岡本茉衣(おかもとまい)

出版業界をメインとするフリーランスライター。日本人の賃金、格差について発信します。

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自己紹介

はじめまして。 ライター・岡本茉衣のプロフィールページをご覧いただきありがとうございます。 岡本茉衣(おかもとまい) 【経歴】 1983年東京生まれ。 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。 大学卒業後、新卒で都内の出版社に就職。 不動産専門誌の編集者として5年間勤めました。 2012年9月からフリーランスライターとして独立 (もう10年以上経ってしまった…)。 主に出版業界で仕事をしています。 ・ライフスタイル誌 ・旅行ガイド ・飲食店情報誌 ・美容専門誌 ・ヘルスケ

    • 女の子も稼げないと結婚できないらしいよ──約半数の男性が女性の経済力を重視する

      先日テレビを点けたら、作家の古市憲寿氏が 「女性が経済力をつけて一人で生きていけるようになったから結婚しなくなり、少子化になった」 ということを言っていました。 このように信じている人って結構多いと思います。 本当にそうなのでしょうか? 少子化の原因はまた別の機会に回しますが(少しこちらで触れています)、 「経済力のある女性は結婚しないのか?」を検証したいと思います。 正規社員同士で結婚する割合が高くなり、パワーカップルが生まれやすい令和男性の年収と未婚率に相関関係があ

      • OECD 加盟 38 か国中30 位──日本の労働生産性が低い理由

        日本の生産性が低いということをご存知でしょうか。 2022 年の日本の「時間当たり労働生産性(就業 1 時間当たり付加価値)」は、52.3 ドル(5,099 円/購買力平価(PPP)換算)。 OECD 加盟 38 か国のうちでは、なんと30 位です。 なぜこれほど日本の生産性が低いのか? 今回は私の体験を含めて考察してみます。 労働生産性が低い=労働力をうまく利用できていない 2022 年の日本の「時間当たり労働生産性」は、52.3 ドル(5,099 円/購買力平価(P

        • ニッポンの自縄自縛──最低賃金がなぜ1,000円か知っていますか

          以前の記事で触れた通り、日本は先進国でも賃金が低い水準にとどまっています。 その要因の一つが最低賃金の低さ。 なぜ日本の最低賃金が1,000円前後なのかご存知でしょうか? 日本の最低賃金は、全国加重平均で1,004円2023年の最低賃金は、全国加重平均で1,004円でした。 東京の最低賃金は、1,113円で全国一位。22年度から過去最大の41円の引き上げとなったのが記憶に新しいところです。 最も低いのは岩手で893円でした。 パートやアルバイトは、だいたいこの水準からの

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          男性は約7割が600万円以下──男女別・年齢別平均賃金を調べてみた

          このブログでは、働く人の給与について何回か書いています。 大きな反響があったのは、「日本人の年収、中央値は423万円」という記事でした。 そこで今回は、男女別・年齢別の平均賃金と賃金分布を調べてみました。 年齢で給与が上がるのは男性正社員だけまずは男女別、年齢別、正社員か非正規かで分けた賃金です。 こうして見ると、年齢に応じて給料が上がっていくのは男性の正社員のみで、女性は正社員であっても、30歳代後半以降ほとんど給料が変わらないのがわかります。 こちらの記事「女性【正

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          2024年が明けました──希望だけがないこの国で生きる

          新年、あけましておめでとうございます。 このnoteを始めて初の年越しとなりましたので、軽く振り返りをしようかと思います。 本ブログの人気記事TOP3 最初は、いったいどれだけの人が読んでくれるのかな? と思っていた当ブログですが、意外にいろんな方からのアクセスや反響がありました。 現在、記事は大まかに ・データ編 ・働き方編 の2つに分かれています。 データ編のほうがアクセスが多いのですが、働き方編のほうがいいね率が高いようです。 データ編の人気記事は以下の通り。 ・

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          ブラック企業から身を守る──「特級呪物」を集めよう

          日本の中小企業やオーナー企業の中には、「労基法なんか知るか!」と思っている経営者が一定数います。 法律よりも「ウチの掟」が大事。 「俺様が法律」の俺流経営。 俺流すぎて、こだわりの塩ラーメンでも出てきそうです。 そんなブラック経営者から身を守る方法はあるのでしょうか。 ブラック企業は問い詰められてもシラを切るブラック企業はこんな言い訳をします。 言い訳① 「ボーナスに残業代が含まれています」 →残業代をボーナスとあわせてまとめて支給する、または残業代をボーナスとし

