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かわいい娘の話をします

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娘のかわいい日常をお届けします。日めくりカレンダーの絵柄のように、くるくる変わる子どもの世界を、少しでも書き留めておけたら。
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2020年3月の記事一覧

誕生日とロックダウン宣言

日本より4時間早い世界線で、Twitterのプロフィール画面に風船が飛んだのを確認してから寝た。 娘のキスの重みで目を覚まし、枕元を探って携帯を手に取る。「お誕生日おめでとう」のメッセージが海の向こうから届いていて、途端にうれしくなる寝起き。 3月23日、36歳の誕生日は眠い目をこすりながら早番の夫を見送り、コーヒーを淹れて、かわらぬ日常がスタートした。 * 誕生日を熱烈に祝ってくれる娘が、数日前に「見ちゃダメよ」と作ってくれたバースデーカードをもらう。 『誕生日に

ジブリ映画を観ている娘を見るのが楽しい

先月から、Netflixでジブリ作品が順次公開されている。ニュージーランドに住む私は、娘とジブリを堪能する絶好のチャンスだ。 「となりのトトロ」からはじまり、「魔女の宅急便」「天空の城ラピュタ」。この辺りは6歳の娘でも楽しめる定番で、とてもよい反応を見せてくれた。 「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」は13歳以上の年齢指定になっている。ためしに、「千と千尋の神隠し」を一緒に観てみたけれど、千が湯屋で働いてカオナシが出てくるあたりで娘は明らかに飽きていた。ストーリーの複雑さ

1.3ドルのあこがれ

子どもの頃、絵本の世界にあこがれていた。 記憶にあるのは、ムーミン谷シリーズに登場する「こけもものジャム」。こけももの実がなんたるか、見たこともない小学生の私は、赤いつやつやした、甘酸っぱいゼリーのようなジャムをうっとりと想像した。 畳にちゃぶ台の昭和スタイルだった実家では、イチゴジャムを食パンに塗るのが精いっぱいのおしゃれだ。パンケーキは存在せず、ホットケーキミックスが3時のおやつだったあの頃。 遠い場所ほど、いつか近づきたいと夢見る。たぶんそれは、子どもが抱くファン