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「日本は終わっている」そう言わずにはいられない訳

 「日本、終わってるよね」
 そんなことを言うのは、大体わかったような顔で批判ばかりをしているひねくれ者のようなイメージがあります。
 私はそうした「批判屋」にはなりたくはない。
 でも私はやはりこの国は終わっていると思わざるを得ないのです。

なぜ「日本は終わっている」なんて言えるのか?

 日本の不景気状態は既に30年続いています。
 好景気な時代を知らない若者も多くなってきています。
 『これがバブル時代』なんて変な髪形と服装で笑われる、見たこともない昔の時代。

 ですが本当は「価値あるもの」に人々が血眼になった時代、今日より明日の方が幸福であろうと信じることができた最後の時代です。
 「幸福というもの」を知らない今の人たちよりははるかに幸せな時代でした。

 昔と比べて今が優れている点は何でしょうか?
 たぶんいろんな経験を経て、それまでの誤りをより多く認識することが「できる状態にある」という点だけでしょう。

 ですが多くの人はその知恵を活用できていない。
 活用しようとしていない。
 今後も活用されることはない。
 これらのことから日本は今後も良くなることはない。
 だから私は「日本は終わっている」と言うのです。

 「こんなに豊かで平和で幸福な国じゃないか。」
 「日本人ほど勤勉で知的な国民はいない。」
 「文句を言うくらいなら自分で日本を変えればいい。」

 そう言う人はたくさんいるとは思いますが、全て幻想です。
 日本には素晴らしい点もありますが、それは全て「コンテンツ」が素晴らしいだけ。
 ですから正確に言うと「日本人は終わっている」と表現すべきなのかもしれません。

日本は「豊か」か?

 果たして日本は豊かでしょうか?

 そうだと言う人はあまりいないでしょうね。
 そりゃ後進国よりは豊かでしょうよ。でも、そんな比較は誰も期待していません。

 大企業は今でも儲かっているようですが、庶民レベルでは豊かになった感覚なんてこの30年ほとんど経験していません。
 働いた分、もしくは「このくらいはいただきたいな」と思う分の報酬を私たちはもらえていないのです。

 「欲しいだけもらおうなんて甘いぞ!」「贅沢に慣れ過ぎではないのか?」なんて戦前・戦中派の年寄りたちは言うでしょうが、そんなのは大きなお世話です。
 のらりくらり働いてきた世代と比べて私たちは何倍もの忙しさ・仕事のレベル・ストレスと戦いながら働いているのですから。

日本は「平和」か?

 果たして日本は平和でしょうか?

 戦後日本は直接外国と戦争はすることなく、「戦争反対」「核兵器反対」と小声でつぶやきながら「平和国家」の看板を挙げ続けてきました。
 当事者にさえならなければ良かったのです。

 ですがこれからは近隣国にちょっかいをかけられることも増えるでしょうし、世界大戦でも起きようものなら他人事では済まないでしょう。


 国内は平和でしょうか?

 少年犯罪がマスコミを賑わせてはいますが、実は昔より件数は減っているという統計もあります。
 それは極貧生活者や正業に就いていない生活破綻者による金目的の犯罪が減っただけなのかもしれません。
 「食うため」以外の目的での犯罪の報道が私たちを不安にさせるのです。

 今の日本社会は昔みたいにチンピラやスリや人さらいが街を歩いているイメージではありません。
 ですがデリカシーが無く、ルールを無視し、道理をわきまえず、何を考えているかわからない人たちがたくさんいます。

 犯罪者は自分が悪いことをしているという自覚がありますが、今の身勝手な人たちには悪いことをしているという自覚はありません。

日本は「幸福」か?

 果たして日本は幸福でしょうか?

 豊かさや平和を実感できない社会は幸福とは言えませんよね。

 繰り返しになりますが、他国と比較してはいけません。
 下を見て胸を撫で下ろすことが健全だとは言えないでしょう。
 私たちは私たち自身の感覚において判断を下すべきです。

 幸福ではない人たちは周囲にたくさんいます。
 子供を食べさせるために体を売る人。仕事の苦労よりストレスの方が勝っている人。どうしたらもっと生活が良くなるかわからず、単純労働しかできることがない人。

 これらの人たちは普通に生活できている人には見えません。
 幸福な人が「日本は幸福だ」と言っても実態を伝えているとは言えないのです。

日本人は「勤勉」か?

 日本人は良く働きます。
 二つの点で。

 一つは「時間」。
 もう一つは「文句を言わない点」です。

 私がサラリーマンをしていた時はみんなよく働いていましたね。
 深夜まで。
 今思えばつまらない仕事を手作業で、時間ばかりかけてやっていたわけです。

 仕組みを改めるとか、メリットとつり合わないことは思い切ってやめるとかしたかったのですが、個人の判断でそれをやると叱られてしまうので会社が判断すべきでした。

 また会社の指示が適切でなく、仕事に時間がかかり、肉体的・精神的な負荷が大きすぎるとしても会社に文句を言う人は少ないし、会社を変えようなんて考える人はあまりいません。

 つまり会社も社員も生産性を上げる努力を怠ったわけです。
 これでは勤勉とは言えませんよね。

日本人は「知的」か?

 果たして日本人は知的でしょうか?

