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BEASTの話

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BEASTの考察をまとめています。 ※文豪ストレイドッグスの考察です。
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記事一覧

『太宰を拾った日』感想&考察

『太宰を拾った日』感想&考察

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※『太宰を拾った日』のネタバレがあります。

■はじめに

発売してから気づけば1週間以上の時が経ちましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。電子派の私は発売日の0時ちょうどに携帯に『太宰を拾った日』が格納されたのを確認し、その後すきま時間にちまちまと読み進め、時折劇場特典版も手に取りつつBEASTもざっくりとおさらいしつつ、だらだらと時間をかけて記事を執

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『太宰を拾った日』過去の考察整理

『太宰を拾った日』過去の考察整理

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※太宰を拾った日のネタバレを含みます。

待望の!文庫化!!

ということで、これまでに書いた考察の内容を一足先にまとめておきます。
あちこちに散らばっててちゃんとした感想考察を書いていなかったことに今更気付きました。
時間ができたときに改めて、文庫版の感想を書きます。

以下の内容は劇場特典の内容をベースにしていますので、文庫版の加筆修正は反映されて

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BEASTはユダを賛美する物語である(お題箱から)

BEASTはユダを賛美する物語である(お題箱から)

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※お題箱に頂いたお題への返信です。

頂いたお題はこちら:

こんばんは!
織田キリスト説すごく納得しました。
キリストは盲目の目を開く奇跡を起こしていますが、織田が太宰の包帯をほどくのがそれを示しているのかなぁなんて思ったり。
そこで気になるのは、ユダは誰なのか、です。
安易に二重スパイで、ジイドとつながっていた安吾なのかなとも思いますが、
織田の死

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Side-Bでの●●生活について(お題箱から)

Side-Bでの●●生活について(お題箱から)

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※お題箱に頂いたお題への返信です。
※「太宰を拾った日」Side-AおよびSide-Bのネタバレがあります。

頂いたお題はこちら:

ものあしさんこんにちは。
以前、コンテナ生活における太宰の排泄事情について考察されていましたが、その事について、もうひとつ非常に気になっていたことがあります。(未読の方へネタバレすみません汗)

劇場特典の『太宰を拾っ

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BEAST太宰について(お題箱から)

BEAST太宰について(お題箱から)

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※Twitterのお題箱に頂いたお題への返信です。

頂いたお題:
BEASTを一度しか読んでおらず、設定把握出来てないところがあるかも知れませんが、気になっているので投書失礼します。
BEAST太宰と太宰が別人のように感じます。
敦に「自分を憐れむな」と言っていた太宰ですが、
BEAST太宰は世を儚んで(?)さくっと自殺してしまった。
BEAST太宰

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映画版BEASTの太宰死後について(お題箱から)

映画版BEASTの太宰死後について(お題箱から)

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※映画版BEASTのネタバレを含みます。

頂いたお題はこちら:
映画版beastの太宰死後について&織田が何故小説を書いている世界と断言できるのか

映画でエンドロール後に敦くんが中也に「探偵社を攻撃するのも太宰さんの手の内だと思いますよ(的なニュアンスの事)」と言っていましたがそれは本当に太宰の手の内なのでしょうか?
太宰が織田にもうそちらを襲わな

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BEASTという物語の本質について考えてみた

BEASTという物語の本質について考えてみた

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※映画BEASTのネタバレを含みます。
※特典小説Side-A, Bもわずかながらネタバレを含みます。

BEASTという物語は、表向きは敦と芥川の立場が逆転し、織田が小説を書ける世界を太宰が用意する物語になっている。
しかしもっと深く掘ってみると、すべての元凶ともいえる一つの動機が浮かび上がってくる。震源地にいるのは、言うまでもなく太宰のようだ。

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可能世界には時間の流れが存在しないかもしれない

※この記事はマンガ文豪ストレイドッグスの考察です。
※小説BEASTおよび単行本のネタバレを含みます。

BEASTの太宰はなぜ未来を見ることができたのか?

まず大前提として、BEASTの太宰(以下B太宰)は「本の中に存在している状態」なので、世界自体が本であり異能であり、そこに存在するだけで触れていると見做されて、特異点を発生させることができる、と考えている。

だから生まれたとき、少なくとも

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結局のところ私たちは「織田作の死」を愛している。

※この記事は文豪ストレイドッグスBEASTの考察です。
※小説BEASTのネタバレを含みます。

私たちは織田作の死を愛し、織田作が死んだ世界を愛している。

彼は生によって与えられる以上の意味を死によって与えた。
何か大きな意味を持つ死は幸福な死だ。
生きることよりも重要性のある死というのはおそらく存在するのだろう。

だけど、死によって何かを伝えられる存在は稀有な存在だ。
死によって何かを伝え

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BEASTは登場人物が獣になったif世界

※この記事はマンガ文豪ストレイドッグスの考察です。
※小説BEASTおよび映画BEASTのネタバレを含みます。

BEASTは芥川と敦の立場が反転したらのif世界として紹介されているが、おそらくこの物語の本当の姿は「登場人物が獣化したらどうなるかのif世界」だと思う。「BEAST」という題名の通りなのだが、その本質になかなか気付けず、筆者を含め映画を見て苦悩している仲間は多い。

獣とは制御不可能

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本編の今後=BEAST映画の最後?

※この記事はマンガ文豪ストレイドッグスの考察です。
※単行本22巻のネタバレがあります。

22巻の考察で、ドスはこのままムルソーから逃げて中也を牢獄に閉じ込めておくのでは?という話をしたのですが、その先の妄想を展開したらBEAST映画の最後のシーンに繋がりました。
あくまでも妄想なので、娯楽として読んでもらえると助かります。

ドスとともにムルソーから脱出した中也は、その後牢獄に閉じ込められる。

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