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留学してから読んだ本を紹介

こんにちは、にかです。
今回はタイトルの通り、2月にドイツに来てから今日までの約3ヶ月間の間に触れた本についてご紹介していきます。

まあ需要ないと思いますが、僕はとにかく本を読む量だけは多く、そのくせ頭には残りにくいという残念なスキルを持っています。早速紹介していきます。

長いので目次をつけました。


1. オランダ語辞典

ドイツの古本屋さんで買いました。6€とかかな。破格です。
毎日少しずつ読み進めています。日本で日蘭辞書買おうと思うと1万円はしますし、もう一段階上のものは5万しますからね。

しかも正直オランダ語はドイツ語から理解した方が絶対わかりやすいです。
なぜか?日本人が中国語を見てなんとなく意味がわかっちゃうのと同じようなことが起こるからです。

例えばこんな文章を見てみましょう。

「私はその辞書を持っていません。」
オランダ語 Ik heb het woordenboek niet.
ドイツ語  Ich habe das Wörterbuch nicht.
見た目だけでなんとなく似てる、と言うのがお分かりでしょうか。特に語順もほぼ同じなので、とてもわかりやすいです。まさにik=ich, heb=habe, het=das...と言うように一対一対応しています。

さらに文法もドイツ語の文法を簡単にした版みたいな感じなので、ドイツ語の知識があれば、下手したら2時間くらい文法書読めば初級文法はだいたいマスターできちゃいます。(オランダ語なめすぎ。僕はマスターしていません。そして文法が簡単だからと言ってその言語が劣っているわけでは決してありません。そして発音はめちゃめちゃ難しいです。)

ただオランダ語は、フランス語から単語仕入れました!とか英語から単語そのまま持ってきちゃった!みたいな単語も多いので、よくよく勉強すると全然違ったりするのも面白いです。

②日本民俗学大系 8

これは大学の図書館で借りている本です。7割くらい読みました。

特に信仰の項目が気になったので8だけを借りています。
大学に日本語学科があるおかげで、日本語書籍も豊富で嬉しい限りです。

そういえば「平凡社は本当に平凡なのか」という面白い議論が、
いくつかの文芸誌で昨年巻き起こりましたね。
試し読み
目次から最高ですね。

③ 小説読本 三島由紀夫

僕の大好きな三島由紀夫大先生による小説論です。
日本から持ってきました。どうしても一冊はドイツに持って行こう、と決めていたのですが、全集以外にこれしか家になかったのでこれにしました。

もう何十周も読んでしまいました。いつでもどこでも引用できます。

今のところ、日本に帰りたいほとんど唯一の理由は「日本の家に三島由紀夫全集があるから」と言っても過言ではありません。

④Schlafzimmerblick

2€で購入。タイトルの意味は「寝室の視点」です。

さまざまな年代の人々の性のお悩みなどを、学者さんが明快に回答していく、知恵袋プロver.みたいな本です。結構過激な本で、店員さんに渡す時結構恥ずかったです。

で、これは新聞のコラムを集めたもの。
ドイツの新聞は大衆紙から知識層向けのものまで幅広く、これはかなり知識人向けの新聞での連載なので、とにかく難しい。
娯楽のつもりでなんとなく暇つぶしに読むつもりで買いましたが、知らない単語だらけでした。20%くらい読みました。

一般に、「1ページの中に知らない単語は10個ほど」くらいの洋書なら、辞書がなくても推測でなんとなく読むことができる、とよく言われます(本当かな?)。

黒線、黒丸が知らない単語です。赤線は知ってたけど忘れていたものです。
さて、適当な1ページを見てみると...

ちょうど10個でした!(まあそうなるようなページを選んだんですけど)。

さてこれがすらすら読めるかと言うと、そんなことありません。。洋書を読むのは大変ですね。

⑤オランダ語の基礎

文法書ですが、練習問題の長文を読んでいないことに出国直前に気づき、なんとなく持ってきたものです。暇つぶしに読んでいます。

⑥謎の美術書

古本屋さんにて1€で購入。よくわかりませんが、中世ドイツの有名な彫刻家の作品集らしいです。
写真のみ全て見ました。本文はほぼ読んでませんが、彫刻の工程などの説明なのであんまり面白くはなさそうです。

⑦デュ・バリー夫人の伝記

古本屋で2€で購入。ドイツで初めて購入した本。そもそも知らない人の伝記を読むだけでも難しいですが、文書も固く、地名や人名だらけなので恐ろしく難しいです。

最初の3章だけなんとか読み終わりましたが、挫折しかけてます。読み終わるのでしょうか...