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          裁量労働制が「定額働かせ放題」と化している

          前回に引き続き、サービス残業と違法経営についてお話します。 「うちは裁量労働制だから、どんなに働いても手取り17万円」と言う編プロ社員を見たことがあります。 (※編プロ=編集プロダクション。出版社から受託して出版物などを制作します) 「定額働かせ放題」になりつつある裁量労働制について、制度が適用される要件、残業代は出るということ、雑誌編集は裁量労働制に当てはまるのか? について書きたいと思います。 裁量労働制に当たる3つの業務前回の記事で、「みなし労働時間制」は ・事業

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          「良いものを安く売る」のは正しいのか?

          前回は、私の前職での経験から、サービス残業がいかに非人間的な働き方で、しかも日本経済にとっても損失であるという話を書きました。 従業員にサービス残業を強制している会社は、「納期に間に合わないんだから、スピード違反しても仕方がない」と言っているようなものです。 今回は、サービス残業の温床となっている制度について書きたいと思います。 固定残業制は誤解が多い固定残業制とは、固定給の中にあらかじめ残業代が含まれているという契約です。 大きく分けて二つあります。 ①みなし労働時

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          日本では4割強の人がサービス残業をしている

          今回は少し、私自身の経験を書きたいと思います。 なぜ、日本人の働き方というテーマをライターとして選んだのか。 労働問題、特にサービス残業に問題意識を感じているのは、 私自身がブラック企業に勤めていたという体験があるからです。 まさかの残業代一切なし私は大学を卒業した後、とある小さな出版社に就職しました。 編集者になるからには、ある程度の長時間労働や忙しさは、もちろん覚悟していました。 ところが、入社後に研修初日で言われたのは 「うちは残業代は出ません。払ってあげたいけど、

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          令和版「結婚できない男」は金がない

          「年収の低い男性は結婚できない」 これを実感している方は、年々増えているのではないでしょうか。 もちろん、昔からこの傾向はありました。 ただ数十年前は、会社に勤めていればどうにか昇給できたし、「日本の経済もいつかは良くなる」という期待感があったから何となく結婚できた。 しかし、今は「中流」が下へ下へと流れている時代。 男性が婚活しようとすると、女性から非常にシビアにジャッジされるのが現実です(それはもちろんお給料だけでなく、家事能力や育児への参加意欲も含めてなのですが)。

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          女性【正社員】の賃金は、男性【正社員】の約7割

          「男性と女性の賃金には格差があり、女性の賃金は男性よりも安い」 ──このように書くと、 「女性は非正規労働者が多いんだから、男性よりも賃金が安くて当然でしょう?」と言う人がいます。 ところが、女性【正社員】の賃金は、男性【正社員】の賃金の約7割というデータが出ました。 上場企業は、女性正社員の賃金は男性の7割程度つい9月に報道されたデータです。 上場企業の正社員賃金、女性は男性の7割どまり…格差の原因は? 「上場企業で働く女性正社員の賃金は男性正社員の71・7%にとど

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          20歳代、4割が「貯蓄なし」

          前回は、日本人の所得の中央値が423万円という話を書きました。 所得が423万円だと、どのくらいの貯蓄ができるのでしょうか。 すべての世帯の平均貯蓄額は1,150万円 金融広報中央委員会では「家計の金融行動に関する世論調査」を公表しています。 令和4年分の同調査によると、日本国内のすべての世帯の金融資産保有額の平均は1,150万円でした。 金融資産保有世帯に限ると、なんと1,593万円! ※金融資産とは…預貯金、金融商品などの保有額のこと 結構みなさんしっかり持ってま

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          日本人の年収、中央値は423万円

          ライターの岡本茉衣です。 物価の高騰が止まりません。一方で、給料は上がらない状態が続いています。 日本人の所得がどのぐらいか、ご存知でしょうか? 2022年の日本人の所得はいくらか? 厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、日本の所得の平均値は552万3,000円で、中央値は437万円。平均所得以下の世帯が61.1%を占める。 という記事を、2年前に講談社の「現代新書web」に書きました。 あれから2年経ち、状況は変わったのか?という話を書きたいと思います。 今年7月

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