子も違えば、生まれた時代、場所、育った環境が違います。なので全く同じ人間など幻想でしかありません。

「なんで私が...」、「どうせ私なんて...」と悩んでも時間の無駄です。皆違うのですから、個体差については開き直って生きて下さい。性格だって違います。悩みやすい性格かも知れませんが、同じ一生なら、悩まず、楽しく生きたい出すよね。悩むのが楽しいなら、それでも構いません。楽しく生きるのが一番です。

私たちはホモサピエンスという種族の一個体に過ぎないのです。「人の命は地球より重い」なんて言った人がいましたが、「人の命は100ドル札より軽い」地域もあるのです。

「誰も私のことなんて分かってくれない...」、当然です。あなたの脳は、他人とつながっていないので、理解のしようが無いのです。もしかしたら、あなた自身さえ、正しく分かっていないででは? 「あなたの気持ちが良く分かります」と言い寄ってくるのは、心理カウンセラー(共感では無く知識として分かる)か、あなたを正しく導いてくれる師か、詐欺師です。このご時世、あなたを利用しようとする詐欺師が多いので、相談するなら、ご家族か、ごく親しい友人にとどめておく方が無難です。

悩んでも問題が解決しない場合が多いのは、あなたが答えにたどり着けないからです。そもそも答えすらあるかも疑わしいです。相談相手がいなければ、関連する本を読んで自分の頭で考え、何か行動に移す。それでも解決しなければ、SNSでも使って声を上げる。それでも解決しなければ、ライフワークとして戦う。戦う気力すら無いなら諦めるか、気力が回復するまで待つ。一番良いのは、別の関心事に興味を移すでしょう。

70億人もいる地球で一個人なんて、小さな存在です。でも、小さな一個人でも何かを起こす可能性は秘めています。単なるあなたのエゴなら諦めて下さい。でも他の人々のためになることなら、立ち上がって下さい。何事も小さな一歩から始まります。生物の進化ですら。

3.多様性を尊重する

今は良い方向に風が吹こうとしています。形ながら、多様性を受け入れる社会ができつつあります。「LGBTは子供を産まないから国を滅ばす」とか言う人もいますが、そもそも子供を産まないなら自然淘汰されて存在していません。

それでも、約7%の割合で自然発生するのは、我々の知らない理由が存在するのでしょう。それを否定することは、自然を否定することと同義です。

何度も言いますが、均質化された種は、ひとたび何かあると絶滅の危険があります。多様性とは生物が絶滅を防ぐために進化の過程で得た能力です。

また、文明的にも多様性が無いと進歩が遅くなります。ユーラシア大陸での文明の進歩が、南北アメリカ大陸よりも勝っていたのは、東西に広かったからだと言われています。東西に人が移動することで、文明同士の接触が起こり、互いに刺激し合い、競い合い発展したのだと。アメリカ大陸の場合、南北に長いため、気候条件を乗り越えての人の移動が少なく、互いに刺激し合うことが無かったからだと。

ホモサピエンスは生物的進化を超えるスピードで、文明を進化させています。それを推進するエンジンに多様性があります。多様性を受け入れない社会は世界に取り残されるのです。


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