装丁は素敵です。

⑧Deutsch Perfekt

ドイツ語学習者向けの雑誌です。レベルも初級、中級、上級に分けられているので、自分のレベルに合った文書を読むことができる点で素晴らしいです。英語、フランス語、イタリア語、スペイン語版もありました。
インターネットに10冊分ほど過去のバックナンバーが無料で落ちていたので、全てダウンロードしておきました。

⑨ Sprachnachrichten

季刊発売の新聞です。2€。直訳すれば「言語ニュース」という意味ですが、その名の通り言葉に関する色々なニュースが載っていて面白かったです。おすすめ。
これはおそらく日本では買えないので、留学ならではですね。


⑩ フランス人におすすめされた本

こちらは日本でバイトをしていた際、フランス人に強くお勧めされたのでメルカリで買った本。1000円くらいだったかな。日本の会社で働いた著者の経験が語られている私小説的な内容になっています。日本のお堅い上司・部下関係や、近代まで残っていた(下手すると現代も?)女性差別についても描かれています。

元々フランス語の本なので、これはドイツ語に翻訳されたものです。平坦なドイツ語で書かれていたので読みやすかったです。どうやらヨーロッパではかなり有名な小説家らしく、Wikipediaでは「現代フランス語圏で最も重要な作家の一人」とまで称されています。

ただ日本ではあまり知名度はないようです。僕も知りませんでした。本書は日本語訳も出ていたそうですが、ずっと前に絶版になっており、大学図書館にも置いていませんでした。

⑪ イタリアで買った本

先日イタリア旅行に行った際、お土産に買った本です。バチカンで買いました。一冊1€。まだ読んでいません。僕にとってイタリア語は文法が合っていて、勉強していて楽しいです。

⑫ フランス語参考書2冊

こちらはフランスに留学している友人がくれたものです。
リスニング教材なのに音声CDのないものと、文法問題集をくれました。前者は正直使い物になりませんね。どうしましょう。

まあCDプレーヤーがないのでCDがあってもダメなんですけどね。


⑬ ドイツ語参考書

日本から持ってきました。模試の問題が3回分載っているやつです。一回分解きました。メルカリで3500円くらいした気がします。高いですね。。

さてここからは電子書籍です。ちなみにKindleは基本セールのものしか買いません。

⑭眠れる美女 川端康成

ど変態小説ですね。眠れる森の美女を想像したら大間違いです^ ^
ドイツ行きの飛行機の中で読みました。川端康成はこの他に代表的な「伊豆の踊り子」「雪国」と、あと短編集を読んだだけですが、物語全体の構成がとにかく美しく綺麗です。ただ僕は一文一文に纏わりつく装飾的な美しさを求めるので、そういった点では三島由紀夫先生の絢爛たる美文が合っていました。

中高時代は「なんで川端が教科書に載ってて三島由紀夫先生は載ってないんだ?」と常に不満に思っていた、尖った性格でした。やすなりくんも今では好きです。

⑮カミの人類学

大傑作!!!とある山奥の民族がカミをどう信仰していたか、から始まり、カミの信仰について民俗学的な観点から様々な調査をもとに語られています。

なぜカミの存在が現れたのか?そもそもカミとかなんなのか?なぜ日本語では「カミ」と呼ばれるのか?キリスト教世界の神との違いとは?などなど...この手の学問体系に目覚めそうです。早速図書館で「日本民俗学大系」読んでますしね。

とにかくこの本だけで記事が余裕で書けるくらいにはこの本を楽しみました。本書に巡り会えて幸せです。

⑯犬婿入り 多和田葉子

ドイツ語日本語バイリンガルの有名な小説家ですね。独文科で知らない人はいません。が、買ったはいいものの未読です。。。
セールで200円とか。次の日本人ノーベル文学賞候補と噂される一人でもあります。

この人の作品は今まで5,6冊は読みました。ドイツ語の小説も読みましたが、どこか日本語的なドイツ語を書く人だなと思いました。バイリンガルってそういうものなんですかね。

⑰マダム・エドワルダ

20ページくらいの短編。

ジョルジュ・バタイユは僕の非常に好きな作家の一人ですが、彼について語るとまた記事が終わらなくなるのでやめておきます。しかしこれは必読です。

あらすじを読むと、一見頭のおかしい短編に思えます。
簡単にあらすじを書くとこんな感じです。

夜中、帰宅しようと歩いていた男は、帰宅中の娼婦を発見する。気になって跡をつけてみると、女は発作を起こし苦しそうに身悶えし出した。
男は慌てて娼婦を助け、タクシーで家まで送ることにする。しかし、乗り込んだタクシーの中で、タクシー運転手と娼婦は男の目の前で行為に及んでしまう。
そんな女の姿に、男は真の神の顕現を見たのであった...。

しかし、ではどうしてこの作品がバタイユ哲学を考える上で重要になるのか。
それを書くとキリがないので割愛します。

ドイツの大学のクラスメイトに人文学に非常に詳しいフランス人がいて、「ぼくジョルジュ・バタイユが好きなんだよね」と辿々しいフランス語で話したところ、なんと彼はバタイユを研究しているらしく、熱く語ってくれたと言う思い出があります。こんな偶然もあるんですね。

⑱若い読者のための短編小説案内 村上春樹

村上春樹はほとんど読んだことがなく、好きでも嫌いでもないのですが、200円だったので買って読みました。タイトル通り小説を紹介していく本で、どうやらこれは2冊目らしいですね。新しい小説に出会えるのは楽しいです。