 外国と比べて日本人学生の学力は落ちてきているそうです。
 ですがここでは一般的な思考力、判断力のことを考えてみましょう。

 日本人はとても情緒的な性格を持っています。
 これは今までに日本人論を語った多くの本でそう語られており、おそらくその主張は的を得ています。
 つまり「日本人は感情的だ」というのとは少し違って、「非論理的」な判断をしがちだということなのです。

 日本の一般人はとかく「根拠」を軽視します。
 何かを理解するときにも主張するときにも根拠はほとんど考慮されません。

 「株なんかやると大損するよ」
 「コロナワクチンは副作用があるってよ」
 「政治家は悪いことばかりやろうとしている」
 「霊魂はいる」「宇宙人はいる」

 全て明確な根拠は存在しません。
 ごく少数の事例が報告されているだけで、それが実際に起きたことかどうかすら怪しいのです。

 全てが直感的な判断によって進んでいくのが日本人社会なのですね。
 でもそれでいいと多くは考えています。
 いちいち発言に対して根拠の説明を求めると「面倒なことばかり言われて面白くない」と返されるでしょうね。
 つまり真面目な話題や重要な判断でも「面白い」かどうかを優先させる、いい加減な考え方をしているのが日本人なのです。


 珍しく真剣に物事を議論する場でも日本人的思考のダメダメさは発揮されます。

 コロナ感染拡大防止策を話し合うとしましょう。これが日本の典型的な議論の進め方です。

 「コロナウィルス拡散を防ぐために外出規制を指示しようと思いますが、いかがでしょうか?」・・・提案に対する根拠が提示がない

 「罰則はやり過ぎだ!」・・・反対だけで代案がない

 「国民の自由を奪うつもりか!」・・・問題の飛躍とすり替え

 「増税もそうだが、現政権は間違ったことばかりする。」・・・違う話題

 「料亭に行けなくなるのは嫌だなぁ。」・・・問題意識の欠如

 「日本人は素直だから言えばわかるのでは?」・・・根拠の無い楽観主義

 「そうですね。それでは自粛要請ということで。」・・・効力の無い折衷案

 どうでしょうか?
 全く議論になっていませんね。
 ですが日本では全てがこの調子で話し合われ、決められているのです。

 日本人の多くがロジカルな思考力を持ち合わせていません。
 これは物事を良い方向に変えていこうとする際に、毎回悲劇的な作用を及ぼします。

日本を変えることは可能か?

 果たして日本を変えることは可能でしょうか?

 個人の力だけで?
 いやいや厳しいですよ。食べていけませんから。
 何か発信しても聞いてくれる人なんかいませんし、理解できる人なんかいません。

 それはなぜか?
 上記に書いた通り、日本人に思考力が無いからです。
 大半の人は問題意識を感じもしなければ、問題を解決する力もありません。

 大半の人がダメでも一部の優秀な人が日本を変えてくれるのではないでしょうか?

 それも無理です。
 日本社会は一人では何もできないように作られています。

 何か少しでも周囲と違うことをしようとすると上に了解を取るとか、共感してくれる人を募る必要があります。
 ですがこれが日本は外国と比べて格段に難しいのではないかと思います。
 「何もそんなことまで」と思えるほど小さなことにまで圧力が加えられます。

 家族旅行がしたくても休暇が取れないとか、子供の具合が悪くてもパートを休めないとか、前例が無いというだけで提案を聞いてもらえないとか、職場の習慣に合わせないと周囲に敵視されるとか、例を挙げればキリがないですよね。

 職場ばかりではありません。
 ご近所、学校、友人関係、何なら顔も知らないSNSですら異質な行動は許されません。

 ですがそれらコミュニティの中では「思考すること」は無用だと思われています。
 バカになり、無になって、集団と一体化することを日本では「強烈に」求められているのです。

 この状態では新しい価値観は定着しません。
 自我の強い「ヒーロー」が新たな仕組みを作りはするでしょう。
 ですが社会に定着はなかなかしません。
 やっと定着してもなかなか広まりません。
 誰もついてきません。
 逆に年寄り臭い保守的な考えの若者や、全く思考する力の無い「リモコンが壊れたロボット」のような若者は日に日に増えていきます。
 ですから日本を変えることはとても難しいでしょう。

 また、私たちはよっぽどの使命感でもあれば別ですが、かけた手間に見合う結果が得られると期待できない限り行動には移しません。
 したがって日本を誰かが変えてくれることはこれからも無いと予想できるのです。

終わっている日本で今後どうすればいいのだろう?

 長々と書きましたが、日本が終わっている理由はお判りいただけましたでしょうか?
 そんな国で今のまま暮らしていくのは嫌ですよね?

 少しでも幸せに暮らしていくなら、日本人の悪い点になるべく関わらないようにして暮らしましょう。
 と言っても引きこもっていては精神的に良くありません。
 ですから対人関係を慎重に選ぶことが第一でしょう。

 バカな人は大体組織に属しています。
 ザ・サラリーマンみたいな人となるべく関わらないようにするには自分が組織に属さないのが一番です。
 早めにおさらばする策を講じましょう。

 他人だけでなく身内にも依存したりしなくて済むような生活基盤を作りましょう。
 行政に依存することもしないようにします。
 要は完全に経済的な自立を目指すことです。

 自分の時間を確保したら、内面世界を充実させましょう。
 空の頭のまま人との関わりを断ったら虚しいだけです。
 趣味、学問、スポーツなど、「生活」以外の目的のために時間を使いましょう。

 要はひたすら自分の幸せを追求していくことです。
 あくまでも他人の生活を侵すことなく、貪欲に自分の人生を豊かにすることです。

 一人で日本を変えることはできません。
 ですが自分一人なら幸せになることはできる「かも」しれません。
 先に目覚めた人から先に日本を「イチ抜け」していけばいいのです。

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