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風俗嬢に人生を救われた話(後編)

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「救われた」までの「あれこれ抱え込んだ」のが(1)~(9)で3万字あまり……と、あまりに長いので、後編だけでもまとめました。 手っ取り早く結論を見るには、こちらをお勧めします。
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風俗嬢に人生を救われた話(終)

風俗嬢に人生を救われた話(終)

<無二>

それからもAさんの下へは、月1回程度のペースで通った。
スケジュールと予算の関係で、それ以上の登楼は難しかった。しかしおよそ月1で訪れる「心身の洗浄」が、公私に渡ってどれほど自分を助けてくれたことか。今年の春先以降の充実ぶりは、過去に例を見ないものだった。刹那的・擬似的な関係であっても、ある種のアゲマンと言えるのかもしれない。

面白いもので、ある特定の相手と関係を続けていると、自分の

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風俗嬢に人生を救われた話(14)

風俗嬢に人生を救われた話(14)

<最低>

『正直ならいいってもんじゃねえんだ。わかるか?』

……?

『嘘吐きはな。優しいから、嘘を吐くんだよ。
相手の笑顔の裏で、自分が何倍も傷付くことを受け入れられるのが、本当の嘘吐きなんだ。
相手のために嘘を吐くか、自分のために嘘を重ねるかの違いだ。自分のために嘘を吐き続ける奴は、ただの自分勝手だ』

……、……

『そうだなぁ。勿論、嘘を吐くのは、本当は良くないことだ。嘘を吐かないでみ

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風俗嬢に人生を救われた話(13)

風俗嬢に人生を救われた話(13)

<魔眼>

「そうだったんだぁ~……それで不安になって、お店まで来ちゃったの?」

ほえ~という表情で、Aさんは言った。驚いているようにも、呆れているようにも見えた。

部屋に入るなり、来訪の理由を話し、非礼を詫びた。自分の思考がぐちゃぐちゃになり、言い知れぬ不安を感じ、急な来店に繋がったことの説明をした。
本来なら、およそ2ヶ月ぶりの上京ともなれば、
「新しい門出を祝って!」
のように、あくまで

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風俗嬢に人生を救われた話(12)

風俗嬢に人生を救われた話(12)

<休息>

「会わないまま見失えば、必ず後悔する」

その一念に突き動かされ、Aさんに出会った年末。
本人との交接には失敗したものの、抱えていた問題の認識、消化に成功したことで、ようやく平穏な生活を取り戻すことができた。

宣言通り実家に戻った後も、Aさんはちょこちょこと日記を更新し続けていた。
元々、彼女の日記の大ファンであったこともあり、交換してもらったLINEで感想を送ると、気まぐれに(とい

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風俗嬢に人生を救われた話(11)

風俗嬢に人生を救われた話(11)

<選択>

「ベッドにする? それとも、マットにする?」

事の用意を始めた矢先、Aさんはそう尋ねてきた。

これには困った。
ここでいう「マット」というのは、専用のローションとエアマット(ゴムボートのような物、と考えてもらって差し支えない)を用いた、和風俗特有のサービスである。始祖は川崎、堀之内のソープ嬢とされており、今から約50年も前(!)に開発された技術体系だという。詳細は割愛させていただく

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風俗嬢に人生を救われた話(10)

風俗嬢に人生を救われた話(10)

<腐食>

腐った水だ。
死んだ魚だ。
季節が巡り、1年が過ぎた。
それでも、自分はここにいる。同じ泥沼に嵌り続けている。

1年前、生き地獄を味わった。
結婚を前提に交際していた相手に振られ、仕事でも致命的な失策を犯した。罪の意識に苛まれた末、女性に慣れる為、交接の作法を学ぶべく、全てのしがらみを振り切って、ソープ通いを始めた。

コンパニオン達からは、怪訝な顔をされた。1万2万と金を支払っても

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