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#2 田芋って何?栽培編

#1 田芋って何?の続きです。🌱

#1では味とか栽培地とか消費者が気になるようなこととか一般的な知識について紹介しました。

#2では農家目線から見た田芋について紹介します!

→生産スタイルは?

これがめっちゃ面白い。

だいたいの作物っていうのは
植え付け→管理→収穫→片付け
っていうスタイルなんだけど田芋は違う。

12〜4月に植え付けと収穫が全部一気に行われる。つまり…5〜11月は農薬散布、液肥散布、田んぼの周りの草刈り、出荷だけ。


見るに耐えない芋の量(手掘り…)

→なんで収穫と植え付けが同時?

この理由もまた面白い。

例えばトマトとかだと農家さんはだいたい『苗を買う』んだよね。このコストも笑えないレベル。

だけど田芋は芋の上部にある茎の部分を切って田んぼに植える。だから苗は買わずとも永遠に手に入るからコストはゼロ。

収穫したら、芋と茎を切り離す。
芋→選別して洗って成形して商品に
茎→腐ってないか確認して苗に


だから収穫したら絶対的に苗が出てくる。そうすると苗も劣化が早いからすぐに植えなきゃいけない。だけど芋も劣化が早いからすぐに洗って成形して冷凍庫に入れなきゃいけない。


一気に掘って、一気に切って、一気に収穫する

このテンポが崩れた瞬間、来年の芋を作るための苗も腐るし、今年の自分の売り上げとなる芋も腐る。

つまりスピード勝負。

しかもこれやりながら次植える箇所の田んぼをトラクターで耕さないと硬くて苗が植えられなくなる。しかもしかも、収穫した苗が全部腐れてたら植えられなくなって、時間が経つと土が固くなって振り出しに戻って、植えられなくなる。

つらつら書いたけど、つまりまじでやばい。

一気に掘って終わらないこともあるし、腐ってることもあるし、なにも予定通りに行けない。だから働きっぱなし。少しでも休めば全部のタイミングがずれる。計算もクソもない。

一つずつ包丁で芋と苗を切って分ける

→機械化は?

されてない。

芋洗機とかは里芋用のやつを使ってたり、昔の人が使ってたガラガラ回して使うやつとか。

でもそのぐらい。ほんとに他は全部手作業。

今どき全部が手作業なのもまじで珍しい。
栽培地が限られてて生産者が少ないから、発展してこなかったんだろうね~。

トラクター1台さえあれば始められる。

棒を使って掘る様子

場所さえあれば他の作物よりも始めやすい。
そして機械も苗も準備不要でコストが低い。

手作業で全然発展してない栽培スタイルがデメリットだけど、これが強みになる日が来ないかな〜とも考えたり。

→なぜ1度煮るの?

里芋とかは生のまま、土がついてたりけばけばしてるものがついて販売される。

田芋は違くて、収穫したらすぐに、けばけばをとって、水で洗って、冷凍庫に保管する

その後は出荷するタイミングで冷凍庫から出して、大きな釜に20〜50kgとかの芋をいれて1時間ぐらい煮る。

煮る前の白い芋(生)

そうすると白い芋が紫色になって、表面の皮にヒビが入ったように割れる

芋を煮てから表面が割れる芋=A品
として販売される。

表面が割れることをこっちでは『笑う』と表現される😆

1度煮ることで芋の良し悪しが分かるようになるってこと!!

割れてる上等芋

私らの周りの農家さんは煮て、良いものだけを出荷してる。

あと、生のままで放置してるとどんどん赤くなって変な色の芋になるから😞



とりあえずこんなものかな🤔
書ききれないことはたくさんあるので、気になる方はなんでも聞いてください👂

もっと田芋の認知を増やしたい〜、魅力を伝えたい〜!

insta: taimo_manami

よろしくお願いします🙇‍♀️

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