あるきっかけで
私が何かに
がむしゃらになった事って何だろうと
思い返してみた。

まず、部活動はやった事が無い。
そもそも運動は苦手でもあるし
ヤングケアラーの走りだった私は
そんな時間があれば
スーパーに買い物に行き
ご飯を作り
洗濯物を畳みたかったから。

勉強の朝夕課外も
私は特進コースだったけれど
一度きりしか出席した事が無い。
理由は『家庭の事情』で充分だった。
それは全ての免罪符。
とりあえず学年で1番になれば良い
それだけだったから。

仕事もがむしゃらにやっただろうか。
銀行員だった私
英会話の先生だった私
Clubのキャッシャーだった私
教育委員会の嘱託だった私
どれも自分的には頑張ったように思うけれど
『がむしゃら』って表現が、
いまいちしっくりこない。

何だかもやもやっとする私。
春だからか
利用者さん達も何処か浮かない。
午後からの講義を中止にして
利用者さん達を誘って
近くのカフェに行くことにした。

古い建物をリノベーションし
作られたカフェは
テイクアウトが主流で
店内の利用は私たちだけ。
貸切状態で私たちはラッキーだったけれど
お店としては大変かなと思ってしまう
このご時世。

お昼ご飯の後だったけれど
ミニドーナツをオーダーされた( ´ ▽ ` )笑
カロリーは気にしないとの事で
みんなで突っ込む。

ラテアートが崩れたら
椎茸みたいってみんなで大爆笑になる。

笑ってる皆さんを見ていたら
凄く不思議な気持ちになった。

半年前まで引きこもりだった人
なんなら、同居してる親とも5年以上
ロクに会話もなかったと言う人
そんな人達が
こうやって縁あって知り合い
カフェで笑いあってる今日を
誰が1年前に想像出来ただろう。

かと言って
『がむしゃら』でも無い。
それぞれが
それぞれのタイミングで
そのドアを開けたんだと思う。

ふとした時に襲ってくる不安や
悶々とした不満を
お互いが話しながら
決して解決はしないけれど
さっきまでの浮かない顔とは
まるで違う顔で笑ってる。

がむしゃらにやったからと言って
それが必ずしも1番では無い
ベストでは無い事を
皆さんに教えて貰った。

私はどこかで恥じていたのかも知れない。

がむしゃらで無かった自分に。

免罪符に身を任せてきた自分が
凄く特別な言い訳を見つけた事に。

比べないはずが
また知らずに比べていて
勝手に苦しくなっていた。

雨も降っていないのに
空を見たら虹が見えた。
彩雲と言うのだそう。
利用者さんが調べてくれた。
『見たら良い事があるんだって！』と。

既に良い事があった今日だけど
おまけまで付いてきた
そんな気持ちがした。

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