見出し画像

地方の小さな自治体の行政①地域の振興は誰がやる?

こんばんは。

さて、しれっと2022年になって、ボチボチnoteを再開しているわけですが…

2021年、noteを完全ストップしてしまってたのは、実は2021年度から仕事がガラッと変わって、それに伴って生活の仕方もガラッと変わったことにありました。

具体的には、いわゆる「国の役人」から、地方自治体職員、つまり町役場の職員に出向してました。今も出向中です。

もともと私は新しいところに来たら、「郷に入っては郷に従う」じゃないですけど、その場所の環境とか文化とかやり方とか人たちの大切にしているものとか、それをいったんちゃんと受け止めてから、自分の言葉でアウトプットしていきタイプの人間です。環境や文化や価値観なんて、パッとみて受け取った印象で鵜呑みにしてはいけない、分かった気になって好き勝手外の者が語るのは良くないと思っていたので、あまり積極的な発信は控えていました。というわけで、理由が長くなりましたが、自分の中の仕事に対する気持ちとか、やりたいこととか、外に出せる状況じゃなくなってしまってたのです。

とはいえもう、役場職員として勤めてみて9ヶ月が経ったわけで、いろいろ感じてきたところを、いくつかの項目に分けてこれまでの振り返りとこれからを書いてみたいと思います。今日はその第一弾。

地域の振興は誰がやる?

私は、行政の役割は大きく分けて、
①住民サービスの提供
②全国共通の制度や規制の運用
③地域の振興
の3つの面があると思っています。

①や②は、いわゆる「自治体がやらなければならないこと」という認識をもたれているもの。引っ越したりして住民関係の情報の手続きに行ったりというのが、一般の人にとってはパッと思いつきやすいのかな。あとは、上下水道の利用とか、除雪とか、道路の維持管理とか。土地利用上の規制とか制度を運用したり、手続きをする窓口でもありますね。

地方の小さな自治体職員になって、今まで当たり前のように享受してきたそういうサービスを、実際に管理している人たちと近くで仕事をします。本当にこの人たちが回さないと、住めない、水飲めない、道ボロボロになるんだな、と感じます。

それと同時に、これらの仕事と並行して③を行う体力を確保することが、地方の小さな自治体には難しいんだということも痛感します。そして、地方の小さな自治体ほど、創意工夫で地域振興を頑張らないと生き残れなくなってしまうのに、そういう人材が集まらないことも。

私自身は、行政は「小さな政府、大きな政府」と言われるうちの、「小さな政府」が良いんじゃないかという考え方の人間です。地域の活性化・振興は、地域の企業や個人がやるのが、うまく進むと思っています(交通整理のために役所が介入するのが良いケースはもちろんありますが)。地域の人たちが自発的にやりたくなる方向性こそ正解で、地域の人たちが離れていったり維持できないやり方は、やはりどこかに無理があるからこそうまくいかないのだと思うからです。

ただ、実際に地方の小さな自治体にやってきて肌で感じたのは、
・ 地方の小さな自治体には、そういうことをやる気がある企業や団体があるとは限らないこと
・ 町の人は役場にその役割を期待していて、批評はするけれど主体的に参画はしないこと
・ 地方の小さな自治体の地域振興の戦略なんて、政治家の思いつき次第で簡単に変わってしまい、戦略があるとは限らないこと
の3点でした。

就職活動をする学生たちの志望動機を聞くと、地方自治体職員になる人は、①や②をこなすことを主に念頭において就職する人が一定数いるようです。③を頑張りたいという人はどれだけいるんでしょうか。

行政のなかに頑張りたい人がいないのに、行政が主体となって頑張りますというのは、とうてい無理でしょ、と思います。

頑張りたい気持ちとノウハウを持っている人や企業や団体が根付くような環境(予算含む)と受け入れマインドを、行政が主導して住民の一人一人に整備させることが必要なのだと感じています。

それでは、行政がそれを主導していくには、自治体職員にはどんなマインドや能力が必要になるのか…

これはまた次回に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?