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#16 協力隊の住居事情・続き

「地域おこし協力隊」になって、任期満了がもうすぐですが、今3件目の家に住んでいます。こんなに引っ越しするとは思っていませんでした。そして、4件目を検討中です(笑)。

私は、担当地域内の空き家に住むことにしたので、家の貸主と借主の私とで『土地建物賃貸借契約書』を交わしました。これは前回、あまりお勧めしませんとお伝えしました。

理由は、やはり、トラブルになった時に、
当事者の素人同士で話をしていかなければならないからです。

私の場合、そこまで大きなトラブルにはなりませんでしたが、
ほ、ほ、ほろ苦い思い出となりました。結局1年も経たず退去しました。

それは、いくら書面で、ちゃんと『土地建物賃貸借契約書』を交わし、
両者読み合わせをしたとしても、解釈の違いがあったからです。

たとえ契約書の内容通りに住んでいたとしても、お互い「○○だろうと思ってた」「△△だろうと思っていた」といった希望的観測があり、ズレていたのです。

1つ、具体的な例を紹介しますと、
家の契約は、協力隊の任期である3年間で結んでいただきました。しかし、一般の賃貸物件と同じように、退去したい場合は、1か月前に申し出る(実際は2か月としました)、という文言も契約書に入れていました。

これは、貸主の方から見れば、3年間住んでくれるだろう(=途中で引っ越さないだろう)。借主の私から見れば、絶対3年間住むという約束ではない(=2か月前に申し出れば退去できる)。2つの解釈があったのです。

今考えると、一般の賃貸物件も1年更新や2年更新なのに、協力隊の任期が3年間だからといって、3年の契約にしなくてもよかったんです。

ただ、お互い素人で、経験や知識がなかったので、契約違反とまではいかないけれど、「思ってたのと違う」となったのだと思います。さらに、ここに至るまでの経緯があります。紹介した具体例は経緯の中のごく一部です。

そして、一般的な賃貸物件でも、大なり小なり、入居時や退去時に「思ってたのと違うぞ」があることを考えると、そこがポイントではありません。

ここでお伝えしたいのは、プロや第三者がおらず、素人の当事者同士だけで問題解決のため、話し合わなければならない状態はよくない、ということです。よくない、というか、しんどい、です。

問題は起きるんです、ある程度。
大事なのは、それを、誰と、どうやって解決していくか、です。

今回の私のほろ苦い思い出、そもそも不動産屋さんを通すべきだった、そもそも自分で『土地建物賃貸借契約書』を作るべきではなかった、そもそも空き家に住むべきではかった??など、あとから反省点は見えますが、

今回のポイントを通して、最初の動きでよくなかった点をみると、
これを一人で行った、ことです。『土地建物賃貸借契約書』の読み合わせも、貸主の方と借主の私だけでした。

家を探してくださったのは、受け入れ団体の方ですが、契約段階に進むと、私とのやりとりになってきます。それで、私も私の住む家だから、当然私がちゃんとしなきゃ、ということで、どんどん貸主と借主の私で話を進めていきました。

けれど、途中途中で、自治体の職員や、受け入れ団体の方を交えて状況を共有しておいたほうがよかったと思います。『土地建物賃貸借契約書』の読み合わせの時も、第三者の関係者に同席しておいてもらえばよかったと思います。

そうしておけば、その場にいる者全員が関わった、ということになり、関係者=当事者が、貸主と借主の自分以外にもいる、という状況を作っておけます。そして、その後、問題が起きたときに、その関係者に相談したり、その関係者も含めての動きが取れたりします。

つまり、自分一人でトラブル処理しなくてもいい、自分一人で抱え込まなくてもいい状況を作っておけるのです。

家のことに限らず、協力隊の活動中、問題は起きます、ある程度。もちろんない場合もあるかもしれませんし、ないに越したことはありません。

しかし、私は、問題は起きるもんだ、という前提で、その問題が起きたときに、誰とどう解決していくかの視点を持っておいたほうがいいと思います。そのためには、仮に自分一人で対応できることだとしても、要所要所で、第三者の関係者を交え、状況を共有するように心がけておくことをお勧めします。

今振り返れば、「そりゃ、そーだろうよ」ですが、
私の場合、着任して、物事がどんどん進んで、現場レベルで判断を進めていると、うっかり、経験も知識も少ないであろう少人数の当事者同士で「分かっている風」に、「私の解釈=あなたの解釈同じよね風」に物事が進んでいってしまった感があります。

ですので、特に、家などの契約に関することや、地域の人とお金に関する話をする時は、この場面は誰に関わっておいてもらったらいいか、誰に同席してもらったらいいか、誰に知っておいてもらったらいいか、といった視点で、第三者の関係者を交えることをお勧めします。

問題が起きなかったら、それはそれでいーんです。

さて、「ん?そもそも、その第三者ってまずは自治体職員でしょ?」と
思われた方、私的に大正解!私もそう思います!
ところがどっこい、そうじゃないこともあるんだなぁ。

おっと、つい興奮して、2000字超えてしまった。
家事情はまだ話したいのですが、またの機会に。
自治体職員事情もそのうち(笑)。

それにしても、ほろ苦い思い出で、甘々な自分だったな!


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