さようなら抱っこ紐
育児をしているとそれまで知らなかったグッズにたくさん出会う。
例えばおしり拭き。ウェットティッシュのような物なのであるが、育児には欠かせないグッズである。
おしり拭きと言うだけあって、うんちをした時などおしりを拭くことに使用する。
しかしそれだけではないのである。
例えば食事中に子どもがソースなどを付けてしまつまた口や手を拭くのに大いに役に立つ。
それどころか、机や椅子など汚れたところをちょっと拭くのにも役立つ万能アイテムである。
おしり拭きは育児の便利グッズの王道であるが、子育て業界にはそこそこ役に立つアイテムも数多存在する。
それは例えば、電子レンジで哺乳瓶の殺菌ができるプラスチックの箱である。
洗った哺乳瓶をプラスチックの箱に入れて、所定の場所に水を注げば熱湯消毒をしてくれる。
深夜にミルクを飲ませるのは大変であるが、消毒が電子レンジでできることでだいぶ楽をさせてもらったなと、感謝している道具である。
子どもの用品売り場に行くと、育児便利グッズがかなりたくさんあることに気がつく。
おむつを入れても臭くならないピンクの袋などはどのような構造をしていて、どんな人が開発してくれたのかと驚くほどの物もたくさんある。
そんな育児グッズに助けられて、毎日子育てをしている。育児グッズ開発者には大いなるリスペクトを送りたい。
しかしながら子どもが成長するにしたがって使わなくなる育児道具もある。
道具を使わずに育児ができるに越したことはないのだが、毎日使っているうちに愛着が湧いてくるというのも事実である。
そんな中で、私が毎日使っていたが最近使わなくなってさみしいアイテムが抱っこ紐である。
抱っこ紐は子どもが小さい頃には欠かせない物である。
うちは場面に応じて3種類の抱っこ紐を用意した。エルゴ、ベビービョルン、ポグネーの3つである。
エルゴは密着度が高く一番安心感がある。ベビービョルンはメッシュ素材なので夏場は使いやすい。ポグネーはウエストポーチのように付けられて、子どもがその上に座ることができる。
3つの抱っこ紐を駆使して日々の生活やお出かけをしてきた。抱っこ紐なしでは育児ができなかったと言っても過言ではない。
しかし娘が4歳、息子が2歳になった現在、抱っこ紐を使用する機会がなくなっているのである。
少し前までは、息子を寝かしつける時はエルゴの抱っこ紐でおんぶをしていた。
まだ一人では寝られないので、エルゴで密着しつつトントンと軽い刺激を与えると息子は眠りにつくことができていた。
ただ2ヶ月くらい前からは、おんぶしなくても娘と一緒に息子も布団で寝るようになってきた。
娘が布団で眠りにつこうとすると、息子もその近くに行って「いっちょ(一緒)にねる」と言うのである。
おんぶをして寝かしつける必要がなくなったのは非常に楽である。
肩が凝ったり腰が痛くなったりするので体への負担はとても軽減した。
しかし何か寂しいのである。
抱っこ紐を使って、私を頼って眠っていてくれた日が懐かしい。
一人で寝られるようになったことは成長であり、喜ぶべきことなのであるのだが。
子どもの成長は嬉しいことと同時に、自分の手を離れていく寂しさを受け止めることなのだと分かった瞬間である。
抱っこ紐を装着する日々は大変だったが、子どもと共に生きてきた日々だったのだと感傷的になった。
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