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Interview 01

中西瑠奈さん

 
ー中西さんと出会ってから、半年くらい経っていると思いますが、 今まで、中西さんについて詳しく伺ったことがなかったので、今日は、色々とお話をお伺いさせてください。 現在、東京藝術大学に通われていますが、中西さんの幼少期ってどんな感じだったんですか?ー

中西さん
「私は、幼い時から、頭の中にあるイメージを形にしたい!という創作意欲が常にあって。 幼稚園の時には、空き箱を持って帰っては、何かしらの物を作っていたり。  あと、時間があれば、ずっと絵を描いてました。 小さい時からずっとペンを握っているので、そのせいで指が変形しているくらいなんですよ。(笑)」


ーそれは、すごい!  幼い時から、何かを生み出すことが、大好きだったんですね。(笑)ー

中西さん
「そうです。 今もそれはずっと変わっていません。  だから、小学校の時は、図工の時間が面白くて。 何かを作る時間がすごく楽しくて。」


ー中西さんは、創作するために生まれてきたみたいな感じですね。 いつくらいから、本格的に美術の道に進もうと思ったのですか?ー

中西さん
「中学校の頃、進路に迷っていたときに 先生からの強い勧めもありまして。 小さい頃から、身近に存在を感じていた東京藝大に入りたくて、まずは美術の高校に入るための進路を決めました。 それが中学3年の時です。 その頃から美術系の高校に進学するための予備校に通って、デッサンの基礎を学びました。 じつは、今では、その予備校で講師をしてまして。  3年目なんです。」


ー講師をされているんですね。  教え子が中西さんの後輩になったら、嬉しい限りですね! ところで、中西さんの作品作りについて伺いたいのですが、現在はどのようなものを制作されていらっしゃるのですか?ー

中西さん 
「写真、絵、CGなどをミックスさせたグラフィック作品を制作しています。基本すべての工程を自分で行っています。 イメージを先にエスキス(ラフスケッチ)してから、写真を撮影して、そこから自分の思い描くイメージになるように作品を創っています。」


ーアナログ、デジタルが合わさったようなことをされているのですね。 こちらの作品について、少し教えていただいてもよろしいでしょうか?ー

RUTTEN_ で展示した作品 「猫の瞳を持つ女」


中西さん
「こちらはミステリアスなポートレイトのような作品です。 明度や濃淡のバランスを考えてヘアメイクを施しています。 黒と白のコントラストの見え方や、鑑賞者の視点がまずどこに行くか、考えていまして、この作品では ”瞳” に視線が向くようにしました。」


ーなるほど。説明いただくと、作品の面白さがより一層わかります。  このようなアイデアはどのようにして生まれてくるのですか?ー

中西さん
「アイデアは、様々な瞬間から生まれますが、私が日頃から行っているのは、夢で見た印象的なものをいつもメモしています。 記憶と潜在意識が混ざり合って生まれたもの、見たこともない景色、奇妙な質感をした樹木。 ただ、そのまま単体で使用するのではなく、 創造性をより高いものにするため、他のアイデアと合わせて、新たな文脈を生み出しています。 そして、その複合的なアイデアを作品にする際には、最終的に ”エレガントなものにする” という制約をつけています。 自分の美意識感覚を通すことで、一貫した世界観の構築ができると考えています。」


ー中西さんの考える ”エレガンスとは何か” が作品になるわけですね。 中西さんが考えるエレガンスの根底にあるものは何でしょうか?  好きな物や事などを教えていただけますか?ー

中西さん
「私は、昔の”筋肉少女帯”というバンドと、大槻ケンヂさんが好きで。 中でも、詩人オウムの世界、夜歩くという曲はすごく好きです。 あと、横溝正史、江戸川乱歩などのミステリー小説などを読みます。 不気味さ、暗さ、アングラ、内気な世界の中にある、エレガンスが混じったようなものに惹かれます。  あと、食べ物はあんこが一番好きで、幸福の物質だと思っています。(笑)」

ー僕もあんこは大好きです。(笑)  最後に今後の活動の展望などを教えていただけますか?ー

中西さん
「これまで、やってみたいことが多くて、写真や3DCG など、さまざまな技法に触れてきましたが、その経験を生かしたグラフィック作品を制作していきたいです。アーティスト、デザイナー、イラストレーターの肩書きに囚われず、ビジュアルで表現できるものをカテゴリーの垣根なしで作っていきたいと考えています。そして、グラフィックを通して、演劇、音楽、文学など、芸術や文化に携わり、共に盛り上げ、貢献していきたいと思っています。」


今後も中西さんの素敵な作品と活躍を楽しみにしています。 今回は、有難うございました。



中西さんの作品はこちらから見ることができます。
https://www.instagram.com/ya_ki_so_ba__/



文 : 荒岡 敬

写真 : 小林 浩平


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