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いたるところに輝く均一な光 モネ 連作の情景

上野の森美術館で開催中の、モネ~連作の情景 を鑑賞してきた。
【睡蓮】が連作というのは知っていたが、モネがあらゆる魅せられた所で連作を描いていたのは知らなかった。
季節や天候や時間によって違う光、それにより浮かび上がる、同じ場所なのに全く違う風景。そういうものに魅せられたモネという人の画家人生が羨ましくなった。

大盛況の一因

美術に詳しくないが、どうして美術鑑賞したくなるのか。
たまたま最近Xで、芸人の山口コンボイくんがよいことを呟いていた。

vチョキピースv

ちょうどモネ展に行ったタイミングで、同じ気持ちだった。
美術だけでなく読書も映画もお笑いライブも、私の心の栄養補給。
好きなスピードワゴンの小沢さんやぼる塾の田辺さんも言ってた「詳しくなきゃ好きって言っちゃダメなの?」イズムとも通ずる。
それをnoteに記すのは、飲んだビタミン剤を書いておく、おくすり手帳とおなじようなものかな?と思った。

印象派を名のり出したのがすごい

当時のフランスで国営の展覧会(サロン)に入選することは、絵と名前を売る最大の手段だったらしい。
入選していたモネが落選をきっかけに仲間と作ったのがグループ印象派。応募の多いサロンでは写実的絵画が評価され、落選時の作品は印象的過ぎると評されたとかなんとか、どこかで読んだような気がする(⚠️曖昧)

印象派、以前。
カミーユと実子ジャン(右
モネの席はその手前

連作を描くということ

【ヴェトゥイユ】セーヌ川下流
【春】は、現存する教会を背景にして草原に描かれている小さな母子。前年の9月にカミーユが亡くなっているのでアリスとその子ども達なのかもしれない。
が、観る印象ではどっちだっていい、という気持ちになった、春らしい暖かな画が好かった。
ラ・マンヌポルト】のあるエトルタはノルマンディ地域。
マンヌポルト=大きな門(という意味)にみえる波打ち際の岩、の連作。
これが歌川広重の相模江之島岩屋ノ口の構図に影響を受けていたのではと推察されていた。
カミーユの見返り美人を描いているし、西洋絵画と全く違うジャポニズム、浮世絵にも惹かれてくれる西洋画家ってやっぱり親しみがわく。
プールヴィルの崖 朝/波立つ海】【クルーズ渓谷】
マンヌポルト同様、同じ場所・視点で全く違う景色になった連作過ぎる連作。
モネ50代の作品。景色も、人と同じくいろんな面があるから楽しい。
様々な所で何十点と連作を描いているが、ヴェンティミーリアでは50点もの絵を描いている!らしい。
ジヴェルニーの積みわら】
家畜用のこの積みわらは、農業国フランスの豊かさの象徴なんだそうだ。知らなかったー!
全く違う時間と季節が味わえる、醍醐味溢れた連作だけど「どうして積みわらなんだろう」と昔から思っていた、謎がとけたw

ロンドンの橋も積みわらも素敵だけれど

晩年に向かって視力が衰えていくのは、画家は辛いのかもしれない。
だけど、家に飾るなら、私は晩年の、庭の、絵がいい。
モネがいつもみていて、覚えていて、何枚も連作した睡蓮の池のある庭。
目が不自由な分、聞こえる音や風の薫りや、もしかしたらそれを含めた記憶やその時の心情も映し出されているかもしれない。
それを鑑賞側が勝手に推察して、自分の庭にしてしまえる絵画、っていいなぁと思う。

1918 睡蓮の庭の片隅

お土産ブースへ入るために、外で15分くらい並んだ。
観賞後のお土産ブースって、みんな幸せそうにみえるから好きだ。

読んだばっかりの「流しのしたの骨」のママさんの影響で
この日落ち葉を物色・・してた怪しい女が私

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