ちなみに村上春樹はノルウェイの森だけ読んだことがあります。
いろんな意見があると思いますが、多分、三島由紀夫先生のことが好きな人は村上春樹は向いていないと思います。文体的な意味でも、思想的な意味でも。村上春樹も本書の中で「三島由紀夫は全然ダメだった。」と述べています。

まあ、ノルウェイの森がどんな話だったのかは全く覚えていません。ただこの本はとても楽しく読めました。

19.  ヌードと愛国

タイトル買いです。美術史的な本は片っ端から読みたくなります。
300円とか。中村不折という昔の画家についての論考が長くちょっと退屈でしたが、面白かったです。

20. 平安貴族とは何か

光る君へブームのせいか、古典本がセールになることが多いですね。300円とかでした。道長は別に好きじゃないですけど、楽しく読めました。

ちなみに栄耀栄華を極めた藤原一族の中でも、絶対に絶対に絶対に僕は藤原定家推しです(ところで定家は道長の孫の孫?とかそのくらいだった気がします)。

歌人としても好きですし、それで言うと俊成の歌も昔から好きで、俊成全歌集を昔神保町で買った思い出があります。三島由紀夫先生もまた俊成について色々なところで言及しています。

非常に珍しい三島由紀夫先生・川端康成・伊藤整(作家・評論家です)の対談動画です。

この動画の3:18〜から、三島由紀夫先生が『文章をお書きになっている川端さんのことを、わたくしはいつも俊成だと思っていたんです。』的なことを言っていますね。
それに対して川端康成が「えぇ...(こ、この若造は一体何を言っているんだ...?)」と言わんばかりの表情を浮かべながら苦笑いしているところが面白ポイントです。
ただ、嬉しくてちょっとニヤッとしているようにも見えます(俊成みたいだと言われることが嬉しいことなのかは分かりませんが)。
ちなみに僕はこの対談の三島由紀夫先生のセリフもほぼ暗唱できます。僕の海馬は大部分が彼に侵食されていますね。

21. 紫式部日記

日記本文というよりかは、背景知識が膨大に説明されていました。200円でした。ポップな文体で読みやすかったです。古典に興味がある方にはお勧めできます。
ちなみにぐっすり眠れました。『日本民俗学大系』を読んでいた時の方が眠れなかったので、あれは『眠れないほどおもしろい日本民俗学大系』にタイトルを変えた方がいいですね。

まあ日記だったら、夢よりもはかなき世の中を...でお馴染みの和泉式部日記が僕の一押しです。これは謎の多い日記で、実は前述した俊成が書いたんじゃないかとも言われています。

22. えーっ...と...こ、心の絶対法則...?

こんなの買った覚えありませんね。と言うか僕は唯物論者なので、僕にとって心なんて存在しません。なんで買ったんだって話ですが。Kindleでは400円以上の本はまず買わないので、200円か300円だと思います。読まずに帰国する可能性大ですね。

23. インテリ悪口本

直接的に悪口言うのはやめて、遠回しにインテリぶって揶揄してやろう、というコンセプトの本書。ずっと欲しかったのですが、ようやくセールになったので400円で購入。6割くらい読みました、面白いです!

24. フリテンくん

9円だったので書いました。植田まさし結構好きです。コボちゃんの人です。

25. 知ってる古文の知らない魅力

200円くらい。こういうこと言うのは良くないですが、知ってることが多かったです。

26. 江戸の性の不祥事

タイトル買い。面白い。300円くらい。すぐ読み終えました。

27. 地球の歩き方東京23区

ドイツに来てから買うという不可思議な行動を取りましたが、海外にいると日本について知りたくなるものです。不思議ですね。日本に帰ったら行きたいところが急に増えました。

28. レベルE

ハンターハンターの作者の漫画。未読。お勧めされてたので書いました。ハンターハンターは大好きです。

29. ポプテピピック

一冊4円。売り上げ上位だったから買いましたが読んでません。昔アニメやっていた時に少し見た覚えがあります。
漫画はイラストと文字の両方を見ないといけないので、読んでてちょっと疲れてしまいます。

30.地球の歩き方南ドイツ

フランクフルトにいる身としては必読ですね!400円でした。これ見ながら観光したいです。ただフランクフルトは数ページしか紹介がありませんでした。フランクフルトって本当特に何もないんです^ ^;


31. ラーメン大好き小泉さん

無性にラーメンが食べたい時があって、こちら一冊4円だったので購入。が、1ページも読んでいません。果たして読む日は来るのか...

32. 小説現代

100円でした。決して官能小説目的ではなく、好きな作家さんがたくさん寄稿されていたので楽しめました。

33. ジョジョ

なぜか1巻だけ買いました。が、半分くらいしか読んでません。ちょっと忙しくて漫画はなかなか読む時間がなさそうです。

おわりに

さて、こんなところでしょうか。実際には図書館でもう何冊か読んだのでもう少し多いのですが、3ヶ月で30冊くらいと考えると少ない気もしますね(しかも全部読んだわけではない)。というか日本語の本読みすぎですね、ドイツ語の本をもっと読みたいものです。
気づいたら5千文字だったので、今日はこの辺にしておきます。

今後も備忘録として読んだ本を記録していくのは楽しそうだなと感じました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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